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財界のリーダー30人が、持続可能な開発に向けた民間投資を拡大する国連の取り組みに参加(プレスリリース日本語訳)

プレスリリース 19-093-J 2019年10月18日

©UN News/Conor Lennon

グテーレス事務総長、主要ビジネスリーダーにSDGsの財源確保への対応を呼びかけ

20191016 – 国連はきょう、実業界で強い影響力を持つリーダー30人が今後2年間、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた財源として、民間から数兆ドルを調達するための協力を行うことになったと発表しました。

アントニオ・グテーレス事務総長が招集した「持続可能な開発のためのグローバル投資家(GISD)アライアンス」は、アリアンツCEOのオリバー・ベイト氏とヨハネスブルグ証券取引所(JSE)のCEOレイラ・フォーリー氏を共同議長とし、バンクオブアメリカやシティグループ、中国工商銀行、インフォシス、インベステック、サンタンデール、UBSその他の著名な国際企業のトップも参加しています(全員のリストは下記を参照)。

「私たちは格差の拡大、紛争と災害による壊滅的被害の増大、そして地球の急速な温暖化に直面しています。これらリーダーは、私たちの切迫感を把握し、ゆっくりと這うのではなく、走るスピードで物事を進めねばならないことを認識したのです」グテーレス事務総長はこう語っています。「ビジネスリーダーたちは、国境や金融部門を越え、さらには競争相手とも協力することを約束しています。健全な地球ですべての人が持続可能な開発を手にできるよう投資することは、倫理にもビジネスの論理にも適うものだからです」

最近、国連総会で開催された「開発資金に関するハイレベル対話」では、保健や教育、インフラ、気候変動などの重要な部門で、政府の支出を増額する緊急の必要性が認識されました。ほとんどの先進国は、そのODA関連の約束を実行できていない一方で、貧困や腐敗、脱税といった要因によって、開発途上国の国内資源は制約を受けています。

開発資金のニーズは年間数兆ドルに上ると見られており、あらゆる公的財源から資金を最大限に活用しても、多額の資金が不足するため、民間からの資金調達が不可欠となっています。

「私たちは責任ある企業として、持続可能性をビジネスの中核に組み入れることにより、長期的な価値を生み出すことができます」ベイト氏はこう述べています。「全世界で社会の安定的な開発に投資することは、単に正しいだけではありません。そこには経済的な機会も含まれています。私たちは、新興市場への投資が顧客の利益を見失うことなく、持続可能な成長を促す手段になると確信しています」

国連の調査によると、持続可能な開発に投資できる民間セクターの資金は、潤沢にあることがうかがえます。しかし、政策環境やインセンティブ構造、制度的条件などの要因が重なり、必要とされる長期的なコミットメントを行いにくくなっているのが現状です。

「GISDアライアンスの創設は、私たちが集団として直面している課題のスケールと、こうした課題の克服に金融部門が果たすべき役割を認識するものです」フォーリー氏はこのように語っています。「証券取引所は、適切な開示を促進し、効果的な価格発見を可能にし、そして最終的には生産的な目的に資金を活用することで、金融エコシステムに欠かせない役割を担っています。私たちがすべきことは数多くあり、今こそそれらに着手すべき時なのです」

アライアンスのねらいは、その専門知識や影響力、ビジネス感覚を駆使して、開発への長期的投資を刺激し、SDGs達成に向けた前進を加速するための方法を考案することにあります。

このグループは今後2年間、下記の活動に取り組む予定です。

  • 各社とシステム全体のレベルで、持続可能な開発に向けた長期的な財源と投資を実現するための解決策を実施に移す
  • 最も必要性の高い国や部門に追加的な資源を動員する
  • 事業活動のプラスの影響を高める方法を探る
  • ビジネス実践を「持続可能な開発のための2030アジェンダ」と整合させる

今回の動きは民間セクターで、各社の継続的成功が世界にとって持続可能な未来と切り離せないという認識が高まっていることと軌を一にしています。

事務総長は、アライアンスの活動期間全体を通じ、実践可能な成果を上げるためのスケジュールを定めています。アライアンスによる活動の調整は、国連経済社会局(UNDESA)が担当します。

***

背景:

