シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第25号】1/8付資料
2014年01月10日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第25号/2014年1月8日
◆事務総長、シリアに関するジュネーブ会議への招待状を送付
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は1月6日、シリアに関するジュネーブ会議への招待状をシリア内外の参加者に送付しました。事務総長は記者声明で、暴力を終わらせるとともに、平和の回復と、2012年6月30日のジュネーブ・コミュニケで予定された移行を確保するための唯一の機会として、この会議を捉えているとの見解を強調しました。そして、この取り組みの核心が、双方の合意に基づく暫定政権の樹立にあることを指摘しました。2014年1月22日に事務総長を議長としてモントルーで開かれる会議に続き、1月24日には、ジュネーブの国連事務所でブラヒミ共同特別代表がファシリテーターとなり、シリア当事者間の交渉が行われる予定です。
-事務総長のプレスステートメントは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=7387
◆合同査察団による化学兵器の搬出がさらに進展
シリアが保有する化学兵器の廃棄に向け、国際的な取り組みが続く中、1月7日には、シリア国内から初めて優先化学物質が搬出されました。この化学物質は国内の2カ所からシリアのラタキア港に搬送された後、デンマークの貨物船に積み込まれました。化学兵器禁止機関(OPCW)・国連合同査察団による援助と検証の下で進められたこの作業は、化学物質をシリア国内に搬出したうえで廃棄するというプロセスにおいて、重要な第一歩となるものです。化学物質を積んだ船は国際水域に向けて出港しましたが、化学物質がさらにラタキア港に到着するまで、洋上にとどまることになっています。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://opcw.unmissions.org/Default.aspx?tabid=6576&ctl=Details&mid=10358&ItemID=13664&language=en-US
1月8日、安全保障理事会への非公開ブリーフィングを終えたカーグ特別調整官は記者会見に臨み、すべての化学兵器物質の搬出を6月30日の期限までに完了させると述べました。また、OPCW国連合同査察団の作業を妨げかねない課題にも触れ、「査察団にとっては、戦闘に巻き込まれたり、直接、間接に攻撃の対象となったりするなど、治安面の懸念が大きい」ことを指摘しました。
-カーグ特別調整官の記者会見の詳細は以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=46888&Cr=Syria&Cr1=#.Us20M_t5iGk
◆国連機関、共同キャンペーン「失われた世代にしないために」を立ち上げ
国連児童基金(UNICEF)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と、セーブ・ザ・チルドレン、ワールド・ビジョンその他のNGOパートナーは1月7日、シリアの子どもたちを失われた世代にしないために、10億米ドルの拠出を要請しました。各機関はこの「失われた世代にしないために(No Lost Generation)」戦略を通じ、ドナーからの資金と公的支援を、シリアの子どもたちを苦難、孤立、トラウマから救い出すために欠かせない教育・保護プログラムへと集中的に振り向けようとしています。ソーシャルメディアを活用し、一般からの支援や拠出を募るため、ハッシュタグ#childrenofsyriaによる大々的な一般参加型キャンペーンも展開されています。
-「失われた世代にしないために」キャンペーンの詳細は以下をご覧ください。
http://www.unicef.org/media/media_71701.html
https://twitter.com/search?q=%23childrenofsyria&src=tyah
主な国連ニュース記事
WHO、125トン以上の医療物資をアレッポに送達
世界保健機関(WHO)は2013年最終週から2014年第1週にかけ、アレッポ(シリア)の政府、反体制派勢力双方の支配地域で活動する医療従事者に対して2回にわたり、計125トンを超える医療機器と医薬品を届けました。これらの援助により、紛争の全当事者に医薬品と医療物資が着実に供給される状況が続いています。2013年、WHOとそのパートナーは460万人分の医療物資を配給し、36の現地NGOなどの医療パートナーを通じて移動診療車その他のサービス提供を支援するとともに、2,500人近い現地医療従事者に感染症や発症対応、科学的危害、栄養不良、精神衛生に関する訓練を施しています。
http://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/who-delivers-more-125-tons-medical-supplies-aleppo
イラクのクルド地域に数千人の難民が到着
1月6日、ペシュカブールのシリア・イラク国境が開放され、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、シリア難民2,519人が舟橋を渡ってイラクに入国しました。イラクのクルド地域とシリアとの間の国境検問所は、約6万人のシリア人が出国した9月中旬以来、閉鎖されていました。イラクでは現在、21万人のシリア難民が登録されています。
その一方で、イラク中部では治安の悪化により、新たな国内避難民が発生しています。UNHCRは国連パートナーや政府と連携し、ファルージャとラマディでの最近の暴力激化を受けて避難した人々のニーズの把握に努めています。
http://www.unhcr.org/52cbf3a39.html
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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