パリ協定の早期発効に向けて弾みを ― 年内の加入を各国に働きかけるイベントを国連で開催(9月21日)
2016年09月16日
各国は9月21日、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長の主催する特別ハイレベル・イベントで、気候変動に関するパリ協定加入に向けた取り組みを加速することになりました。
事務総長は次のように述べています。「私たちは、パリでの決意を行動に移さなければなりません。私たちに無駄にできる時間はありません。気候変動に関する歴史的なパリ協定を年内に発効させることで、大きな利益が得られるからです。さらに弾みをつけるため、私は各国のリーダーに対し、ニューヨークに集い批准書を提出するか、2016年中の協定加入を公言するよう要請しました」
9月21日のハイレベル・イベントは、パリ協定の規定に従い、各国が協定の批准、受諾、承認または加入の文書を事務総長に寄託する機会を与えることによる、協定の早期発効を確保するための取り組みを進めようとするものです。
イベントでは、4月22日の署名式以来、協定に加入した国々の確認を行います。また、2016年中に協定への加入を約束しながら、国内プロセスを完了する必要から、9月21日に加入のための文書を寄託できない国々も確認します。
現時点で、全世界の温室効果ガス排出量の39.08%を占める27カ国がパリ協定に正式加入を果たしています。9月3日には、中国の杭州で開催されたG20サミットに先立つ式典で、中国と米国が事務総長に文書を提出し、正式に協定に加わったことにより、協定加入に向けた取り組みがさらに加速しています。
パリ協定は、全世界の温室効果ガス排出量の55%を占める55カ国以上が事務総長に批准書または受諾書を提出してから30日後に効力を生じます。
4月のニューヨークでの署名式では、175カ国が協定に署名し、1日の協定署名国数としては過去最高を記録しました。各国が国内で協定加入を決定し、それぞれの法的文書を事務総長に寄託することが、協定発効に向けた最後のプロセスとなります。
事務総長は「パリ協定によって、世界は排出量を削減し、気候に対するレジリエンスを高め、開発途上国による低炭素化経済の構築と避けがたい気候への影響に対する適応を支援するための公平で恒久的、かつ柔軟なグローバル枠組みを作り上げたのです」と述べています。
ハイレベル・イベントは9月21日の午前8時から9時にかけ、国連総会議場で開催されます。イベントは報道機関に公開されるほか、限定的ながら市民社会にも出席が認められます。
国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)締約国195カ国が昨年12月にパリで採択した「パリ気候協定」は、各国に対し、気候変動に対処するとともに、持続可能な低炭素の未来を実現するために必要な行動や投資を加速、本格化するよう呼びかけています。
パリ協定は、気候変動対策における重大な分岐点となりました。何年にもわたる交渉の末、各国は世界の平均気温上昇が摂氏2度を超えないよう抑えつつ、これをさらに1.5度にまで引き下げるための取り組みを追求することに合意したからです。
各国は協定が採択された当時から、現時点の排出量削減の誓約をもってしても、これら目標の達成には不十分であることを認識していました。パリ協定は2018年から5年に1回、進捗状況を審査し、より野心的な削減に取り組むことが必要か否かを検討するための定期会合を開催するよう義務づけています。
パリ協定の早期発効に関する9月21日のイベントについては、こちらをご覧ください。
さらに詳しい情報については、下記にお問い合わせください。
Dan Shepard
電話:1 212 963-9495
E-mail: shepard@un.org
* *** *