ファーストリテイリングが国連機関とのパートナーシップを通じ、 難民・避難民支援のため1,000万ドルの資金を提供
2015年12月03日
2015年11月25日 – 東京に本部を置き、カジュアル・ブランド・チェーン「ユニクロ」を所有する株式会社ファーストリテイリングは、全世界の難民の支援に向け、国連難民機関との新たなパートナーシップ協定の締結を発表しました。この協定には、1,000万ドルの資金提供のほか、ヨーロッパに新たに到着した難民に対する冬物衣料の配給や、日本と海外でのインターンシップ・プログラムの拡大が盛り込まれています。
「全世界で6,000万人近くが、家を離れることを余儀なくされていますが、これは日本の人口のほぼ半数に当たります。そのうち難民は2,000万人を数えます」アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官はニュースリリースを発表し、このように述べました。
グテーレス高等弁務官によると、このようなかつてない規模の課題に取り組むことで、すべてを失い、その生活を立て直すために安全な場所を求める数百万人のニーズを充足するためには、民間セクターからの本格的な支援が欠かせません。
「私は寛大な資金供与だけでなく、難民支援のために社員や取引先、顧客の力も動員するというファーストリテイリングの決定を歓迎します」グテーレス高等弁務官はこう述べています。
ファーストリテイリングの柳井正・代表取締役会長兼社長も、こうした見方を反映し、難民問題は現在、国際社会が直面する最も困難な課題のひとつになっていると述べました。
「私たちは多くの子どもをはじめ、これほど多くの人々に避難を強いている恒常的な脅威に対し、集団的に取り組まなければなりません」柳井社長は発表に関し、このようにコメントしています。
これまで10年近くにわたり、難民に対する緊急援助の提供や自立を促すプログラムの実施、衣料品の寄付などを行ってきた同社は、「持続可能で平和な世界を実現したいという私たちの変わらぬ気持ちに忠実に、これからも難民に衣料品だけでなく、より良い暮らしに向けた希望を送り届けていく」という意思を表明しました。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2006年にスタートしたファーストリテイリングとのパートナーシップは2011年、アジアに本社を置く企業としては初めて、拡大型パートナーシップへと発展しました。
ニュースリリースは、国際機関と民間企業が難民支援に向けた協力を緊密化させる必要性を認識しつつ、全世界の強制避難民に援助を提供することをねらいとするグローバル・パートナーシップの一環として、新たな支援を位置づけています。
ファーストリテイリングは新たな協定に基づき、2016年から3年間にわたり、UNHCRに総額1,000万ドルの支援を実施します。この資金はUNHCRが緊急事態その他の重大な人道危機に対応するとともに、アジアの難民に自立を促す支援を提供するために用いられることになっています。
さらに、今回の支援は、寄付された衣料品の配給に関連する費用にも充当される予定です。ファーストリテイリングはこれまで、1,000万点を超える比較的新しい中古衣料品を回収するとともに、UNHCRを通じ、これを37カ国の難民に配給しています。
UNHCRはまた、ヨーロッパやアフガニスタンに逃れている難民・避難民に対し、さらに15万点の極暖ヒートテック製品が提供されることを明らかにする一方、ファーストリテイリングは、日本で難民100人を対象に、将来的な雇用も見込んだインターンシップ研修を実施する意思を表明しました。
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