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シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第57号】8/27付資料

2014年08月30日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート

国連広報局(DPI)第57号/2014827

独立調査委員会、政府、ISIS双方が戦争犯罪と人道に対する罪を働いていると報告

シリアに関する独立調査委員会は、827に発表した最新の報告書で、政府と過激派組織「イラクとシャームのイスラム国(ISIS)」のメンバー双方が、戦争犯罪と人道に対する罪を働いていることを明らかにしました。これによると、シリア国内では、政府軍と非国家武装集団による大規模な残虐行為も続いており、民間人に計り知れない被害が及んでいます。報告書は、国際の平和と安定を損なう暴力の波及を助長している要因として、外国からの戦闘員の流入が続いていることや、「イラクとシャームのイスラム国」などの過激派集団が台頭してきていることも挙げています。今回の報告書は、480回に上る聞き取りと、2014年1月20日から7月15日にかけて収集された証拠に基づくものですが、その指摘によると、シリア西部では政府軍が8回にわたり、おそらく塩素と見られる化学薬品を攻撃に用いています。「将来的にどのような解決を図るにせよ、平和を永続させるためにはアカウンタビリティを確保しなければなりません。あまりにも多くの命が失われ、生活が破壊されているからです」。調査委員会のパウロ・ピネイロ委員長はこのように語っています。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=14966&LangID=E

 

◆シリアの第1種化学物質をすべて廃棄

化学兵器禁止機関(OPCW)は安全保障理事会に対する最新報告で、米国船「ケープ・レイ」号での廃棄作業が完了したことにより、シリア保有化学兵器の洋上での国際的な搬出、廃棄活動の重大な段階がひとつ終わったことを明らかにしました。報告書は第1種化学物質がすべて廃棄されたことを強調しています。OPCWはさらに、残る12カ所の化学兵器生産施設の破壊についても9月上旬には最終計画ができ上がるとの見通しを示したうえで、この作業は複雑なものとなるため、特に治安面において、すべての関係者の間で恒常的な連絡と調整を保つ必要があることも指摘しました。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/en/ga/search/view_doc.asp?symbol=S/2014/622

 

UNICEF1カ月間としては過去最大の緊急援助活動を展開

国連児童基金(UNICEF)は8、世界で最も緊急な対応を要する危機に巻き込まれた子どもたちの命を救うため、1,000トンに上る物資を発送しました。1カ月間としてはUNICEF史上最大の緊急援助活動となります。4年前、貨物の空輸で始まったUNICEFのシリアでの緊急援助活動は、着実で継続的な物資供給活動へと進展しており、8月には89トン分の水浄化用タブレットと教育キットも提供されました。UNCEFはまた、レバノンとヨルダンのシリア難民世帯を対象に、156トンを超える保健、教育および水関連物資も搬入しています。また、UNCEFは越冬準備の一環として、中東地域の業者から調達した冬用の子供服の備蓄も始めています。

-UNICEFのプレスリリースは以下をご覧ください。

http://www.unicef.org/media/media_74884.html

 

◆国連、米国人記者セオ・カーティス氏の国連平和維持部隊への引渡しに便宜

事務総長報道官824、国連が同日、米国人記者ピーター・セオ・カーティス氏のゴラン高原国連平和維持部隊への引渡しに便宜を図ったことを明らかにしました。カーティス氏は健康診断の後、米国政府の代表に引き渡されました。フリー・ジャーナリストのカーティス氏は2012年10月、シリアとトルコの国境付近で拉致されたと見られています。

-プレスリリースは以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=48549#.VAEnUPl_t8F

 

UNFPA:シリアとイラクで危機が深刻化する中、女性シリア難民のニーズが増大

国連人口基金(UNFPA)は825のプレスリリースで、イラクとシリアの両国で危機が深刻化する中、シリア難民の女性のニーズが急増していることを明らかにしました。UNFPAによると、4年に及ぶ紛争を逃れ、イラクで暮らすシリア難民は20万人を超えています。このシリア難民にイラクの国内避難民が加わり、医療施設と医療従事者の対応能力は限界に達しています。イラクのシリア難民の数は21万8,040人で、そのうち3,859人が妊婦であると見られています。こうした女性が必要とする診療を受けられるよう、UNFPAは7カ所の難民キャンプと受け入れコミュニティで、保護サービスや産科ケアなど、性と生殖に関する総合的な保健サービスを提供しています。

