シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第26号】1/15付資料
2014年01月17日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第26号/2014年1月15日
◆シリア支援国会合、24億米ドルの拠出を誓約
1月15日、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長を議長としてクウェートシティで開催された第2回シリア国際人道支援拠出誓約会合では、24億米ドルの拠出が表明されました。2014年にシリアと周辺国の人々を支援するための資金として、当初65億米ドルの拠出が要請されていましたが、これは1件の人道緊急事態に関するものとして、史上最高の金額でした。事務総長は閉幕の挨拶で、心から歓迎の意を表明し、シリアに対してこれだけの資金の拠出が誓約されたことで、世界がシリアの人々を忘れてはいないことがしっかりと明確に伝わったと述べました。事務総長はまた、1月22日のシリアに関するジュネーブ会議を前に、すべての関係者に対し、紛争当事者を交渉の席に着かせるための取り組みをさらに強化するよう強く促しました。
-事務総長の閉幕挨拶の全文は以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=7398
◆国連人道問題担当事務次長、支障のない人道アクセスを改めて要請
ヴァレリー・エイモス人道問題担当事務次長は、同じくクウェートでのシリア支援国会合で、2013年中、シリア全土で人道援助活動が活発化したものの、支援を切実に必要とする人々すべてに援助が行き渡っているわけではないことを指摘しました。そして、包囲状態のコミュニティに暮らす約24万5,000人が食料不足に直面しているという報告が続いていることについて、深く憂慮の念を示しました。エイモス事務次長はさらに、無差別的な攻撃を止め、人道援助提供への障害を取り除くよう改めて要求しました。
-エイモス人道問題担当事務次長のスピーチ全文は以下をご覧ください。
◆事務総長、イラク北部のシリア難民キャンプを訪問
支援国会合に先立ち、イラクを訪問した潘事務総長は、マーリキー首相をはじめとするイラク高官と会談し、シリア紛争の人道面での影響を含むイラク情勢について話し合いました。事務総長は、イラク政府によるシリア難民の受け入れに感謝するとともに、難民のために国境の開放を続けるようイラクに要請しました。事務総長はイラク滞在中、エイモス事務次長、アントニオ・グテーレス難民高等弁務官とともに、クルド地域エルビル付近のシリア難民キャンプを訪問しました。事務総長はその後の記者会見で、国連と国際社会の連帯と支援を示すことが、難民キャンプ訪問の目的だったことを明らかにしました。
-事務総長とイラク高官との会談については以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/offthecuff/index.asp?nid=3238
-難民キャンプを訪問後の記者会見については以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/offthecuff/index.asp?nid=3240
◆銃撃により、UNRWAのヤルムーク難民キャンプ向けの援助に支障
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は1月13日、シリアのヤルムーク難民キャンプ向けのトラック6台が援助物資を届けられなかったことに対し、強い遺憾の意を表明しました。この6台のトラックは、道路の障害物除去作業をしていたブルドーザーが銃撃を受けたため、引き返すことを余儀なくされました。UNRWAは、シリア当局と協力し、その他勢力との連絡も取りながら、引き続き難民キャンプへのアクセス確保に努めることを明らかにしました。ヤルムーク・キャンプへのアクセスを確保する責任は、主としてシリア当局側にあります。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/spokesperson/highlights/index.asp
主な国連ニュース記事
UNウィメンとオランダ主催のシリア女性会議、来る和平交渉に向けた力強い提言を採択し閉幕
UNウィメンの後援により、ジュネーブで開催されたシリア和平プロセスへの女性の参加を支援するための会議は1月13日、シリアの女性市民団体と活動家によるプレス・ステートメントの採択で幕を閉じました。この成果文書は、すべての交渉チームの女性参加率を30%以上とすること、ジュネーブ交渉プロセスの期間中、委員会を組織すること、調停チームに上級ジェンダー顧問を設けることを求めています。参加者はまた、憲法で男女平等を定め、女性に対するすべての形態の差別と暴力を犯罪とすることも要求しました。
http://www.unwomen.org/en/news/stories/2014/1/press-release-on-syrian-women-meeting
UNICEFとWHOのシリア常駐代表、ラッカ県でのポリオ予防接種中断を非難
ダマスカス、2014年1月13日 – 国連児童基金(UNICEF)と世界保健機関(WHO)のシリア常駐代表は、シリアのラッカ県でのポリオ予防接種キャンペーンが戦闘激化により中断したことを強く非難しました。WHOとUNICEFは、住む場所に関係なく、シリアのあらゆる子どもに予防接種を確保するための支援を行っています。両機関はすべての当事者に対し、即座に戦闘を停止するとともに、ポリオ予防接種キャンペーンをはじめ、救命を目的とする人道的介入の遂行を認めるよう呼びかけました。
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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