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強制的失踪を禁止する国際条約、署名へ

プレスリリース 07/006-J 2007年02月07日

強制的失踪を違法とし、被害者が失踪者の状況と消息を知る権利を定めた新しい条約の署名式が2月6日、パリで行われました。

「この恥ずべき行為を過去の『汚い戦争』の悲劇的遺産として片付けるわけにはいきません。それは今でも、あらゆる大陸で続いているからです。失踪禁止をはっきり規定し、国際人道法の大きな穴をふさぐというのが、条約の趣旨です」。ルイーズ・アルブール国連人権高等弁務官は、このように語っています。

「今後の課題は、迅速な条約適用により、被害者と家族の期待と正義を求める声に応え、『知る権利』を充足することです」

この「強制失踪者の保護に関する国際条約」は2006年12月20日、国連総会で採択されました。

拷問の全面禁止規定に倣い、条約は「いかなる者も強制的失踪の対象とされてはならない」ことを規定するとともに、どのような例外的状況も、この規定違反の正当な理由とはならないことを強調しています。

条約は全締約国に対し、強制的失踪を国内法上の犯罪とするよう呼びかけています。広範あるいは組織的な失踪を人道に対する罪と規定している点は、特に重要です。

条約は、拉致被害者家族を含む被害者が、強制的失踪の状況と失踪者の消息についての真実を知り、受けた損害に対する賠償を求める権利を確認しています。

条約の監視機関には、個別事案に関する緊急対応の要請を受け取り、関係当事国の同意を得て現地を訪問するとともに、ある締約国の法域内で広範あるいは組織的な強制失踪が実践されている疑いがあれば、これを緊急議題として国連総会に諮る権限が与えられます。

条約は20カ国が批准した時点で発効します。

条約の全文は www.ohchr.org/english/law/disappearance-convention.htmをご覧ください。また、国連人権高等弁務官の声明はwww.ohchr.orgをご覧ください。
より詳細な情報については、下記のOHCHRメディア担当までどうぞ。 
Jose Luis Diaz, Spokesperson, E-mail: jdiaz@ohchr.org, Tel: +41 22 917 9242 
Praveen Randhawa, Information Officer, E-mail: PRandhawa@ohchr.org, Tel: +41 22 917 9602