シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第24号】12/31付資料
2014年01月07日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
* * * * * * * * * *
ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第24号/2013年12月31日
◆OPCW国連合同査察団の作業に遅れ
化学兵器禁止機関(OPCW)・国連合同査察団は12月28日、声明を発表し、技術的な諸困難により、12月31日の期限までにシリアから廃棄すべき最重要化学兵器材料をすべて搬出することはできなくなったと述べました。
-詳しくは以下のプレスリリースをご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=46843&Cr=syria&Cr1=chemical
-OPCW・国連合同調査団のステートメントは以下をご覧ください。
◆事務総長、遅延にもかかわらず作業の継続を表明
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、この遅れにもかかわらず、合同査察団がシリア・アラブ共和国政府や支援当事国との密接かつ集中的な協力を続け、できる限り早く安全かつ安心な搬出・輸送活動の開始を図っていることを明らかにしました。
-詳しくは以下のステートメントをご覧ください。
http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=7380
◆OPCW事務局長、シリアにリスク緩和措置を要請
合同査察団がきょう、12月31日までに最重要化学兵器材料を搬出することが難しくなったとの声明を出したことを受け、OPCW事務局長は、2013年12月23日に発表した最新の月次報告書で、これら化学物質を現在地から積出港まで運ぶため、可能なあらゆるリスク緩和オプションを検討するようシリア当局に促していることを改めて明らかにしました。
-OPCW事務局長のステートメントは以下をご覧ください。
http://opcw.unmissions.org/Default.aspx?tabid=6576&ctl=Details&mid=10358&ItemID=12526&language=en-US
◆事務総長、シリア会議への招待状送付に期待
事務総長報道官は12月31日の記者会見で、事務総長ができるだけ早く、シリアに関する国際会議への招待状を送付したいと考えていることを明らかにしました。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/spokesperson/highlights/index.asp
◆事務総長、「樽爆弾」の使用に懸念を表明
事務総長はシリアでの暴力の激化、特にこの数日間、アレッポでシリア政府軍が「樽爆弾」を使用し、民間人を含む数百人の死傷者が出たと報じられていることについて、重大な懸念を表明しました。そして、民間人が住む地域に対して、無差別的な重火器の使用や迫撃砲攻撃が続いていることを非難しました。
-事務総長のステートメントは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=7376
-関連プレスリリースは以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=46834&Cr=syria&Cr1=
◆2014年末までに、援助が必要なシリア難民の数は約410万人に
事務総長報道官は12月31日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)からの報告として、登録済のシリア難民の数がこの1年で230万人を超え、現在でも1カ月あたり12万7,000人のペースでシリアからの難民流出が続いていると述べました。UNHCRは、援助を必要とするシリア難民の数が2014年末までに、子ども200万人を含む約410万人に達するものと見ています。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/spokesperson/highlights/index.asp
◆UNRWA、パレスチナ難民に対する緊急人道援助を要請
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、包囲状態にあるダマスカスのヤルムーク難民キャンプで、少なくとも5人のパレスチナ難民が栄養不良のため死亡し、死者の数が計15人に上ったとの報告を受けたことを明らかにしました。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/spokesperson/highlights/index.asp
◆EU、さらに1,600万ユーロをUNRWAに拠出
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は12月27日の声明で、欧州連合(EU)による1,600万ユーロ(2,190万米ドル相当)の新規供与に感謝の意を表しました。UNRWAによると、この拠出は、シリア情勢の悪化と、パレスチナ人や人道援助要員を含む民間人の死傷者増大を受けて決定されたものです。現在、20人のUNRWA職員が拘束されるか、行方不明となっています。今回の拠出により、2013年のEUのUNRWAに対する拠出額は合計で1億5,350万ユーロ(2億980万米ドル相当)に達しました。EU加盟国からの個別の拠出金を含めると、UNRWAは2013年、その資金の41%をヨーロッパから調達したことになります。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.unrwa.org/newsroom/press-releases/unrwa-thanks-eu-support
主な国連ニュース記事
UNHCR、シリア北東部に空輸された越冬援助物資を配給
UNHCRは12月30日、この2週間でシリア北東部に緊急越冬援助物資を空輸し、これを遠隔地で社会的弱者5万人に配給したことを明らかにしました。12月17日に始まったイラク・エルビルからの300トン規模の援助物資の空輸は、12月29日に最後の第12便がカーミシュリー国際空港に到着し、完了しました。これらチャーター便では、防寒用の毛布、防水ビニール・シート、台所用品、敷布団、ジェリー缶、衛生用品などの物資が運ばれました。世界食糧計画(WFP)と国連児童基金(UNICEF)も、同じくエルビルから必需品の空輸を行っています。
http://www.unhcr.org/52c17e389.html
苦難の末、ヨーロッパで冷遇を受けるシリア難民
アテネ、ギリシャ、12月27日(UNHCR)– 3人の子どもを連れ、生命の危険を冒して苦難の旅を続けてきたシリア難民のラジャーさんが行き着いたのは、小さなランタンとろうそくだけが灯る、ここアテネの地下室。家族が安心して暮らすには程遠い状況が続いています。
http://www.unhcr.org/52bd53bb9.html
英国からのおもちゃの支援で、笑顔が戻ったシリア難民の子どもたち
昨秋、ピットリバース博物館と英国スカウト・ガイド・フェローシップを通じ、オックスフォードとバークシャーの子どもたちが創作、寄付または収集したおもちゃが、2,300マイル(約3,700キロ)を超える長旅を終え、最終目的地であるヨルダンのザータリ難民キャンプに到着しました。この旅は、国境なき航空団(Aviation Without Borders)の英国支部とUNHCRの協力により実現したものです。「おもちゃで笑顔を(Toys for Smiles)」と題するこの取り組みは今週、まさにその名にふさわしい成果を達成しました。
http://www.unhcr.org/52b96c849.html
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
* *** *