-UNFPAのプレスリリースは以下をご覧ください。

http://www.unfpa.org/public/home/news/pid/18136#sthash.4h1yfQNo.dpuf

 

UNRWA、シリアで13人目の職員殺害を非難

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は821、13人目の職員殺害にかかわった当事者を強く非難しました。教員を務めていたモハマド・ミゼル氏はシリア南西部のダルアで、乗っていた車が銃撃を受け、死亡しました。この事件で、ミゼル氏の息子も重傷を負いました。UNRWAは、国連職員に対する今回の攻撃と、こうした事件がシリア全土のパレスチナ難民に与え続けている深刻な身体的、精神的打撃に遺憾の意を表しました。UNRWAはシリア紛争の全当事者に対し、国際法に基づく義務を遵守し、民間人居住地区を標的にしたり、このような場所で武力紛争を展開したりしないよう、改めて要求しています。

-UNRWAのプレスリリースは以下をご覧ください。

http://www.unrwa.org/newsroom/official-statements/unrwa-condemns-killing-thirteenth-staff-member-syria

 

ネットとラジオの主な国連ニュース記事:

国連ツイッター・アカウント:

シリア戦争は国際の平和と安全に脅威 – #CoISyria新報告書の閲覧はこちら

http://sm.ohchr.org/1sA8bj4  pic.twitter.com/6qqCyhznST via @UNrightswire

2014年8月27日

国連によるリツイート

UN Human Rights @UNrightswire

#シリアで死者増加:国連の新報告書によると、2011年3月から2014年4月までの死者は19万1,000人超:http://sm.ohchr.org/1BK9oe7

 

フェイスブック:

シリアに関する調査委員会が新たに発表した報告によると、シリアでは大規模な残虐行為が続き、民間人に計り知れない被害が及んでいます:

http://sm.ohchr.org/1sA8bj4

報告書は、国際の平和と安定を損なう暴力の波及を助長している要因として、外国からの戦闘員の流入が続いていることや、ISIS(別称ISIL)などの過激派集団が台頭してきていることも挙げています。「国際社会が民間人を保護し、残虐行為を停止、防止し、その責任を問える道筋をつけるという最も初歩的な義務を果たしていないことで、現地では国際法の規範を守るという建前さえ捨て去られている。現状を見ても分かるとおり、このことは地域全体に深刻な影響を及ぼしている」報告書はこのように付け加えています。

2014年8月27日

 

国連ラジオ・アラビア語放送:

独立調査委員会:シリア政府と「イラクとシャームのイスラム国」の双方に戦争犯罪:

http://www.unmultimedia.org/arabic/radio/archives/144451/#.U_313dJdVdw

米国人記者セオ・ピーター・カーティス氏、2年の抑留の末、釈放:

http://www.unmultimedia.org/arabic/radio/archives/144254/#.U_32xqPTlhk

 

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:

国連広報局(DPI)シリア特集ページ:

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146

化学兵器禁止機関・国連合同査察団(OPCW-UN):

http://opcw.unmissions.org

 

国連の人道関係機関:

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

 

ソーシャルメディア:

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

 

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

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国連児童基金(UNICEF)は8月、シリアをはじめ世界で最も緊急な対応を要する危機に巻き込まれた子どもたちの命を救うため、1,000トンに上る物資を発送した。1カ月間としては、UNICEF史上最大の緊急援助活動となる©UNICEF Photo
事務総長報道官は8月24日、国連が米国人記者ピーター・セオ・カーティス氏のゴラン高原国連平和維持部隊への引渡しに便宜を図ったことを明らかにした。カーティス氏は2012年10月、シリアとトルコの国境付近で拉致されたと見られている©UN Photo/Wolfgang Grebien