国連、インド洋早期警報システムの調整へ
プレスリリース 05/010-J 2005年01月20日
兵庫県神戸 - 各国代表はきょう、国際・地域協力の重要性を強調し、インド洋地域早期警報システムの創設に対する支援を約束しました。先月の津波災害では20万人もの死者が出ましたが、このような警報システムがあれば数千人の命が救えたはずだというのが、専門家の一致した見方です。
先月起きた津波の被災国を含め、国連防災世界会議の特別セッションに参加した国々は、国内のシステムを強化するとともに、災害救援や災害後の復興、自然災害に関する経験を共有することの重要性を認識しました。国連国際防災戦略(ISDR)のサルバノ・ブリセーニョ事務局長は「このシステムの基盤となる貴重なチームワークが出来上がった」と発言。さらに「人々を結びつけ、最新の技術的能力を身につけ、コミュニティを動員することが、成功への鍵を握る」と付け加えました。
この新たな警報システムは、太平洋津波早期警報システムの経験に依拠しながら、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間海洋学委員会をはじめ、既存の国際・地域機関の調整メカニズムを活用したものとなります。システム運営の調整は国連が担当するという合意も出来上がりました。
世界の主要国はすでに、システム設置に国内資源と技術援助を提供するとの公約を行っていますが、その総額は3,000万ドルに上ると見られます。昨年12月26日の大津波に襲われたインド洋地域の被災国の中には、1年後に新たなシステムが稼動する前に新たな津波が襲った場合、地域住民に警報を出せるような暫定的システムの設置を図っている国々もあります。
国連防災世界会議を契機に、このインド洋警報システムの運営を支援するため、新たな地域・国際会議が多く計画されています。特にタイ、中国、インドの各政府は、優先分野を明らかにし、早期警報の評価とモニタリングを行うための会議の受入れを計画していると発表しました。
国連のヤン・エーゲラン人道緊急援助調整官は、自然災害に対応する上で地域社会が果たす貴重な役割を強調し、次のように述べました。「インド洋での津波による被害に対する人道援助は、大災害への対応としてはこれまででもっとも迅速かつ効果的なものとなりました。しかし、この被害はそもそも起きなくて済んだはずなのです。」午前のセッションでは、この新しい早期警報システムによって、インド洋がより安全に暮らせる地域になることを期待するとの発言も聞かれました。
UN/ISDR 2005/05
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