シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第30号】2/12付資料
2014年02月14日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第30号/2014年2月12日
◆シリア政府・反体制派間の和平交渉がジュネーブで再開
国連の仲介によるシリア政府と反体制派間の和平交渉の第2ラウンドが2月10日、ジュネーブでスタートしました。両者との会談を終えたブラヒミ共同特別代表は記者団に対し、交渉に大きな進展は見られていないと述べました。特別代表は、両当事者の協力と外部の支援がともに必要であることを指摘しつつ、すべての当事者に対し、交渉プロセスを加速するよう強く促しました。ブラヒミ氏はまた、ゲンナージー・ガティロフ・ロシア外務次官、ウェンディ・シャーマン米国務次官との間で2月13日に3者会談を予定していることも明らかにしました。
-ブラヒミ共同特別代表による記者会見の詳細は以下をご覧ください。
◆事務総長、シリア中部の村での虐殺事件を強く非難
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は2月12日、声明を発表し、シリアのマアーン村で起きたとされている数十人の民間人殺害を最も強い言葉で非難しました。そして、この虐殺事件をはじめ、シリアで起きているすべての犯罪の実行犯を裁きにかけるよう求めました。
-事務総長の声明文は以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=7454
◆国連機関とパートナー、ホムス旧市街の民間人に援助物資を送達
国連人道問題調整事務所(OCHA)は2月11日、ホムス旧市街から1,130人以上が避難し、2,500人に食料が届けられたことを明らかにしました。OCHAは、(2月7日に始まった)人道支援のための停戦が2月13日まで延長されたことを発表するとともに、交渉によって、シリア国内で包囲状態にあるコミュニティに暮らす25万人と全国各地で厳しい困窮状態にある人々に対し、持続的に援助が届けられるようになるとの期待を表明しました。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の報道官は、ホムスでの停戦の延長に両当事者が合意したことを歓迎するとともに、記者団に対し、ホムス旧市街その他の包囲区域に残っている人々はすべて戦闘員であると想定してはならないと語りました。報道官はまた、病気にかかったり、負傷したり、捕虜になったり、降伏したりしたために戦闘能力を失った人々に対する攻撃が、国際人道法により禁じられていることも付け加えました。
-OCHAによるブリーフィングの詳細は以下をご覧ください。
-OHCHR報道官による記者ブリーフィングの詳細は以下をご覧ください。
http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=14241&LangID=E
◆トルコに流入するシリア難民
シリア北部のアレッポで戦闘の激化が伝えられる中、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は1月以来、2万人のシリア難民がトルコに到着したことを明らかにしました。最近の数日間でも、1日500人以上、場合によっては1,000~2,000人の難民が正規の検問所を通って流入しています。最近流入した難民の3分の1程度にあたる約7,000人は、難民キャンプに収容されています。トルコは1月上旬、22番目のキャンプを開設しましたが、当局は新たな難民の流入に対応するため、さらにキャンプの新設を検討中です。
-UNHCRの発表の詳細は以下をご覧ください。
http://www.unhcr.org/52fa45926.html
◆シリアからの化学兵器搬出続く
2月10日、化学兵器禁止機関(OPCW)・国連合同査察団が発表したところによると、シリアのラタキア港から3度目の化学兵器の搬出が行われました。この第3回目の搬出は、ノルウェーの船が国際的な護衛を受けて実施しました。OPCW事務局長は今回の搬出と、最近になってイソプロパノールの93%が廃棄されたことに触れながら、こうした活動がさらに今後に向けた弾みになるとの期待を表明しました。事務局長は声明の中で、シリア国内に残っている化学物質の速やかな搬出を確保するためには、多大な努力が必要になることも強調しています。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://opcw.unmissions.org/Default.aspx?tabid=6576&ctl=Details&mid=10358&ItemID=20765&language=en-US
-OPCW事務局長による声明は以下をご覧ください。
http://www.opcw.org/news/article/statement-by-the-director-general-7/
主な国連ニュース記事
UNRWA、シリア南部の学校爆破を強く非難
2月11日 – 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、シリア南部ダルアー市の北西11kmのムザイリーブにあるUNRWAトゥラーン校付近で起きた爆破事件の首謀者を強く非難します。この爆破により、UNRWAの学校職員4人のほか、約40人の児童が負傷しました。UNRWA職員のうち1人は胸部に重傷を負っています。児童はすべて6歳から10歳で、教室で午前の授業を受けていた時、爆破によって吹き飛ばされたガラスで負傷しました。UNRWAは、その校舎に対する攻撃と、パレスチナ難民の子どもたち数百人が受けた身体的、精神的危害を非難しています。学校に国連の旗が掲げられていたという事実を考えれば、この事件は特に深刻な国際法違反にあたります。
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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