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国連 「ファッションチャレンジ」キャンペーン: アップサイクリングをライフスタイルに

プレスリリース 19-060-J 2019年08月09日

国連広報センターは、個人が取り組むことのできる気候変動への具体的なアクションとして、衣料のアップサイクリングなどの「持続可能なファッション」をテーマに、Facebookライブを開催。登壇者は左から、ファシリテーターを務める根本かおる 国連広報センター所長、岩元美智彦 日本環境設計株式会社 取締役会長、坂井佳奈子 株式会社ハースト婦人画報社 エル・ジャポン編集長、小笠原 遥 ハフポスト日本版 ニュースエディター(地球環境パートナーシッププラザにて、2019年8月8日)

個人による気候変動対策をグローバルに呼びかけるActNowキャンペーンの一環として、国連が衣料のアップサイクリングなどを通じた持続可能なファッションを推進する「ファッションチャレンジ」を立ち上げたのを受けて、国連広報センターは、衣料品リサイクルの統一化を目指す日本環境設計株式会社の衣料回収プロジェクト「BRING」と連携して衣料のアップサイクリングを推進します。

BRINGでは繊維製品を同プロジェクト参加企業の店舗などで回収し、使えなくなってしまったものは服のポリエステル原料や自動車内装材などにリサイクルし、まだ使えるものは寄付やリユースに回してきました。「ファッションチャレンジ」はBRINGの推進を通じて、参加する人々や企業が自分たちのアップサイクリングによる取り組みや創作をソーシャルメディアで紹介し、インスピレーションを世界の人々と共有することを呼びかけます。

日本環境設計株式会社 岩元美智彦会長からのコメント

どんな服にでも、皆さんそれぞれ想い入れがあると思います。その服を手放すとき、フリマアプリなどで他の誰かのお気に入りの1着になるのが一番だと思います。ただ、それが叶わないときは、捨てるのではなく資源としてリサイクルしてほしい。BRINGは、皆さんの1着に込めた想いも受け止めて、新たな服として生まれ変わらせることで、また皆さんに手に取ってもらえるような魅力的な商品企画をいろいろなブランドと進めていきたいと思います。ぜひ、BRINGの取り組みにご注目ください!

国連広報センター 根本かおる所長からのコメント

気候変動は私たちの対策よりもずっと速く進んでいます。このままでは早ければ2030年にも産業革命前と比べて1.5度上昇すると見られ、その影響は計り知れません。それに歯止めをかけるためには、一人ひとりが自分にできるアクションを起こして、みんなで人類共通の「家」である地球をまもる必要があります。繊維産業は世界の温室効果ガスのおよそ1割を排出し、航空業界と海運業界の合計を上回るエネルギーを使用しています。消費者レベルでも15年前と比べて一人当たり平均6割多くの衣類を購入しているものの、平均的な着用期間は半分となっています。温室効果ガスを大量排出し、天然資源を大量に使用する「大量生産・大量消費・大量廃棄」を見つめなおし、あなたの服の選択で一緒に世界を変えていきましょう。

 

日本での「ファッションチャレンジ」キャンペーン概要

  • 期間:2019年8月9日から9月23日(気候行動サミット当日)まで (延長の可能性あり)
  • 衣料品の回収方法:消費者の衣料品をBRING参加企業の店舗で回収 (回収の場所と方法はこちら
  • SNSでの発信: #ファッションチャレンジ #ActNow #ClimateAction を添えて、あなたのBRINGへの協力や持続可能なファッションの工夫を写真や動画に撮ってSNSで投稿してください。

 ファッション気候変動抑制へのカギ

衣服の製造は、気候変動に大きく影響します。繊維産業は世界の温室効果ガス排出量の約10%を占めており、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局によると、航空業界と海運業界の合計を上回るエネルギーを使用しています。繊維業界が及ぼす影響は、世界規模の炭素排出に限られません。業界は全世界の廃水の約20%を生み、しかも繊維素材のほとんどは再利用可能であるにもかかわらず、その85%は最終的に埋め立て産業または焼却処分されているからです。経済産業省製造産業局繊維課によると、日本では不要となった衣料品が毎年約100万トン廃棄され、その9割が埋め立てまたは焼却処分されています。

2019年9月に事務総長が招請する気候行動サミットに向けて、ファッション業界は、パリ協定の目標実現への貢献として、極めて重要な役割を果たさねばならないことを認識しています。2018年12月には、43の大手ブランドとサプライヤーが、国連の傘下で「ファッション業界気候行動憲章」に署名しました。その目標は、2050年までに温室効果ガス排出量を正味ゼロにすることにあります。ファッション業界はその他にも、同じ方向性の取り組みを行っています。

#ActNowキャンペーンについて

#ActNowは、個人を教育し、主として消費パターンを調整することによる行動変化を促すことを目標としています。私たちが日常生活で下す決定は、地球全体に影響します。私たちの習慣や決まり事を変え、環境に対する悪影響が比較的小さい選択を行うことにより、私たちは気候変動という課題に立ち向かう力を得られるのです。#ActNowの一環として「ファッションチャレンジ」に先立ち、食品ロス削減・野菜中心の食事・地産地消などを推奨する「フードチャレンジ」も6月18日より実施中です。世界の有名シェフをはじめ多くの方々が地球にやさしいレシピやアイデアをSNSで発信しています(ハッシュタグ:#ActNow #ClimateAction #フードチャレンジ)。

勢いを作り、消費のパターンを変える

私たちの気候変動対策はどれも重要です。人々が行動を起こせば起こすほど、インパクトも大きくなります。私たちが取る対策が全体として積み重なり、排出量を減らすからです。また、政府や企業のリーダーに対し、人々が気候変動対策を求め、その実施を受け入れる用意があるというメッセージを送ることになります。2019年9月にニューヨークで開催される事務総長の気候行動サミットを成功に導くためには、このような集団行動が不可欠です。

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