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シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第52号】7/23付資料

2014年07月25日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート

国連広報局(DPI)第52号/2014723

◆安保理メンバー、人道アクセスの改善を改めて要求

722の中東情勢に関する安全保障理事会会合で、一部の加盟国は、シリアの民間人が依然として苦境に立たされている現状に対する懸念を表明し、決議2165(2014)に基づく戦線/国境を越えた人道アクセスの確保を求めました。安保理メンバーはまた、新たなシリア担当特使と副特使の任命を歓迎するとともに、両名の政治的解決への貢献に向けた期待を表明しました。

-詳しくは以下のプレスリリースをご覧ください。

http://www.un.org/News/Press/docs//2014/sc11485.doc.htm

 

WFP、シリア北東部の国内避難民家族に食料援助を空輸

世界食糧計画(WFP)は722、陸路による食料供給の道が閉ざされているシリア北東部ハサカ県の国内避難民計5万人に対する食料の空輸を開始しました。救援活動の一環として、WFPのチャーター機23便がダマスカスからカーミシュリー空港まで、必須の食料品と救命用の医薬品を運ぶことになっています。「ハサカ県の厳しい人道状況は、ますます多くの家族がさらに食料不安に追いやられる中で、急速に悪化しています」。ムハンマド・ハディWFPシリア危機担当地域緊急援助調整官はこのように述べました。

-関連プレスリリースは以下をご覧ください。

http://www.wfp.org/news/news-release/wfp-airlifts-food-displaced-families-amid-growing-hunger-northeastern-syria

 

◆国連機関、シリアと中東地域の子どもをポリオから守るためのグローバルな行動を呼びかけ

世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)は722に発表した報告書で、中東史上最大規模のポリオ予防接種キャンペーンの第1段階が完了したことを明らかにしました。計37回の活動で7カ国の5歳未満児2,500万人が予防接種を受けました。同機関によると、シリア国内の包囲地域に暮らす子どもは76万5,000人に上りますが、その中で38件のポリオ症例が確認されています。報告書は、シリアでのポリオ予防接種率が平均99%から52%に落ち込んでいると指摘しています。「ポリオが再びシリアに侵入してきました。私たちは、中東地域で長く忘れられていた敵を、極めて限られた資源で退けなければならない状況に陥っています。この病気は速いスピードで、戦火に見舞われたシリアだけでなく、地域全体の子どもに広がるおそれがあるからです」。クリス・マヘールWHOポリオ撲滅・緊急支援部長はこのように語りました。

-関連プレスリリースは以下をご覧ください。

http://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/polio-outbreak-middle-east-war-syria-opens-door-old-enemy

-報告書の全文は以下をご覧ください。

http://childrenofsyria.info/wp-content/uploads/2014/07/Polio_Outbreak_in_the_Middle_East_July2014-En1.pdf

 

CEDAW、女性と女児の権利保護に関する勧告を採択

721国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は第58会期の閉幕にあたり、女性に対するあらゆる形態の差別撤廃に関する条約の全面履行を確保するため、シリアに関する一連の勧告を採択しました。委員会は、人道法、難民法、刑法に基づき女性と女児の保護を確保する義務の想起を求めたうえで、シリア当局に対し、人権高等弁務官事務所が女性と女児を含む民間人に対する人権侵害を監視、文書化することを含め、国連主体が国内全域に独自に立ち入ることを認めるよう強く促しました。委員会はまた、シリア政府に対し、和平交渉を再開するとともに、和平プロセスと再建への取り組みの全段階で、異なる政治的意見を有する女性の有意義かつ包摂的な参加を確保するよう勧告しました。

-関連資料は以下をご覧ください。

http://tbinternet.ohchr.org/_layouts/treatybodyexternal/Download.aspx?symbolno=INT%2fCEDAW%2fOCR%2f58%2f22163&Lang=en

 

主な国連ニュース記事

WHO、ダルア県に医薬品と医療用品を送達

ダルア(シリア)、7月20日 – WHOはダルア県の保健当局に、救命用の慢性病治療薬、静脈内輸液、子ども用マルチビタミン剤計25トンを提供しました。この物資は、ダルア県民約42万4,500人の重大な健康上のニーズに対応するものです。「今回の支援は、シリア国内でも医療援助が特に必要なこの地域で、社会的弱者層に待望の医療用品を届けるための突破口となるでしょう」。エリザベス・ホフWHOシリア常駐代表はこのように語っています。治安情勢が劣悪なため、2014年のダルア県に対する援助物資の提供は、今回でまだ2回目となります。WHOは3月、保健当局と地域の非政府組織に対する支援として、11万人以上に医療援助を提供しています。

http://www.emro.who.int/syr/syria-news/who-delivers-medicines-and-medical-supplies-to-dara-governorate.html

 

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク

国連広報局(DPI)シリア特集ページ

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=

化学兵器禁止機関・国連合同査察団(OPCW-UN)

http://opcw.unmissions.org

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

 

ソーシャルメディア:

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

 

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

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世界食糧計画(WFP)は7月22日、陸路による食料供給の道が閉ざされているシリア北東部ハサカ県の国内避難民計5万人に対する食料の空輸を開始した© WFP/Abeer Etefa
中東情勢に関する安全保障理事会会合が7月22日に開かれ、一部の加盟国は、シリアの民間人が依然として苦境に立たされている現状に対する懸念を表明し、人道アクセスの確保を求めた。ガザ調停に向け中東を歴訪中の事務総長は、ビデオを通して会合に参加した©UN Photo/Paulo Filgueiras
WHOとUNICEFは報告書を発表し、シリアでのポリオ予防接種率が平均99%から52%に落ち込んでいると指摘。シリアだけでなく、地域全体の子どもに広がるおそれがあると警告した©UNICEF/NYHQ2012-1648/BASSEL HALABI