シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第54号】8/6付資料
2014年08月08日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第54号/2014年8月6日
◆WFP:7月は370万人に食料援助を提供
国連世界食糧計画(WFP)はこの数週間、戦線、国境越えのアクセス改善により状況が「大幅に改善」した結果、立ち入り困難な包囲地域の人々をはじめ、7月の援助受益者が370万人に達したことを明らかにしました。WFP報道官は8月5日、ジュネーブでの記者会見で、戦線を越えた物資輸送車両により、立ち入りが難しい包囲地域に暮らす30万人以上が7月中にWFPの食料援助を受け取ったと述べましたが、この数は6月の戦線越え援助車両による受益者の2倍にあたります。しかし、治安上の課題から、WFPの食料供給能力は依然として妨げられており、425万人に援助を届けるという目標をまだ50万人以上も下回る状況が続いています。
-関連プレスリリースは以下をご覧ください。
http://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/wfp-food-reaches-more-people-syria-july
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=48415
◆自由シリア軍、子ども兵士の徴用防止で国連との協力を約束
シリア国民連合と自由シリア軍(FSA)は8月5日、18歳未満の子どもの徴用を停止および防止することを約束しました。同連合と最高軍事評議会は、国連安全保障理事会宛ての書簡に添付されたコミュニケで、子どもの徴用を禁止し、子どもの徴用を行った者を懲戒処分とする司令部命令をFSA各部隊に発出することを約束しました。子どもと武力紛争担当事務総長特別代表は、心強い第一歩としてこの約束を歓迎するとともに、最も大事なことは、この約束をシリアの子どもたちの保護を確保する具体的な行動へと移すことだと指摘しました。「本当の取り組みはこれからです」と特別代表は語っています。
-子どもと武力紛争担当・事務総長特別代表の声明は以下をご覧ください。
◆UNRWA、戦闘の勃発でヤルムーク・パレスチナ難民キャンプでの物資配給を中断
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は声明を発表し、8月6日、ヤルムーク難民キャンプの民間人283世帯に衛生キットを配給したことを明らかにしました。7月28日から8月4日にかけ、8日間にわたり中断していた援助の配給は、2日連続で再開されたことになります。しかし、きょうは中間準備地域で発砲があり、配給地域付近で武力衝突が発生したため、UNRWAチームは夕方、退避を余儀なくされ、配給も中断されました。UNRWAは、武力の行使が2日連続で、ヤルムークでの人道援助活動を中断させたことを深く憂慮しています。ヤルムークの人道状況は依然として絶望的であり、UNRWAはすべての当事者に対し、キャンプに取り残されている1万8,000人を超える民間人の苦難に終止符を打つべく、全力を尽くすよう訴えています。
-ヤルムーク難民キャンプに関するUNRWAの情報は以下をご覧ください。
http://www.unrwa.org/crisis-in-yarmouk
◆シリアの化学兵器廃棄状況を安保理に報告
化学兵器禁止機関(OPCW)・国連合同査察団のシグリッド・カーグ特別調整官は8月5日、安全保障理事会の非公開協議にビデオで出席し、合同査察団が継続中の活動について説明しました。
カーグ特別調整官は、国外への搬出が完了したシリアの化学兵器に関する廃棄作業状況を安保理に報告しました。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/spokesperson/highlights/index.asp?HighD=8/5/2014&d_month=8&d_year=2014
主な国連ニュース記事
UNFPA、シリア女性1万9,000人以上にリプロダクティブ・ヘルス・サービスを提供
国連人口基金(UNFPA)はシリア危機に関する最新の地域情勢報告書を発表し、7月にUNFPAが支援する施設71カ所で緊急産科ケアや安全分娩、心理社会的サポートを含むリプロダクティブ・ヘルスおよび性的暴力関連のサービスを受けたシリア人女性が1万9,400人に達したことを明らかにしました。UNFPAはその他のリプロダクティブ・ヘルス・サービスとして、1万4,000人の女性に家族計画サービスを提供したほか、3,200人にリプロダクティブ・ヘルス関連のメッセージを発信しています。報告書によると、UNFPAとパートナーは、性と生殖に関する健康(家族計画を含む)への普遍的アクセスを達成するための取り組み拡大、リプロダクティブ・ヘルスライツの推進、妊産婦死亡率の引き下げ、人権とジェンダー平等の擁護による若者と女性の生活改善も図っています。
http://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/UNFPARegionalSitRep1-31July2014%2323.pdf
国連、レバノン北東部シリア国境付近での戦闘を非難
レバノンで国連による救済活動の最高責任者を務めるロス・マウンテン氏は8月4日、シリアとの国境に近いレバノン北東部の町アルサルで起きたレバノン軍に対する攻撃と戦闘行為を強く非難しました。
アルサルには、シリア難民は10万人も暮らしていると見られます。国連の統計によると、レバノンには毎週、約1万2,000人のシリア難民が新たに流入していますが、その総数は今年末までに150万人に上り、レバノンの人口の3分の1に達するものと予測されています。現地政府の推計では、アルサルでもすでに約3,000世帯が国内避難民となっています。
レバノン担当国連人道調整官も務めるマウンテン氏は、希少化する資源の獲得競争により、シリア・レバノン間に戦闘が発生しかねないとの懸念を表明するとともに、レバノン国内の宗派間で問題が生じるおそれもあると語りました。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=48403
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
化学兵器禁止機関・国連合同査察団(OPCW-UN)
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
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フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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