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国連総会議長、洪水リスクの克服に向け、アポロ13号のような創意工夫を呼びかけ(UN News 記事・日本語訳)

2023年04月13日

沿岸部のコミュニティーは高潮による浸水被害を受けている(インド・西ベンガル州ナムカーナ島にて)© Climate Visuals/Supratim Bhattacharjee

 

2023年2月18日 — 地球上でおよそ18億人が洪水のリスクにさらされている ― 国連総会議長はきょう、東京で開催された水の管理に関するイベントで警鐘を鳴らしました。

「これは創意工夫と決断力で克服できる課題です」チャバ・コロシ国連総会議長は「水と災害に関するハイレベルシンポジウム“ポストコロナ時代の水循環管理”」の基調演説でこのように述べ、科学に基づく解決策と連帯を呼びかけました。

コロシ議長は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)が策定された当時は、干ばつや洪水を通して生じる気候変動の影響の重大さがまだ十分に顕著ではなかったため、水と衛生に関する目標であるSDGs目標6に、洪水と干ばつに関する明示的な指標を組み込むことができなかったと述べました。

コロシ議長は、現在の課題を、不運なアポロ13号による有人月飛行での課題になぞらえました。アポロ13号は、致命的な機械トラブルに見舞われながらも、何とか地球へ帰還することに成功したのです。

「1970年当時、創意工夫と断固とした行動のおかげで、宇宙飛行士たちは地球に生還できました」コロシ議長はこのように述べ、洪水のリスクに対処するためには同様の決意が必要だと強調しました。

コロシ議長は、気候変動が引き起こす脅威に加え、脆弱な洪水対策・管理や無謀な土地利用も災害リスクを高めていると指摘しました。

国連水会議では、さらなるコミットメントを

コロシ議長は、レジリエンス(強靱性)、持続可能性、包摂性に基づいた解決策を呼びかけつつ、国連ヨーロッパ経済委員会(UNECE)が管理する1992年の国連水条約(UN Water Conventionのような国境を越えた連携の強化が欠かせないと強調し、グローバルな水情報システムの構築を改めて訴えました。

コロシ議長は、5週間後に総会で画期的な国連水会議が開催され、日本が同サミットのテーマ別討議「気候、強靭性、環境に関する水」の共同議長を務めることに触れ、この分野における日本のリーダーシップを促しました。

コロシ議長は、国連水会議で「グローバルな水情報システム、『すべての人に早期警報システムを』イニシアチブ、および今後に備える上で私たち全員に必要な科学的パートナーシップの強化を、進めるものとなるコミットメント」が打ち出されるだろうと、期待感を示しました。

李軍華(リ・ジュンファ)国連経済社会問題担当事務次長は、ビデオメッセージの中で、国連水会議の主要な成果は、行動指向型の自主的なコミットメントをまとめたプラットフォームである水行動アジェンダになると語りました。

「もし私たちが水と洪水の管理の状況を本気で変えようとするなら、私は、私の仲間である皆様が、最も想像力に富んだ前向きなコミットメントを携えて、3月の会議に参加してくださると期待しています」李事務次長はこのように述べました。

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原文(English)はこちらをご覧ください。