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自然災害 ~ 豊かな国も犠牲を払う ~

プレスリリース 04/094-J 2004年10月28日

「ここ最近、日本を次々と襲った自然災害は悲劇的な結果をもたらしました。このことにより私たちは、すべての国が貧富に関係なく、社会的脆弱性や自然災害からの増え続ける脅威にさらされているという認識を強めるに至りました」と、防災に焦点を当てた国連国際防災戦略(ISDR)事務局(ジュネーブ)の事務局長を務めるサルヴァノ・ブリセーニョ氏は述べました。日本には今年、最多となる10個の台風が上陸(これまで6個が最高)、およそ220人の死者を出しました。先週日本を襲った超大型の台風「トカゲ」は、今年最悪の被害をもたらしました。この台風による被害は、少なくとも死者80人、負傷者377人、その他にも土地や建物に甚大な被害を出しています。また、先週末に発生した一連の強い地震は、新潟県(東京の北西250km)で死者32人を出しました(10月28日現在)。

自然災害を避けることは不可能ですが、それがもたらす被害は、教育、技術開発、土地利用計画や環境保護などを通した適切な準備やリスク削減対策によって大幅に減らすことができます。日本は、地震や台風への対策が世界で最も進んだ国の一つです。もしこうした災害が他の国で起きていたならば、死者数はもっと増えていたことでしょう。しかし、そうした日本でさえも、2,500の家屋が倒壊し、1,200の建物と1,000の道路が被害を受けました。

激しい台風シーズンにもたらされた雨は土壌を悪化させ、地震発生時には想定外の地滑りを引き起こします。気候変動が台風の頻度と強度に影響を及ぼしていることは明らかです。2004年9月のJournal of Climateの最近の記事によれば、温室ガスにより引き起こされる地球の温暖化は、非常に破壊的なカテゴリー5級の嵐(シンプソン・スケールで最大、最高瞬間風速が時速155マイル以上)が発生する割合と、降水量の増加をもたらす可能性があります。

2005年1月、兵庫県・神戸市において国連防災世界会議が開かれます。政府、国内、そして地域コミュニティからのすべての参加者に、人々を守るためにはリスクを見極め、脆弱性を減らす義務がある、ということを認識してもらうことがこの世界会議の目的です。ブリセーニョ事務局長は、「リスクと脆弱性を減らし、コミュニティの弾力性を構築するための国際協力は、今後の最優先課題とならなければなりません。これには豊かな国々と貧しい国々が協力して取り組む必要があります」と述べました。

本件および国連防災世界会議の詳細については下記にご連絡ください。

Brigitte Leoni, Media Relations
World Conference on Disaster Reduction
Inter.-Agency Secretariat of the International Strategy for
Disaster Reduction (UN/ISDR)
Tel: + 41 22 917 49 68 / +33 (0) 6 26 37 88 61
E-mil: leonib@un.org