シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第23号】12/24付資料
2013年12月26日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
* * * * * * * * * *
ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第23号/2013年12月24日
◆ジュネーブⅡ会議
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は12月23日の記者会見で、ジュネーブⅡ会議の招集に向けた準備は順調に進んでおり、招待者のリストもほぼ完成していると述べました。2014年1月24日に開催予定のジュネーブⅡ会議には、30カ国以上が招待されています。「交渉は困難であるとはいえ、これをせずに行き着く先は、流血と絶望以外の何物でもありません」。事務総長はこのように語っています。この会議の目標は、2012年6月30日に採択された、選挙実施までの期間について暫定政府の樹立を求めるジュネーブ・コミュニケの履行により、紛争の政治的解決を達成することにあります。
-詳細は以下のプレスリリースをご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=46812&Cr=syria&Cr1=#.UrmmsPttPm4
-事務総長の記者会見の詳細は以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/offthecuff/index.asp?nid=3216
◆共同特別代表、ジュネーブⅡ会議を控え、懸念を表明
ブラヒミ共同特別代表は12月20日、ジュネーブⅡ会議に向けた準備に関する記者会見で、人道援助のアクセスを阻んでいる戦闘の激化に対する「怒りと遺憾」の意、および、拉致事件と捕虜の不正拘束の増大に対する懸念を表明しました。特別代表は、国連とNGOが援助を必要とする2,300万人のうち1,000万人に援助を届けるべく努めているとして、次のように語りました。「このような人々への援助提供は依然として困難となっています。私たち全員が、援助を必要とするすべての人々に対するアクセスの改善に努めることを期待します」
-ブラヒミ共同特別代表の記者会見の詳細は以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/offthecuff/index.asp?nid=3212
◆EU、化学兵器廃棄のための資金をOPCW国連合同査察団に供与
キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表は12月20日、EUが化学兵器禁止機関(OPCW)特別信託基金に1,200万ユーロを拠出することを明らかにしました。OPCW事務局長は、この資金を「シリアから搬出される化学物質の民間企業による廃棄の費用負担」に用いると述べました。OPCWは入札を募る通知を発出しています。
-詳細は以下のプレスリリースをご覧ください。
http://opcw.unmissions.org/Default.aspx?tabid=6576&ctl=Details&mid=10358&ItemID=11516&language=en-US
◆ジェノサイド予防担当国連特別顧問の声明
アダマ・ディエン・ジェノサイド予防担当特別顧問は12月20日の声明で、アラウィ派と少数者集団がシリア政府寄りとみなされ、報復攻撃を受けていることに対し、深い懸念を表明しました。「私は紛争の全当事者に対し、宗教的または民族的アイデンティティを理由として個人や集団を標的とすること、および、戦闘に直接関与していない民間人に対して攻撃を加えることを禁じる国際人道・人権法を遵守するよう強く促します」。ディエン特別顧問はこのように述べています。
-ディエン特別顧問の声明は以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/infocus/Syria/press.asp?sID=44
◆2014年1月に第2回拠出誓約会議を開催
シリアに関する第2回拠出誓約会議は、国際的な財政支援を結集し、数百万のシリア人の基本的人道ニーズを充足することをねらいとしています。2014年1月15日に開催予定の会議は、クウェートのサバーハ・アル・アハマド・アル・ジャービル・アル・サバーハ首長が主催し、潘事務総長が議長を務めることになっています。国連人道問題調整事務所(OCHA)は2012年1月以来、220万を超えるシリア人が近隣諸国に避難しており、現時点で援助を必要とするシリア人の数は、国内避難民650万人を含め、900万人を超えていることを明らかにしています。
-シリアに関する第2回拠出誓約会議については以下をご覧ください。
http://www.unocha.org/syria-humanitarian-pledging-conference
◆UNRWA:ダマスカス近郊のパレスチナ難民に届かぬ援助
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は12月20日、ダマスカス郊外ヤルムークのパレスチナ難民の窮状を訴え、これに懸念を表明しました。UNRWAによると、この地域には2013年9月以来、切実に必要とされている物資が届けられていません。
-詳細は以下をご覧ください。
主な国連ニュース記事
国連人権パネル、シリアで広範な強制失踪の発生を報告
国内での人権侵害について調査中の「シリアに関する独立国際調査委員会」が発表した報告書によると、威嚇キャンペーンおよび戦術の一環として、シリア全土で強制失踪が横行しています。12月19日にジュネーブで発表されたこの報告書は、紛争が勃発した2011年3月から2013年11月にかけ、委員会が行った直接の面談調査の結果に基づき作成されたものです。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=46781&Cr=Syria&Cr1=
シリアからの難民の中には、深刻なリスクに直面する無国籍者も
2013年にイラクのクルド地域で実施された調査によると、シリアからのクルド系難民の約10%が無国籍者となっています。これは、国籍取得申請前にシリアからの避難を余儀なくされたり、シリア当局への登録を行っていなかったために国籍取得資格を認められなかったりした人々が多くいたためです。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はエジプト、イラク、ヨルダン、レバノンの各国で、難民の家族と面会し、現地当局の啓発を図るとともに、難民の登録手続きを明確にするための取り組みを進めています。
http://www.unhcr.org/52b45bbf6.html
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
* *** *