シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第29号】2/7付資料
2014年02月07日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
* * * * * * * * * *
ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第29号/2014年2月7日
シリア政府と反体制派双方の代表団による第1回目の交渉を終えるにあたり、ラフダール・ブラヒミ共同特別代表は両当事者に対し、2月10日にジュネーブで交渉を再開するよう要請しました。2月1日、ミュンヘン安全保障会議の閉会後に記者会見に臨んだ潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、ケリー米国務長官およびラブロフ・ロシア外相との協議において、両氏に対し、それぞれの影響力を行使し、予定どおりの交渉の進捗を確保するよう強く促したことを明らかにしました。「当事者間で戦闘が続く一方で、交渉も行われています。これ以外に、政治的解決を望める道はありません」。事務総長はこのように述べています。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/infocus/sgspeeches/statments_full.asp?statID=2130#.UvFimLTyL-s
2月3日、国連報道官は声明を発表し、ナーセル・キドワ国連・アラブ連盟共同副特別代表が事務総長に対し、今週付で辞任する意向を確認したと述べました。副特別代表はその一方で、事務総長が望めば、その他の資格で国連に奉仕する用意があることも示唆しました。事務総長は、シリアでの流血に終止符を打つとともに、2012年6月30日のジュネーブ・コミュニケに基づき、シリア人主導による移行を進めるための取り組みにおいて、キドワ氏が果たした役割に感謝の意を表明しました。
-声明の全文は以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=7445
国連諸機関が人道援助を断たれた数千人の民間人に対する持続的なアクセスを求め続ける中、世界食糧計画(WFP)は、イラクからシリア北東部への食料の空輸を開始しました。40トンの食料を積んだWFPからの援助第1便は2月4日、カーミシュリー空港に到着しました。今後、計10便が400トンを超える食料のほか、国連児童基金(UNICEF)と国際移住機関(IOM)から提供された衣料や洗剤、石鹸をはじめとする物資を届けることになっています。これは避難民3万人の食料1カ月分にあたります。
-詳細は以下をご覧ください。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は2月2日、深刻な栄養不良の発生が伝えられているダマスカスのヤルムーク難民キャンプに700箱以上の食料が届けられたことを明らかにしました。UNRWAは膨大なニーズを満たすため、長期的なアクセスの確保を改めて求めました。「これらニーズへの対処を進めるためには、UNRWAによる立ち入りと人道援助活動を数日単位でなく、数カ月単位で継続、拡大できるようにしなければなりません。私たちは援助配給のペースを上げねばなりません」。UNRWAの報道官はこのように述べました。
-詳細は以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=47064&Cr=Syria&Cr1=#.Uu_korTyL-s
事務総長は、シリアにおける子どもと武力紛争に関する第1回報告書を発表しました。ほぼ3カ年の期間を対象とするこの報告書によると、紛争の継続によって、憂慮すべき影響が子どもたちに及んでいます。報告書は、政府軍と体制派民兵による過度の無差別的な兵器と戦術の使用で、子どもに多数の死傷者が出ているだけでなく、子どもの教育や医療サービスへのアクセスも妨げられていることを強調しています。また、反体制派の武装集団が子どもを兵員や支援要員として徴用しているほか、民間人居住区域でテロ戦術の使用を含む軍事作戦を展開し、子どもを含む民間人が死傷しているとの指摘もなされています。報告書は、暴力に歯止めをかけ、シリア紛争で被災した子供たちの保護を強化するため、一連の勧告も提示しています。
化学兵器禁止機関(OPCW)国連合同査察団は2月2日に発表した文書で、シリアの化学兵器廃棄を支援するための国連信託基金に対する拠出誓約額と拠出額の合計が、2014年1月31日の時点で1,600万米ドルを超えたことを明らかにしました。この国連信託基金は、安全保障理事会決議2118(2013)に基づく加盟国の要請に応じ、シリアの化学兵器全廃とその他の関連サービスに必要となる非軍事的な後方支援の機材を調達、移動するために用いられます。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://opcw.unmissions.org/LinkClick.aspx?link=DONOR_CONTRIB.pdf&tabid=6576&mid=10437&language=en-US
主な国連ニュース記事
シリアでポリオ予防接種を再開
2月3日、ホムス(シリア)-3人のポリオ予防接種ボランティアがホムスの「モハメド・エル・ドゥーラ」小学校に到着すると、そこにはもう長蛇の列ができていました。この学校は昨年から、500人を超える国内避難民の避難所となっています。避難所で暮らす子どもたち120人の予防接種は、2時間足らずで終わりました。昨年10月にポリオの発生が確認されてから、WFPとUNICEFの支援によってシリア全土で展開される予防接種キャンペーンは、今回で4度目となります。シリア政府はこれまでに、検査で確認されたポリオ症例23件を報告しています。
http://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/new-polio-vaccination-round-begun-syria
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
* *** *