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犯罪です! 腐 敗(第13回国連犯罪防止刑事司法会議)

2015年03月10日

13th UNITED NATIONS CONGRESS ON CRIME PREVENTION AND CRIMINAL JUSTICE Doha, 12-19 April 2015

第13回国連犯罪防止刑事司法会議        2015年4月12日~19日 ドーハ (カタール)

「腐敗とは、経済的、社会的開発を盗むようなものです。ごく普通の人々から進歩し、繁栄する機会を盗むことです」 – ユーリ・フェドートフ国連薬物犯罪事務所(UNODC)事務局長

2015年の犯罪防止会議は、犯罪防止の弱体化と社会開発の低迷の関係について認識を高め、法の支配と効果的な刑事司法制度を尊重することなく持続的な開発を達成するのは困難であることを加盟国に示すことを目的としています。

法の支配には、人権に基づく首尾一貫した法の枠組みと、効果的な行政体制と機構が必要です。すべての国民が、法の下で平等な権利を有し、公共サービス、情報、司法制度を利用できなければなりません。適切な基準と枠組みを通して、法の支配は法的強制力のある契約、公正な就業規則、保健・公衆衛生システム、教育、暴力や紛争や犯罪に対する効果的な安全保障など、開発と包括的な成長に不可欠な要素を下支えます。

開発と平等の大きな妨害となるのが、制度を弱体させ、不安定さを助長する腐敗です。腐敗が蔓延すると、外国からの直接投資が抑制されて事業は繁栄せず、経済発展が阻害されます。腐敗は政府から一般市民まで、社会のあらゆるレベルに影響を及ぼします。公的資金や対外支援金が流用され、重要なプロジェクトに行き渡らなくなるため、貧困層が最も苦しめられます。資金が正しく使用されないため、国が道路、病院、学校などの重要なインフラを構築することができないからです。

しかし、腐敗は、最も必要としている人々から資金を奪うことだけではありません。腐敗はガバナンスを弱体化させ、その代わりに組織犯罪グループが活気づき、人身取引、武器や移住者の密輸、偽造、動植物の絶滅危惧種の売買などの犯罪がはびこっています。

腐敗とガバナンスの弱体化は、開発をどのように妨げていますか

腐敗は世界中で、経済および社会開発の最大の障害となっています。

腐敗は経済成長を抑制し、法の支配を弱体化させ、有能な人材と貴重な資源を無駄にします。腐敗がはびこるところではビジネスのコストが非常に高くなるため、会社は投資を控えます。究極的に、腐敗は人、国、企業の可能性の実現を妨げます。

腐敗は、公正で公平な社会の礎である国家制度を弱体化させることで、民主主義、ガバナンス、人権をむしばみます。選挙での票の買収は民主的なプロセスを歪め、犯罪者が平然と贈収賄を行えば、正義が損なわれます。

医療、教育、上水、公衆衛生、住宅など必要不可欠なサービスを提供するための資金が腐敗によって流用されることで、提供されるサービスが少なくなります。

犯罪者は不法行為で得た資金を使って捜査当局者を買収し、裁判所を無力化し、政治家やジャーナリストを買収または恫喝し、ビジネスリーダーを犯罪活動に巻き込むため、既に弱体化している国家制度が、犯罪と腐敗によってさらに衰えます。

腐敗、犯罪、弱体化した法の支配は、国家の正当性を揺るがし、合法的な経済活動を追いやり、治安を悪化させながら、社会構造を徐々に引き裂きます。

「法の支配は、持続可能な開発の必須条件であり、それ自体が開発の成果でもあります。法の支配によって、包括的な経済成長を促進し、不平等を削減し、すべての人々に司法を利用する機会を与える制度を構築できます」 – ヤン・エリアソン国連副事務総長

国連は、腐敗との闘いと法の支配の推進のために何をしていますか

世界的に法的拘束力を持つ唯一の腐敗防止に関する文書は、現在174カ国が批准する国連腐敗防止条約(UNCAC)です。この条約は、革新的で世界的に認められる腐敗防止の基準を含み、その基準は公的部門と民間部門の両者に適応可能です。この条約は、国家がすべての人々に平等で公正な司法を提供し、法の支配が有効な環境を作り出すことで、腐敗との闘いに勝利するよう促しています。

UNCACの実施を支えるために設定された相互評価メカニズムを通じて、腐敗防止専門家のグローバル・コミュニティが作られようとしています。このメカニズムは、腐敗の問題を感情論や政治問題から引き離すことで、地域間、法律制度間での率直で建設的な世界的対話の成立に役立っています。

UNODCは、世界中で1,400人を超える腐敗防止の政策実行者の育成を行い、多数の加盟国での法律の草案作成や修正を支援してきました。

このメカニズムはまさに世界規模で展開され、国別報告書は各国が自らの進捗を測定するためのベンチマークになっています。このことは、腐敗への取り組みがグローバルなものであるという認識の構築に役立ちます。もう1つの利点はその包括性にあり、後発開発途上国と開発途上国が対等な立場で相互評価プロセスに参加できるようになっています。

UNODCは、腐敗した資金の隠し場所の廃絶を支援する取り組みである盗難資産回復イニシアティブ(StARイニシアティブ)で世界銀行とも連携しています。StARは、腐敗で得た資金のマネー・ローダリングを防ぎ、不正蓄財の体系的でタイムリーな返還を進めるよう、開発途上国や金融センターと密接に連携しています。

知っていますか

  • 腐敗によって、国家はGDPの15パーセントを超える損失を被ることがあります。
  • 世界銀行の推定によると、腐敗によって、開発途上国から毎年200~400億ドルの資金が失われています。
  • UNDPによると、開発途上国で腐敗によって失われた資金は、公式の開発支援金の10倍と推定されます。
  • 水関連のインフラ構築の費用は腐敗によって40パーセントも水増しされており、世界中に安全な飲料水と公衆衛生を実現するための必要経費が、毎年120億ドルも余分にかかることになります。

数字で見る腐敗:国に発生するコストはGDPの15パーセントを超える場合がある 賄賂として支払われる金額は年間推定1兆ドル 開発途上国で毎年失われる金額は200~400億ドル

私たちにできることは何ですか

  • Rule of Law (法の支配キャンペーン)にあなたの声を追加してくださいー自分にとって「法の支配」とは何かをを示す写真やビデオを送ってください。犯罪防止会議のソーシャルメディア・プラットフォームに投稿します。
  • 腐敗の原因についての認識を高め、状況を改善する方法を広く伝えることで、Break the Corruption Chain(腐敗の連鎖を断ち切ろうキャンペーン)に参加しましょう。
  • 自国の政府が腐敗との取り組みで何をしているかについて知識を持ちましょう。
  • ソーシャルメディアでハッシュタグ「#breakthechain」を使って声を上げたり、キャンペーンのロゴやファクトシートを広めましょう。キャンペーンについてもっと多くを学び、どうすれば支援できるかを知るためにここを確認してください。
  • 腐敗は、自分の国や社会で普通に起きる「生活の一部」と考える人が大勢いますが、これは間違っています。現状を変えましょうー腐敗を見つけたら当局に報告し、腐敗を受け入れてはいけないことを子どもたちに教え、贈収賄を拒否しましょう。腐敗に対して、「ノー」と言いましょう。