ある日本の町、資源循環型社会への道をひらく(UN News 記事・日本語訳)
2024年05月08日
2024年3月29日 ー 日本の南西部に位置する鹿児島県大崎町で、ごみの最終処分場が近い将来に満杯になることが明らかになった時、焼却処理施設の建設が合理的な選択肢のように見えました。しかし、大崎町はそれを選ばず、廃棄物のリサイクルに力を入れることにしました。3月30日の「ごみゼロ国際デー」を前に、大崎町の町議会議員として現在町のごみ削減に取り組む藤田香澄氏に、そのきっかけを伺いました。
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藤田氏は、自治体や民間セクター、そして地元の人々と協働し、大崎町の未来をより持続可能なものにするため2021年に大崎町に移住しました。人口およそ1万2,000人の大崎町は、現在ごみのリサイクル率80%以上を達成し、焼却炉の建設を回避することができています。
「気候変動に直接関わる仕事をずっとやりたいと思っていました。この危機に対して何かしなければいけないと強く感じていたんです。だから、私は大崎町に来ました。
大崎町では ゴミを27品目に分類します。町にはごみ焼却処理施設がないので、この青い袋だけが直接埋立処分場に運ばれます。残りの26品目は、資源ごみとして適切に分別され リサイクルされます。
例えば、プラスチックは硬いものと容器包装などに 分けて 圧縮されます。圧縮された資源ごみは、日本全国の再資源化工場に運ばれます」
誰もが変化を生み出せる
「生ごみは青いバケツで 週に3回集められ、細かく砕かれます。街中で剪定された草木も粉砕されて生ごみと混ぜられます。草木に含まれている多くの土着の微生物が生ごみを分解することで豊かな堆肥が作られます。生ごみで作られた堆肥のほとんどは大崎町の農場で 使われています。
非常にシンプルな工程で、世界中どこでも実践できます。実際に、生ごみ堆肥化の技術はインドネシアに 伝えられています。大崎町の職員とリサイクルセンターのスタッフがインドネシアで生ごみの分別と堆肥化の技術を教えているのです。これは、多くの開発途上国が抱える廃棄物の問題の解決策になるかもしれません。
自分たちの使った製品が最終的にどうなるのか、そして、ごみの問題の複雑さを一人ひとりが もっと理解してほしいと思います。理解することで、ゴミは減らせると気づくことができます。行政職員や企業も現状を理解する必要があります。変化を生み出すためには、あらゆる人々の行動を促すことが重要です」
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原文(English)はこちらをご覧ください。