シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第28号】1/31付資料
2014年01月31日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第28号/2014年1月31日
◆ジュネーブ会議、移行政府の問題を検討
シリア政府と反体制派代表との間で行われているジュネーブ会議は5日目を迎えましたが、ブラヒミ共同特別代表は、信頼醸成に向けた措置を完了し、ジュネーブIコミュニケの履行について議論を始めるための取り組みに関し、メディアへの報告を続けています。特別代表は1月29日の記者会見で、両当事者が移行政府の樹立に関する事前協議を始めたことを明らかにしました。そして、国連とシリア当局との間でも交渉が続けられている人道問題、特にホムスの状況についても、集中的な議論が行われたと付け加えました。ブラヒミ共同特別代表はその一方で、第1回目の交渉は1月31日で終了する予定であり、第2回目の交渉のスタート時期については、両当事者間で協議される予定であることも指摘しました。
-記者会見の全文(英語)は以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/infocus/Syria/press.asp?sID=45
◆ホムスへの人道援助提供に向け、国連機関の準備態勢整う
世界食糧計画(WFP)の報道官は1月28日、記者団に対し、古都ホムスに取り残された家族に緊急に必要とされる人道援助を届けるため、国連機関合同の援助車両が出動準備の態勢を整えていることを明らかにしました。現地の全当事者が合同援助車両の進入を認めれば、WFPは500世帯分の食料と500袋の小麦粉を届けられるようになりますが、これは2,500人が1カ月暮らせる量に相当します。WFPはまた、アッラスタン、アルフーラ、タルビーセ、テルマアラ、ガントを含むホムス県の他の町にも、同機関とパートナーが不規則ながら物資を搬入していると述べました。WFPはその他、ラッカ、ハサカ、デリゾールの77万5,000人以上が数カ月間、援助を受けていないことに懸念を表明するとともに、ダマスカス近郊の農村部では40カ所以上が包囲状態にあり、80万人に影響が及んでいると見られることも明らかにしました。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.unog.ch/80256EDD006B9C2E/%28httpPages%29/0611E2CDD9B746FA80256EE700377B1F?OpenDocument
◆4回目のOPCW月次報告を安全保障理事会に提出
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は1月27日、安全保障理事会議長宛の書簡で、化学兵器禁止機関(OPCW)事務総長による4回目の月次報告書を提出しました。この報告書は、2013年12月21日から2014年1月20日にかけ、シリアの化学兵器廃棄に関するOPCW国連合同査察団が行った活動についての情報を提供するものです。報告書では、各種の後方支援、技術面の問題に加え、シリアの治安情勢が依然として不安定であるため、活動の進捗状況に影響が出ているとの指摘がなされています。その結果、シリアの化学兵器全廃に向けた作業に遅れが生じています。事務総長は、この遅れが挽回不可能でないことを強調しながらも、国内での化学兵器関連物質の移送を迅速化し、決議2118(2013)に基づく義務を引き続き果たすため、シリアがさらに取り組みを強化することが不可欠だと述べました。
-事務総長による安保理議長宛ての書簡は以下をご覧ください。
http://www.un.org/en/ga/search/view_doc.asp?symbol=S/2014/52
◆シリア・アラブ共和国からの化学兵器関連物質の搬出続く
一方、OPCW国連合同査察団は1月27日、シリアのラタキア港からさらに化学兵器関連物質が搬出されたことを明らかにしました。これらの物質は、OPCW国連合同査察団が検証を終えた後、デンマークとノルウェー船籍の貨物船に積み込まれ、出港しました。査察団は声明を出し、化学兵器関連物質の搬出を安全、確実かつ期限どおりに搬出できるよう、シリアが引き続き努力することを期待すると述べました。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://opcw.unmissions.org/Default.aspx?tabid=6576&ctl=Details&mid=10358&ItemID=18538&language=en-US
主な国連ニュース記事
シリアの将来を守れ
ダマスカス、1月27日 – 3年近くも紛争が続くシリアでは、暴力の影響が現在にとどまらず時を超えて広がっています。学校に通えない子どもたち、診察を受けられない患者、仕事や貯蓄、家を失った人々にとって、将来までもが犠牲となっているからです。シリアのパレスチナ難民がよりよい将来への望みをつなげられるようにすることは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が果たすべき任務のひとつです。
http://www.unrwa.org/newsroom/features/protecting-future-syria
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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