「新たな道」を開いた世界人道サミット(WHS): 国連事務総長、約束の実現を要求
2016年05月24日
2016年5月24日 – 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長はきょう、初の世界人道サミットで国際社会が成し遂げた成果を称賛し、上からと下からの大変革に向け、表明された約束をさらに進めてゆくよう求めました。
人道システムの改善と数百万人の苦難の緩和を目的に開催されたサミット最終日に当たる2日目のきょう、潘事務総長は記者団に対し「世界人道サミットは、その形態においても本質においても、独特なイベントとなった」と語りました。
事務総長は、2日間にわたる会議で開催された数百のイベントの指針となった原則に触れ「私たちには、お互いのケアを改善できるだけの富と知識、そして意識がある。私たちは、人道への課題に定められた5つの核となる責任に基づき、行動を起こす必要がある」と述べています。
サミットには計173カ国と55人の首脳、民間セクターの代表約350人に加え、市民社会と非政府組織からも2,000人以上が参集しました。そして、下記を含む約1,500件の約束がなされました。
「後回しにしない教育」基金
-危機下の子どもと若者に対する良質の教育を支援する
「大取引(Grand Bargain)」
-危機対応への投資の効率と効果を高める
「グローバル準備パートナーシップ」
-危機のリスクが最も高い国のうち、20カ国の準備態勢を整える
「レジリエンスのための10億人連合」
-全世界のコミュニティの安定化に向け、10億人の動員をめざす
事務総長は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相を除くG7の首脳をはじめ、イスタンブール会議に出席できない世界のリーダーがいたことに遺憾の意を表明しました。
事務総長は「これらは、人道対策資金の最も寛大なドナーに含まれる国々だが、私は特に、政治解決の模索という点で、その一層の関与を強く訴える」と強調し、「これほど多種多様な主体の利害調整には、本質的に大きな困難が伴う」ことを指摘しました。
事務総長によると、安全保障理事会メンバー間の分裂は近年、戦争と平和という重大問題だけでなく、人道問題の進展も妨げています。
「私は特に、安保理常任理事国のリーダーに対し、最高レベルで重要なステップを踏むよう訴えたいと思う。この会議に出席しなかったことは、何もしないことの言い訳にはならない」。事務総長はこのように述べました。
トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とともに閉会式に臨んだ潘事務総長はさらに、今回のサミットが終着点ではなく、転換点であることを強調しました。
事務総長は今後の取り組みについて「私は9月、今回のサミットの成果について、国連総会に報告を行う。私は、政府間プロセスや機関合同フォーラムその他のメカニズムを通じ、私たちの約束をさらに一歩進めるための方法も提案する予定である」と述べています。
事務総長の閉会の辞(日本語)はこちらをクリック。
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