シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第39号】4/17付資料
2014年04月21日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第39号/2014年4月17日
◆ピレイ高等弁務官、拘留施設での拷問の横行を非難
ナビ・ピレイ人権高等弁務官は4月14日、報告書を発表し、シリア全土の拘留施設で政府軍と一部の反体制派武装集団による拷問が横行していることを非難しました。報告書は、政府の施設で拘留者に対する幅広い拷問や虐待が起きているとしています。また、紛争中にシリアの拘留施設に収容された人々から人権高等弁務官事務所(OHCHR)が聴取した内容に基づき、一部の武装集団による拷問が起きていることも報告されています。ピレイ氏は双方の当事者に対し、直ちに拷問と虐待を止め、国際人権基準に明らかに違反する状況で恣意的に拘留された人々を解放するよう、強く促しました。高等弁務官はまた、シリア政府に対し、中立的な国際監視員にすべての拘留施設への抜き打ちの立ち入りを定期的に認めるよう、改めて要請しました。
-ピレイ高等弁務官の報告書発表に関するプレスリリースは以下をご覧ください。
http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=14507&LangID=E
-報告書は以下をご覧ください。
http://www.ohchr.org/Documents/Countries/SY/PaperOnTorture.pdf
国連報道官は、シリアでのアカウンタビリティに関する記者の質問に答え、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長がすでに、人道に対する罪を犯し、国際人道法に違反した者を裁きにかけるべきだという考えを明らかにしていると述べました。報道官はまた、事務総長がシリアにおける虐待と拷問を繰り返し非難していることも指摘しました。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/spokesperson/highlights/index.asp
◆OPCW国連合同査察団:化学兵器の72%以上をシリア国外に搬出
化学兵器禁止機関(OPCW)・国連合同査察団は4月16日、シリアのラタキア港から15回目の化学物質搬出が行われたことを確認しました。今回の搬出で、兵器用化学物質全体の72%以上がシリア・アラブ共和国外に搬出されたか、国内で廃棄されたことになります。
-詳しくは以下をご覧ください。
◆ヤルムーク難民キャンプへの食料食糧援助が再度中断
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は4月15日、暴力の継続により、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプへの食料援助搬入が7日間連続で滞っていることを明らかにしました。UNRWAの報道官によると、孤立状態にある民間人2万人以上の窮状を和らげるための取り組みは、武力の行使によって繰り返し中断しています。UNRWAは、すべての当事者が戦闘行為を停止し、平和的手段のみによって紛争の解決を図ることを改めて求めました。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.unrwa.org/crisis-in-yarmouk
主な国連ニュース記事
WHOとOPCW国連合同査察団、化学事故に対応する公衆衛生能力を強化
2014年4月13日 – OPCW国連合同査察団と世界保健機関(WHO)は、シリア国内で化学物質への露出リスクに対応するための公衆衛生能力強化に取り組んでいます。この連携は、化学事故や有毒化学物質が絡む集団災害を管理し、これに対応できるよう、シリアの保健制度の能力を強化しようとするWHOの現行プログラムの一環として実現したものです。WHOは、シリア保健省からの協力と、OPCW国連合同査察団からの資金援助を受け、シリアの病院に供与する化学防護機材を調達するとともに、2014年2月には、救急医を対象とする上級研修コースも開催しました。
ブルガリアの庇護申請者の生活条件は改善するも、さらに対策が必要 - UNHCR
2014年4月15日 – 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はきょう、ブルガリア当局とそのパートナーが同国内の庇護申請者の生活条件改善に「多大な努力」を行ったとして、これを称えました。UNHCRは、1月に行っていた欧州諸国からブルガリアへの難民移送(ダブリン規則に基づくもの)の一時停止要求を解除する予定を明らかにする一方で、同国の制度には「深刻なギャップ」が残っていることを強調し、社会的に最も脆弱と認められる個人や集団の移送は控えるよう警告しています。UNHCRはこの3カ月間、トルコとの国境に近い元軍事基地のハルマンリ・センターで状況の改善が見られたと指摘しています。この施設に収容された難民は4カ月前まで、テントで暮らしていました。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=47587&Cr=asylum&Cr1=#.U06RuFfyL-t
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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