シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第17号】11/13付資料
2013年11月15日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第17号/2013年11月13日
◆事務総長のシリア関連発言
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は11月11日、総会で演説し、国連がシリアの化学兵器廃棄の検証、救命のための人道援助の提供、政治的解決の実現という3つの取り組みを進めていると述べました。事務総長は人道状況に対する重大な懸念を表明し、シリアでは900万人以上が人道援助を必要としているものの、包囲されて立ち入りが難しい地区に取り残されているシリア人250万人には援助が届いていないことを明らかにしました。そしてシリア政府に対し、人道援助のアクセスに対する厳しい制約を緩めるよう強く促しました。事務総長は、人道対応が深刻な資金不足により妨げられていることを指摘したうえで、来年1月にクウェートで「シリアに関するハイレベル拠出誓約会議」を招集する予定であることを明らかにしました。事務総長はまた「国連は年内のジュネーブⅡ会議開催に向け、懸命な努力を続けている」と語りました。
-事務総長による総会への報告は以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/infocus/sgspeeches/statments_full.asp?statID=2051
◆UNICEFの声明
ダマスカス市内と周辺部の学校に対する一連の迫撃砲による攻撃で、子ども9人が死亡し、学生29人が負傷したことを受け、国連児童基金(UNICEF)は11月12日、激しい憤りを表す声明を出しました。UNICEFは声明で「こうした蛮行を止めなければならない。シリアに対する影響力を有する者はすべて、子どもの命の尊厳を守り、学校を安全な避難場所として確保し続ける倫理的義務を負う」と述べています。
-詳しくは以下をご覧ください。
◆レバノンのシリア難民
デレク・プランブリー国連レバノン担当特別調整官は11月13日、ベッカー渓谷西部の町ザ―レとジュブ ジェニンを訪れ、シリア難民とその受け入れコミュニティの現状、および、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、レバノン政府その他のパートナーが続けているニーズ充足への取り組みを視察しました。プランブリー特別調整官は、困難な時期ではあるが、レバノンと国際社会は難民と寛容な受け入れコミュニティに対する支援を続けるだろうと述べ、難民の帰還を可能にするようなシリア危機の政治的解決に対する期待を表明しました。
-詳しくは以下をご覧ください。
◆OPCW国連合同シリア査察団
兵器と化学薬品の廃棄に関するプログラムの第3段階に向けた準備を進めている化学兵器禁止機関(OPCW)・国連合同査察団は、これまで治安の悪化を理由に査察官が立ち入れなかった2カ所の施設のうち、1カ所の検証を終えたことを確認しました。合同査察団によると、11月6日現在、シリア当局が申告した23カ所のうち22カ所の検証が完了しています。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://opcw.unmissions.org/Default.aspx?tabid=6576&ctl=Details&mid=10358&ItemID=6820&language=en-US
注記:OPCWと国連は、OPCW国連合同シリア査察団専用のウェブサイトを立ち上げました(http://opcw.unmissions.org)。このサイトには、合同査察団設置に至る経緯とその任務のほか、シリアが保有する化学兵器の廃棄に関するOPCWと国連の活動にまつわる出来事が時系列で掲載されています。また、この問題に関するOPCWと国連の広報資料や重要な文書も閲覧できます。
◆WFPの活動
世界食糧計画(WFP)は11月12日、2組の機関合同援助車両が、5カ月近くも孤立していたホムス県内数カ所の3万5,000人に対し、1カ月分の食料配給を行ったことを明らかにしました。これによると、シリアへの対応はWFPにとって引き続き、世界で最大かつ最も複雑な緊急事態となっており、紛争被災者の食料ニーズを充足するためには、毎週3,000万米ドルが必要とされています。
-詳しくは以下をご覧ください。
主な国連ニュース記事
シリア・アラブ共和国のポリオ – 近況
2013年11月11日 – シリア・アラブ共和国では、1型野生株ポリオウイルスの症例が13件確認されています。遺伝子シークエンシングによると、分離されたウイルスは、2012年12月にエジプトの環境試料から検出されたウイルスと酷似しています。シリア・アラブ共和国では1999年以来、野生株ウイルスは検出されていませんでした。包括的な蔓延対策は、地域全体で続けられています。2013年10月24日には、すでに計画されていた大がかりな補足的ワクチン接種活動がシリアで始まり、政府支配地域と紛争地域の双方で160万人の子どもが予防接種を受けることになっています。
http://www.who.int/csr/don/2013_11_11polio/en/index.html
4,000万ドルを超える資金不足で、国連の対パレスチナ難民援助が危機に
2013年11月11日 – 約500万人のパレスチナ難民に保護と援助を提供する国連機関が資金不足に陥り、その活動が滞る恐れが出ています。その最高責任者はこの事実について警告し、従来のドナーと新規のドナーの双方に対して、支援を強化するよう訴えかけました。(中略)自発的拠出金により運営されている国連パレスチナ難民救済事業機関は今年、4,800万ドルの資金不足に陥っており、この穴が埋められなければ、職員への給与が支払えなくなり、その活動は滞ってしまうことになります。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=46465&Cr=palestin&Cr1=
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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