シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第58号】9/3付資料
2014年09月07日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第58号/2014年9月3日
◆ラドスー事務次長、UNDOF司令官と平和維持要員の勇気を称賛
エルベ・ラドスー平和維持活動担当事務次長は9月3日、シリアの過激派組織からの攻撃により、フィジーの平和維持要員45人が拉致された事件を受け、国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)平和維持要員の「あらゆるレベルでの固い決意と勇気」を称賛しました。事務次長は特に、軍司令官として「すべての決定に完璧なプロ意識と強力なリーダーシップを発揮した」シンハ大将を高く評価しました。ラドスー氏はさらに、シンハ大将が「称賛に値する人物であり、その任務の遂行には全幅の信頼を置いている」と付け加えました。
◆国連、ゴランで拉致された平和維持要員の釈放を引き続き要求
事務総長報道官は9月3日の記者会見で、8月28日にゴラン高原の第27拠点で拉致されたフィジーの平和維持要員45人が依然として、武装勢力に拘束されていることを明らかにしました。国連はその即時かつ無条件の釈放を引き続き求めていますが、拉致された要員の行方について、追加的情報は得られていません。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/spokesperson/highlights/index.asp
◆安保理、平和維持要員の即時かつ無条件の釈放を要求
安全保障理事会は同日、声明を発表し、ゴラン高原に駐留する国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)に対する攻撃が続いていることを強く非難しました。安保理理事国はUNDOFのマンデート、中立性、活動および安全を尊重しなければならないことを強調し、フィジーの平和要員の即時かつ無条件の釈放と、その無害通行を要求しました。そして、すべての当事者に対し、UNDOFが自由に活動し、その要員の安全を全面的に確保できるよう、誠意を持った協力を呼びかけました。安保理理事国はまた、影響力を有する諸国に対し、UNDOFの活動地域を掌握する者に平和維持要員を即時に釈放する必要性をはっきりと伝えるよう呼びかけました。
-声明文は以下をご覧ください。
http://www.un.org/News/Press/docs//2014/sc11548.doc.htm
◆国連機関、シリア国内の400万人以上に食料援助を提供
過去6週間、シリア国内では410万人という記録的な数の人々が、世界食糧計画(WFP)とそのパートナーによる食料援助を受けました。この成果はアクセスの改善により、シリア国内の戦線越え援助と国外からの越境車両による援助が増便されたことに起因しています。WFPによると、7月25日以来、トルコとヨルダンからの越境車両が5回にわたり、アレッポ、イドリブ、クネイトゥラ、ダルアー各県の立入困難な地域に配給食料を届けています。アクセスの改善は、安全保障理事会決議2165の採択により、4カ所の国境検問所経由で国連援助物資のシリアへの搬入が認められたことを受け、実現したものです。
-WFPのプレスリリースは以下をご覧ください。
http://www.wfp.org/news/news-release/wfp-reaches-record-number-people-inside-syria-food-assistance
◆UNRWAとWFP:パレスチナ難民向けの食料購入資金援助プログラム発足へ
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)とWFPは9月1日、シリアからレバノンに逃れてきたパレスチナ難民向けに食料購入資金を援助するための覚書に署名しました。この合意に基づき、WFPはUNRWAに対して、レバノンのパレスチナ難民が2014年12月まで食料援助を受けられるようにするために必要な資金を最大で50%まで提供することになります。UNRWAからパレスチナ難民に支給される金額は、WFPが現在、地域緊急援助活動で提供している金額と同じく、1カ月当たり30米ドルとなっています。
-関連プレスリリースは以下をご覧ください。
◆事務総長、クラスター弾使用の即時停止を要求
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は9月2日、コスタリカで開催された「クラスター弾に関する条約」締約国会議で、クラスター弾使用の即時停止を改めて求めました。「南スーダンやシリアを含め、条約締約国となっていない国々によるクラスター弾使用の事例や疑いが後を絶ちません。私は未加入の国々に対し、条約への加入を呼びかけます」。事務総長はこのように述べ、備蓄の廃棄や汚染地域からの不発弾除去、被害者の支援にはまだ長い道のりが残っていると指摘しました。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=7963
◆人権報告者、ジャーナリストに対する攻撃を非難
表現の自由に関する国連特別報告者は9月1日、国際的報告者のグループとともに国際社会に対し、最近になって全世界で発生しているジャーナリストを標的とした攻撃や拉致、恣意的で不当な拘束を非難し、これに対抗するよう強く促しました。「ジャーナリストを含む民間人への攻撃が野放しになっていることで、実行犯たちはその重大犯罪の責任を問われなくても済むと思い込んでいます」。特別報告者たちは記者会見でこのように警告しました。人権の専門家は「国家も非国家主体も、ジャーナリストの最大限の保護を確保しなければならない」と述べています。
-OHCHRのプレスリリースは以下をご覧ください。
http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=14981&LangID=E
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:
国連広報局(DPI)シリア特集ページ:
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
化学兵器禁止機関・国連合同査察団(OPCW-UN):
国連の人道関係機関:
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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