ミレニアム開発目標(MDGs)に関する最終報告、7月6日に発表 ~ MDGsの成功は、今後の持続可能な開発目標へのバネ ~
2015年07月07日
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、2015年7月6日 、「ミレニアム開発目標(MDGs)報告2015」を発表し、「極度の貧困をあと一世代でこの世からなくせるところまで来た」と成果を強調しました。その上で、「MDGsは歴史上最も成功した貧困撲滅運動になった。これからの持続可能な開発目標への踏み切り台になるだろう」と期待を示しました。
新世紀のはじめに世界中から首脳たちが国連に集結し、貧困削減のための幅広いビジョンを定めました。それらは8つのミレニアム開発目標(MDGs)として発表されました。このビジョンは過去15年間、世界のための中心的な開発の枠組みとして用いられ、現在MDGsはその達成期限に近づいています。世界と各地域で実施されている貧困対策の進捗状況は、28を超える国連・国際機関が集計した最も包括的なデータを基に毎年、モニター・分析されてきました。最終報告書が発表される今年、国連は現状を把握し今後のさらなる進展のために、すべての進捗状況と課題となる点を確認します。次の15年を前に、MDGs の主要な改善点を反映した新たなグローバルな目標が9月にニューヨークで開催される「持続可能な開発サミット」において採択される予定です。
開発途上国で1日1ドル25セント未満という極度の貧困に暮らす人々の割合は、1990年は人口の47%でしたが、今年までに14%にまで減り、初等教育の就学率も2000年に83%だったものが、91%に改善されています。しかしながら、5歳未満の子どもや妊産婦の死亡率の削減については、改善は見られたものの目標の水準に遠く及ばず、女性の地位についても就職率や政治参加で男性との間に未だ大きな格差が残っています。また、報告は、二酸化炭素の排出量が1990年から50%以上も増えていることに触れ、気候変動が開発の最も大きな脅威になっていると警鐘を鳴らしています。