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現地からの報告:ガザの居住区が消滅する「激しいショック」(UN News 記事・日本語訳)

2023年12月08日

ミサイル攻撃によって、ガザでは広範な破壊が起きている ©WHO

2023年11月20日 — ガザの人々はイスラエルとの間で続いている紛争により「激しいショック」を受けていると、ガザ地区で勤務する国連職員が語りました。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のアドナン・アブ・ハスナ報道官は、イスラエル軍がガザにおいて、大半のパレスチナ人の退避を妨げながら攻撃を続けている中で、次のように話しました。

「私はこれまで、ガザで多くの戦争を見てきましたが、これほどの規模の悲劇を目にしたことはありません。これは、パレスチナ人にとって、新たな『ナクバ(大惨事)』です。数十万もの人々が南部へ避難することなど、予想も想像もつきませんでした。人々は、すべてを置いて逃げているのです。

UNRWAのメディアアドバイザー、アドナン・アブ・ハスナ氏、ガザの難民キャンプにある食料配給センターで© Ziad Taleb

私は、これまでの人生で、ガザ市内の居住区が丸ごと消し去られるような光景を見たことがありません。何千年もの間、幾世代にもわたってガザ市を離れることのなかった元々の住民が、今や難民となり、別の場所へと追いやられる様を目の当たりにしたのです。

誰もが皆、激しいショックを受けています。まるで悪夢のようです。実際に起こっていることを信じられない人もいます。今日私は、UNRWAの学校内に設置された避難所への登録を希望して、私たちの本部を訪れた男性と会いました。

話し始めた彼は、5人の子どもたち、妻、そして姉妹を失ったと語りました。彼の話し方はごく普通でしたが、失ったもののあまりの大きさをまだ理解できておらず、依然としてショック状態にあるようでした。彼は、所持金も持ち物もなく、滞在できる場所を探したいのだと言います。着の身着のままでやって来たのだと。

パレスチナの人々は、ガザ地区の最も危険な区域からの避難を続けている
© UNRWA/Ashraf Amra

彼が自己紹介をした時に、ガザで事業を営む裕福な家庭の出身であることはわかりましたが、今や彼は、突然すべてを失ったのです。

家族を失い、職も失い、すべてを失った彼は今、彼が安全だと感じられ、自分では手に入れることのできない水と食料を私たちがいくらかは提供できる場所を探しています。

それが、すでに安全を感じることができなくなった数十万のパレスチナ人たちが陥っている窮地です。UNRWAの学校にいても、青い国連旗が掲げられていても、安全だとは感じられません。通りにいても、車の中でも安心できないのです。安全な場所がどこにもなく、食料や水もわずかしかありません。

私は、何百人もの子どもたちが水や食料を欲しがる姿を目の当たりにしています。人々は、飢えと渇きに苦しんでいます。私はこれまでに、ガザでこうした状況を見たことがありません。人々がひしめき合い、口論し、怒鳴り、叫んでいます。

まだ稼働を続けている淡水化プラントの前では、数千人が飲用水を待ちわびています。実際に、人々はすべてを失い、現金を持っておらず、着の身着のままの状態です。何も持っていないのです。冬に向けた準備さえできていません。これは非常に大きな困難です。

一般の人々であれ、UNRWA職員であれ、状況は同じです。私たちは、住む場所を追われ、避難所で暮らしています。私も他の同僚たちも、かつてガザで経験したことのない気持ちになっています。

時折、私はふと立ち止まり、自分は何について話しているのだろうかと考えます。私は、集団の苦しみについて話しているのでしょうか。それとも、個々の人々の苦しみについて語っているのでしょうか。(パレスチナの)あらゆる人に自分のストーリーがあるのです。家族や、お金、財産、土地など、すべてを失うというストーリーです。

パレスチナの人々は、再びゼロ地点に戻りました。彼らが常に問いかける核心は、『この事態をどう考えればよいのか、これから何が起きるのか?』正直なところ、誰もこの問いに答えられないでしょう」

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原文(English)はこちらをご覧ください。