  • 2015年に国連全加盟国が採択した持続可能な開発のための2030アジェンダは、現在そして未来の人間と地球の平和と繁栄を実現するための青写真です。その核心をなす17の持続可能な開発目標SDGsは、健康と教育を改善し、不平等を縮小し、経済成長を促進しつつ、気候変動に対処し、私たちの海洋と森林を保全する戦略が、貧困やその他の窮乏に終止符を打つために欠かせないことを認識しています。
  • GISDアライアンスは、持続可能な開発に向けた資金調達に関する国連の戦略の一環として、 「アディスアベバ行動目標を参考に立ち上げられました。行動目標は、すべての資金の流れと金融政策を経済的、社会的、環境的優先課題と整合させることにより、持続可能な開発の財源を確保するためのグローバルな枠組みを定めています。そこに盛り込まれた一連の政策的措置には、持続可能な開発目標の達成を支援するため、あらゆる資金やテクノロジー、イノベーション、貿易、借入およびデータの供給源を活用することが含まれています。
  • GISDアライアンス・メンバーの一覧は、下表のとおりです。

 

さらに詳しい情報については、下記にお問い合わせください。

Rita Ann Wallace
UN DESA New York
携帯:+1 516 707 5570
メールアドレス:rita.wallace@un.org

 

GISDアライアンス・メンバーの一覧

企業

GISD代表

アリアンツ(Allianz SE

ドイツ

オリバー・ベイト氏、CEO

APG

オランダ

ロナルド・ワイスター氏、CEO

アビバ(Aviva

英国

モーリス・タロック氏、CEO

サンタンデール銀行(Banco Santander

スペイン

アナ・ボティン氏、グループ経営執行役会長

バンコロンビア(Bancolombia

コロンビア

フアン・カルロス・モラ・ウリベ氏、CEO

バンクオブアメリカ(Bank of America

米国

ブライアン・モイニハン氏、会長兼CEO

ケベック州貯蓄投資公庫(Caisse de dépôt et placement du Québec)

カナダ

マイケル・サビア氏、社長兼CEO

カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS

米国

マーシー・フロスト氏、CEO

商業国際貿易商銀行(CIMB

マレーシア

ザフルル・アジズ氏、グループCEO兼取締役

シティグループ(Citigroup

米国

マイケル・コルバット氏、CEO

メキシコ・ビジネス評議会(Consejo Mexicano de Negocios

メキシコ

アントニオ・デルバレ・ペロチェーナ氏、理事長

ウルメス・ミネラルウォーター(Eaux Minerales dOulmes

モロッコ

ミリエム・ベンサラー=シャクルーン氏、CEO

エミレーツ環境グループ(Emirates Environmental Group

アラブ首長国連邦

ハビバ・アッマルアシ氏、共同設立者兼会長

エネル(Enel S.p.A

イタリア

フランチェスコ・スタラーチェ氏、CEO兼総支配人

ファーストステートスーパー(First State Super

オーストラリア

ディアン・スチュワート氏、CEO

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF

日本

水野弘道氏、理事兼CIO

中国工商銀行(ICBC

中国

谷澍氏、頭取兼取締役

インフォシス(Infosys

インド

サリル・パレク氏、CEO兼業務執行取締役

インベステック・グループ(Investec Group

南アフリカ

ファニ・ティティ氏、共同CEO

ヨハネスブルグ証券取引所

南アフリカ

レイラ・フォーリー氏、CEO

ヌビーン(Nuveen

米国

ビジェイ・アドバニ氏、CEO

パル・ペンション(Pal Pensions

ナイジェリア

未定*

パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO

米国

エマニュエル・ローマン氏、CEO

サファリコム(Safaricom

ケニア

マイケル・ジョセフ氏、CEO代行

シンテサ・グループ(Sintesa Group

インドネシア

シンタ・ウィジャジャ・カムダニ氏、CEO

スタンダードチャータード(Standard Chartered

英国

ホセ・ビニャルス氏、グループ会長

スラメリカ(SulAmerica

ブラジル

パトリック・アントニオ・クロード・デララゴイティ・ルーカス氏、会長

スウェーデン持続可能な開発投資家協会(Swedish Investors for Sustainable Development

スウェーデン

リヒャルト・グレットハイム氏、AP7 CEO

TDCグループ(TDC Group A/S

デンマーク

アリソン・カークビー氏、社長兼グループCEO

UBSグループ(UBS Group AG

スイス

セルジオ・P・エルモッティ氏、グループCEO

 

   *最近のリーダーシップの交代により、パル・ペンションの代表は後日、任命予定です。

原文(English)はこちらをご覧ください。