難民と移民に関する国連サミット – 9月19日開催へ
プレスリリース 16-081-J 2016年09月13日
難民と移民の大規模な移動に取り組むため、国連総会は、より人間的で協調的なアプローチのもとに各国を団結させることをねらいに、ハイレベル・サミットを開催します。
国連総会が難民と移民の大規模な移動に関し、各国首脳レベルでのサミットの開催を求めたのは、これが初めてのことです。今回のサミットは、国際的対応の改善を目指す青写真を作り上げるための歴史的な機会です。また、国際的な移住に関するガバナンスを強化する重要な分岐点であると同時に、難民と移民の大規模な移動への対応を図るため、より責任ある予見可能なシステムを作り出すためのまたとない機会でもあります。
サミットでは、難民と移民の保護を強化するための一連のコミットメントからなる「ニューヨーク宣言」が採択される見込みです。同宣言には、2018年中に、新たな規範につながるグローバル・コンパクトの採択を目指すアネックス(付属文書)が含まれています。草案はこちらをご覧ください。
日本の安倍晋三首相もサミットでスピーチを行う予定です。
日時と場所
サミットは2016年9月19日(月)、ニューヨークの国連本部で全日にわたり開催されます。詳しいプログラムはこちらからダウンロードできます。
主催者
ハイレベル・サミットは加盟国に代わり、総会議長が主催します。
事務総長は2016年1月、国連の各主体と連携し、サミットに向けて加盟国やその他関連のステークホルダーと協議を行う特別顧問として、カレン・アブザイド氏を任命しました。特別顧問の任務には、2016年5月に事務総長が総会に提出する難民と移民の大規模な移動に関する報告書の監修も含まれます。
総会議長は2016年2月、今後期待される成果に関するものを含め、9月のハイレベル・サミットの組織面での最終的取り決めを行うため、加盟国とのオープンで透明、かつ包摂的な協議を主導する共同促進役に、ヨルダン・ハシェミット王国のディナ・カワール常駐代表とアイルランドのデイビッド・ドノヒュー常駐代表を任命しました。
参加者
今回のサミットには、各国首脳や閣僚のほか、サミットの手順を定める総会決議に沿い、国連システム、市民社会、民間セクター、国際機関、学界などからもリーダーが出席する予定です。詳しくは、サミット参加登録をご覧ください。
また、さらに多くの人々がインターネットやソーシャルメディア、全世界で行われる多数の関連イベントを通じ、サミットの模様をフォローすることになります。サミットはwebtv.un.orgでもウェブキャストで生中継します。詳しくは、サミットへのメディア・アクセスをご覧ください。
9月20日開催の関連イベント
国連総会に合わせて、9月20日には、オバマ米大統領がカナダ、エチオピア、ドイツ、ヨルダン、メキシコ、スウェーデンとの共催で「難民に関するリーダーズ・サミット」を開催し、各国政府に難民支援として多額の新規資金拠出の誓約を呼びかける予定です。このリーダーズ・サミットでは移民ではなく、難民が重点的テーマとなりますが、総会のハイレベル・サミットでは移民、難民双方の大規模な移動に取り組みます。2つのイベントは相互補完的な関係にあります
サミットの経緯
2015年9月:事務総長は総会のハイレベル・セグメントで、新たな開発アジェンダを見据えた移民と難民の移動対策における協力強化に関する会合を開催しました。
2015年11月:総会議長は、グローバルな人道・難民危機への包括的な対応を進める方途を検討するため、総会の非公式会合を開催しました。この会合にはヤン・エリアソン副事務総長をはじめ、アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官、デビッド・ミリバンド国際救援委員会議長兼CEO、クリスタリナ・ゲオルギエヴァ事務総長人道資金ハイレベル・パネル共同議長兼欧州委員会副委員長、スティーブン・オブライエン人道問題担当事務次長兼緊急援助調整官、ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁、マフムド・モヒエルディン世界銀行総裁特使も参加しました。この非公式対話に続き、トルコの発議により、非正規移民に対するグローバルな認識に関する総会本会議が開催されました。
2015年12月:総会は、難民と移民の大規模な移動に取り組む会合を2016年9月19日に開催することで合意しました。
2016年1月:事務総長は、難民と移民の大規模な移動に関する事務総長報告書の監修を含め、国連の各主体と連携し、サミットに向けて加盟国やその他関連のステークホルダーと協議を行う特別顧問として、カレン・アブザイド氏を任命しました。
2016年2月:総会議長は、今後期待される成果に関するものを含め、9月に予定されるハイレベル・サミットの組織面での最終的取り決めを行うため、加盟国とのオープンで透明、かつ包摂的な協議を主導する共同促進役に、ヨルダン・ハシェミット王国のディナ・カワール常駐代表とアイルランドのデイビッド・ドノヒュー常駐代表を任命しました。
2016年5月:難民と移民の大規模な移動に関する事務総長報告書が、総会に提出されました。
2016年6月:ステークホルダーから今後期待される成果に対する意見を募るため、国連本部でマルチステークホルダー聴聞会が開催されました。全世界から市民社会、民間セクターなどの代表がバランスよく参加する4つのパネルで、討議が行われています。
2016年8月:政府間交渉により、9月のサミットで出される宣言案につき、合意が成立しました。
*関係文書はこちらからダウンロードできます。
定義
「難民」と「移民」という言葉は一般的に、同義で用いられることが多くなっていますが、この2つには重大な違いがあります。
難民
難民とは、迫害のおそれ、紛争、暴力の蔓延など、公共の秩序を著しく混乱させることによって、国際的な保護の必要性を生じさせる状況を理由に、出身国を逃れた人々を指します。難民の定義は1951年難民条約や地域的難民協定、さらには国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)規程でも定められています。
―国連難民高等弁務官事務所
主な難民関連の定義についてはこちらをご参照ください。
移民
国際移民の正式な法的定義はありませんが、多くの専門家は、移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意しています。3カ月から12カ月間の移動を短期的または一時的移住、1年以上にわたる居住国の変更を長期的または恒久移住と呼んで区別するのが一般的です。
―国連経済社会局
主な移民関連の用語についてはこちらをご参照ください。
関連映像
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