シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第38号】4/9付資料
2014年04月12日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第38/2014年4月9日
◆事務総長、文民の保護を改めて訴え、暴力の激化を非難
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長はシリアでの暴力激化を受け、戦闘当事者に対し、宗教やコミュニティ、民族的背景に関係なく、すべての文民の保護を確保するよう強く求めました。4月7日の声明で、事務総長はその法的義務と同義的責任が、シリア政府と武装集団の双方にあることを強調しました。「暴力の激化は、シリアにさらに大きな苦悩と不安をもたらし、地域に混乱の種を蒔くことになるだけです」。事務総長はこのように述べ、すべてのシリア人とその外部の支持者に対し、直ちに紛争を停止するよう呼びかけました。事務総長はまた、同日ホムスで起きた高齢の司祭の殺害と、カサブ地区で起きているとされる深刻な人権侵害を非難しました。「国連には、政治的解決を促し、人道援助を提供し、再建を支援することにより、シリアの復興に貢献する用意があります」。事務総長はこのように付け加えました。
-事務総長の声明について詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=7579
◆ピレイ人権高等弁務官、安全保障理事会に人権状況を報告
ナビ・ピレイ人権高等弁務官は4月8日、安全保障理事会で独立調査委員会の最新報告書(A/HRC/25/65)に関するブリーフィングを行いました。高等弁務官は記者会見で、シリア情勢の国際刑事裁判所(ICC)への付託問題について触れ、「多くの理事国が政治的解決を支持していますが、話し合いが続く中でも正義とアカウンタビリティの問題は避けて通れない点を強調した」ことを明らかにしました。ピレイ高等弁務官は、どちらの側の罪が重いのかという質問に対し、次のように答えています。「調査委員会も人権高等弁務官事務所(OHCHR)のモニターも、双方の側による人権侵害を指摘していますが、この2つは比較になりません。…人権侵害の責任のほとんどは政府側にあります」
-ピレイ人権高等弁務官による記者会見の動画は以下をご覧ください。
◆停戦により、ほぼ1年ぶりにアレッポ郊外に援助物資が到着
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とシリア・アラブ赤新月社(SARC)の援助車両は4月9日、ほぼ1年ぶりに、アレッポ東部の包囲地域へ必須の人道援助物資を送り届けました。UNHCRによると、この援助活動期間中につき合意された停戦が全面的に守られる中、トラック2台分の物資がアレッポ郊外の最終検問所に人力で搬入されました。UNHCR職員は、食料や水、基本的生活物資が底をつく中で、市内の人道状況は劣悪を極めていると報告しています。UNHCRが2013年6月に立ち入って以来、この地域の住民には全く人道援助が届いていませんでした。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.unhcr.org/53454c516.html
◆WFP:シリアで高まる干ばつの懸念
世界食糧計画(WFP)は4月8日、報告書を発表し、シリアで3月に食料援助を受けた人々が400万人と、記録的な数に達したことを明らかにしました。しかし、WFPはその一方で、降水量がこのまま増えなければ、干ばつが起きる可能性があるとの懸念も表明しました。報告書 “Special Focus Syria” は、中東地域全体に影響している乾燥状態で、農業部門に対する内戦の影響がさらに深刻になると警告しています。小麦は記録的な凶作になると予想されています。水不足と牧草の生育不良で、牧畜業にも影響が出ると見られています。最近の降水データによると、シリアの小麦生産の50%近くを占める地域で、最も大きな影響が見られます。特に北西部のアレッポ、イドリブ、ハマーの各県の状況が最も深刻となっています。
-報告書の発表に関するプレスリリースは以下をご覧ください。
-報告書(全文)は以下のURLでダウンロードできます。
http://documents.wfp.org/stellent/groups/public/documents/ena/wfp263930.pdf
主な国連ニュース記事
UNRWA、ヤルムークへのアクセス改善を要求
UNRWA、4月8日-国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は声明を発表し、次のように述べました。「UNRWAは4月8日、ヤルムークで270箱の食糧を配給しました。7日間にわたるアクセス停止後、2日連続での食糧配給となります。(中略)UNRWAはシリア当局に対し、今後の配給ペースの加速に便宜を図るよう強く促します。UNRWAは引き続き、ヤルムークの絶望的な人道状況と、取り残された民間人約1万8,000人の苦境を和らげるための取り組みに影響する混乱がたびたび生じていることを深く憂慮しています。UNRWAは、すべての当事者が戦闘行為を停止し、平和的手段のみによって紛争の解決を図るよう求めます」
http://www.unrwa.org/crisis-in-yarmouk
イラクでのポリオ発生後、初の集団予防接種キャンペーンを開始
アンマン、2014年4月6日 – シリア、イラク、エジプトの3カ国で4月6日、ポリオ予防接種キャンペーンがスタートしました。5日間で2,000万人を超える子どもが予防接種を受ける予定です。今回の予防接種は、2013年10月、パキスタン由来の野生株ポリオウイルスがシリアへ伝播したことが確認されたとの発表を受けた、包括的対策の一環となるものです。中東7カ国の政府は、さらなる国際的な蔓延のリスクを認識し、現地の非政府組織(NGO)や市民団体、国連機関の援助を受けながら、2,200万人の子どもに複数回のポリオ予防接種を施そうとしています。ポリオの発生が明らかにされて以来、国連児童基金(UNICEF)は、投与1,400万回分のポリオ・ワクチンをシリアに届けました。2014年3月末現在、シリアでは27人の子どもがポリオで麻痺状態に陥っています。今回の発生まで、シリアでは1999年以来、ポリオの症例は記録されていませんでした。3月30日には、イラクのバグダッド近郊でも初のポリオ症例が確認されています。
http://www.unicef.org/media/media_73006.html
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
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YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
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フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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