シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第49号】7/2付資料
2014年07月07日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第48号/2014年6月25日
◆国連特使、シリアの子どもに対する深刻な人権侵害を報告
レイラ・ゼルーギ子どもと武力紛争担当国連特別代表は、子どもと武力紛争に関する事務総長の年次報告書を発表し、シリアの紛争と暴力が2013年に前例のない水準にまで悪化したことを指摘しました。7月1日に発表されたこの報告書によると、シリア紛争の発生以来、1万人を超える子どもの命が失われたと見られていますが、2013年には子供の殺傷件数が急激に増加しました。シリアでは、自由シリア軍(FSA)系集団やクルド人民防衛隊(YPG)、シャームの自由人(Ahrar al-Sham)、イラクとシャームのイスラム国(ISIS)、ヌスラ戦線(JAN)その他多くの武装集団が子どもを戦闘員として徴用しているとされています。報告書は、武装集団による男児、女児に対する性的暴力の事例も示したうえで、紛争当事者による性的暴力に対する一般市民の恐怖が引き続き、シリア人家族が国外に逃れる一因になっていると指摘しています。
-子どもと武力紛争に関する事務総長の年次報告書は以下をご覧ください。
http://www.un.org/ga/search/view_doc.asp?symbol=a/68/878
◆UNICEF、ホムスでの迫撃砲攻撃による4人の少女殺害を非難
7月1日、国連児童基金(UNICEF)は4人の女子生徒が6月29日、ホムス近郊の学校から下校中に迫撃砲攻撃を受け死亡した痛ましい事件について、強い遺憾の意を表明しました。4人の女子生徒はいずれも13~14歳で、ホムス市の北にあるラスタンでUNICEFが支援する学校に通っていました。「民間人居住地区に対する絶え間ない無差別攻撃によって子どもたちの命が失われていることは、到底許されるものではありません」。UNICEFはこのように述べ、シリアの紛争当事者すべてに対し、民間人に対する攻撃を直ちに停止するとともに、国際人道法と人権法に基づき、子どもに認められている特別の保護を全面的に尊重するよう、繰り返し求めました。
-詳しくは以下をご覧ください。
◆ヤルムーク難民キャンプの民間人に対する人道アクセスが急減
6月21日、シリア当局と反体制派武装勢力との間でヤルムークへの援助再開に関する合意が成立したにもかかわらず、パレスチナ難民キャンプには1カ月以上も食料援助が届けられていません。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は7月1日の声明で、ヤルムークの民間人世帯には2014年5月23日以来、食料の配給を行えていないことに関し、深い憂慮を表明しました。「基本的な人道ニーズも人道アクセスの必要性も満たされない中で、ヤルムークで暮らす民間人は深刻な事態と闘い続けています」。UNRWAはこのように述べ、ヤルムーク内部での人道援助活動の即時再開を執拗に求め続けるとともに、6月21日の合意の当事者に対し、支援の再開を可能にするよう訴えていることを明らかにしました。
-プレスリリースは以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=48166#.U7oj3vl_tVI
◆アレッポでは停電と水不足が発生
人道問題調整事務所(OCHA)は6月30日、アレッポ市内の各地区で全面停電や、1日の通電時間が1時間に満たない状態が続いているとの報告を受けたことを明らかにしました。アレッポの大部分では10日以上も断水が続いているほか、5日に1回、平均6時間しか通水しない地区もあります。国連機関その他のパートナーは、シリアの14県で上水の供給を確保し、1,650万人が引き続ききれいな水を利用できるよう、援助に取り組んでいます。また、人道援助要員は最近、水質検査器具と下痢対策キットを含む医療用品を13万8,000人以上のアレッポ市民に届けています。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/spokesperson/highlights/index.asp?HighD=6/30/2014
主な国連ニュース記事
CEDAW:女性と子どもに重い紛争の負担
国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は6月30日、非政府組織(NGO)の代表から、シリアの女性が置かれた状況について聴取しました。NGOによると、女性と子どもは紛争の矢面に立たされ、暴力や差別を受けることが多くなっています。紛争によるストレスで、子どもの強制早婚や女児が絡む複婚の件数も増えてきています。また、2012年のシリア新憲法はジェンダーの平等を保証せず、ジェンダーを理由とする差別はもとより、暴力さえも禁じていないほか、差別的な法律に異議を唱えたり、その修正を求めたりする法的機会も認めておらず、シリア政府は紛争の継続を言い訳に、女性の人権の推進、保護、尊重、実現をいずれも怠っているという指摘もなされました。
http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=14807&LangID=E
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
化学兵器禁止機関・国連合同査察団(OPCW-UN)
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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