シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第34号】3/12付資料
2014年03月14日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
* * * * * * * * * *
ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第34号/2014年3月12日
◆事務総長:シリアの悲劇に終止符を
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、3月12日に声明を発表し、次のように述べました。「シリアの人々は3年前、普遍的な権利と自由を求めて立ち上がり、平和的な抗議行動を展開しました。これに対する容赦のない武力弾圧は流血の事態へと発展し、内戦という惨劇を引き起こしました」。事務総長は「紛争が4年目に入った今」、シリアで日常的に生じている恐怖の広がりと深刻化について、じっくりと考えるよう各方面に訴えかけています。また、シリア政府と反体制派に対し、責任感、指導力、ビジョン、そして柔軟性を発揮し、この課題に取り組むよう強く促しました。シリアの両当事者と地域的、国際的な関係者は、ラクダール・ブラヒミ共同特別代表と連携し、シリアの悲劇に終止符を打つため、今すぐ行動を起こさなければなりません。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=7520
◆シリアの文化遺産の破壊に歯止めを:国連高官が訴え
潘基文事務総長、イリーナ・ボコバ国連教育科学文化機関(UNESCO)事務局長、ラクダール・ブラヒミ共同特別代表は3月12日、声明を発表し、シリアの人々が計り知れない人的な被害と損失に苦しむ中で、国内の豊かな文化遺産が粉々にされようとしていると述べました。世界遺産も甚大な、そして時には修復不能な損害を受けています。パルミラ、クラック・デ・シュヴァリエ、シリア北部古村落群の聖シメオン教会、アレッポ城を含むアレッポの4つの世界遺産は、軍事目的で利用されたり、戦場と化したりしています。
-声明の全文は以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=7521
◆ヨルダンの新規キャンプ開設日程が確定
3月11日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ヨルダン政府が4月30日、アズラックに国内3番目の難民キャンプを開設する決定を下したことを歓迎しました。アズラックはアンマンの東約100kmのザルカ県内に位置します。キャンプには当初、比較的少数の難民が収容されますが、最終的には13万人の受け入れが可能になる予定です。UNHCRによると、この数週間で国境を越える人々の数は50%増大し、1日平均でほぼ600人に達しています。
-詳細は以下をご覧ください。
http://www.unhcr.org/531eede79.html
-関連プレスリリースは以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=47332&Cr=Jordan&Cr1=
◆戦闘により、UNRWAのヤルムーク・キャンプ立ち入り不能が11日目に
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が信頼できる筋から受けた報告によると、ヤルムークでは、3月9日夜に激化した衝突と爆撃が3月11日も全日、続いています。戦闘の継続により、UNRWAは11日間連続で、ヤルムークに人道援助物資の配給ができなくなっています。
-詳細は以下をご覧ください。
http://www.unrwa.org/crisis-in-yarmouk
◆シリア紛争による子どもの被災者は昨年以来2倍に – 国連
2014年3月10日 – シリア紛争が4年目を迎える中で、国連児童基金(UNICEF)は新たな報告書を発表し、恐ろしい現状を伝えました。戦闘行為により被災した子どもの数は、1年前に比べて2倍以上に増えており、中でも包囲状態にあるか、暴力の継続により人道援助が届きにくい地域に取り残されている百万人の子どもたちが、特に厳しい状態に置かれているとしています。
「シリアの子どもたちにとって、この3年間は人生で最も長い時間でした。さらに1年、この苦難に耐えなければならないのでしょうか」。アンソニー・レイクUNICEF事務局長はこのように問いかけ、暴力の即時終結と被災者に対する支援の増大を求めました。
-詳細は以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=47320&Cr=Syria&Cr1=
主な国連ニュース記事
これまで立ち入れなかった地域にも食料が到着
ここ数週間、国連世界食糧計画(WFP)は、これまで数カ月にわたり立ち入ることのできなかった多くの地域への援助提供に成功しています。しかし、紛争が4年目を迎える中で、厳しい苦境に立たされている人々に食料を届けることは、引き続き大きな課題となっています。
WFPは最近の数日間にわたり、2013年5月以来孤立していたホムス郊外のフレに立ち入り、2万人分の食料を配給しました。アルラッカ県にも、さらに2万人分の食料を積んだトラックが6カ月ぶりに到着しています。
インタビュー:国連人道調整官が振り返る、混迷続くシリアでの「地獄の1日」
「今までどこにいたのか。なぜ、こんなに時間がかかったのか。私たちがここにいるのを知っていながら、国連が1年も放っておいたのは、一体どういうことか」
これは先月初旬、ヤクブ・エル・ヒロ国連シリア人道調整官とそのチームがホムス旧市街にようやくたどり着いたとき、投げかけられた言葉でした。この地域は2年近くに及ぶ包囲により、援助から遮断されていました。
-プレスリリースは以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=47331&Cr=Syria&Cr1=
-ヒロ人道調整官のインタビュー映像は以下をご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=77BUGcWBnLo
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
* *** *