本文へスキップします。

  • プリント

ここから本文です。

国連総会議長、2024年のビジョンの概要を語る(UN News 記事・日本語訳)

2024年02月09日

加盟国に向け2024年の優先課題について概要を説明するデニス・フランシス第78回国連総会議長©UN Photo/Eskinder Debebe

2024年1月16日 —ガザ危機や分断状態にある安全保障理事会の不作為をめぐり、人々の注目が193の加盟国で構成される国連の主要機関にますます集まる中、国連総会議長はきょう、自身の残りの任期中における優先課題を明確にしました。

デニス・フランシス総会議長は、喫緊の課題に対処する決意を強調し、変革に向けた確固たる行動の必要性を示唆しました。

「私たちは、2024年の重要な会議である『未来サミット』をしっかりと見据えねばなりません。世界の指導者たちがここニューヨークに結集し、人々と地球のためにより良い結果をもたらす方法について、新たなグローバル合意を形成することが期待されている」とフランシス議長は述べました

「未来サミット」に向けた準備は、持続可能な開発目標(SDGs)の実施を「強く後押しする」ことに重点を置き、現在から9月までの間に大きな注目を集めるでしょう。

「私たちは、グッド・ガバナンスや、グローバル公共財の効率的な提供に私たちのシステムを適応させるべく、あらゆる機会を捉えていかねばならない」と議長は続けました。

議長の任期は、総会の会期と重なります。第78回総会議長のフランシス氏の場合、任期は2023年9月5日に始まり、2024年9月10日に終わります。

平和の礎

フランシス議長は演説の中で、平和を「私たちの共同の取り組みの究極の目標」であり「私たちのあらゆる行動の基盤」であるとして、その重要性を強調しました。 

「それゆえ、私たちが(中略)この世界をより平和で安全なものにするという政治的意思と能力の、両方を発揮すことが極めて重要だ」と議長は述べました。

ガザの状況をめぐる安全保障理事会の明らかな行き詰まりを指摘し、議長は、再開された第10回緊急特別会合で採択された決議に言及しました。決議は、即時の人道的停戦、人質全員の解放、人道支援への無制限アクセスを求めています。

フランシス氏は、「現地での意義ある前進」と無実の人々の命を救うための総会の決定と決議を即時に実行することを求めた自身の呼びかけを、あらためて繰り返しました。

「確実なのは、この中東の紛争において軍事的解決は不可能だということだ」と議長は続けました。

拒否権に対するイニシアチブ

フランシス議長はまた、「拒否権に対するイニシアチブ」に焦点を当て、国連システム全体の一貫性を実現するためには、国連の主要機関の間における説明責任と協力を醸成することが極めて重要だと強調しました。

この画期的なイニシアチブのもと、総会議長には、安全保障理事会の常任理事国のうち1カ国以上が拒否権を行使してから10就業日以内に193の加盟国が集まる正式の総会を招集し、拒否権が行使された状況について協議を行う権限が与えられます。

主要なイベント

フランシス氏はまた、今回が初開催となるサステナビリティ・ウィーク(4月)、第4回小島嶼開発途上国国際会議(アンティグア・バーブーダ、4月)、第3回内陸開発途上国会議(ルワンダ、6月)など、今後数カ月間に予定されている一連の重要イベントについても発表しました。

さらに、薬剤耐性に関するハイレベル会合や、1994年の国際人口開発会議の開催30周年の記念行事が予定されていることにも触れました。

* *** *

原文(English)はこちらをご覧ください。