国連事務総長、デマと闘うための個人的行動を呼びかけ(プレスリリース・日本語訳)
プレスリリース 20-089-J 2020年11月16日
世界中の人々に、オンラインでの投稿をシェアする前に
#PledgetoPause(#ちょっと待ちます)を
2020年10月20日 — アントニオ・グテーレス国連事務総長は10月21日、画期的なグローバル・オンライン行動を立ち上げ、世界中の人々に対し、コンテンツをオンラインでシェアする前に#PledgetoPause(#ちょっと待ちます)を呼びかけます。この呼びかけは、デマ拡散の影響が増大していることに対し、新しいソーシャルメディア規範をつくるための幅広い行動変革キャンペーンの一環として行われるものです。
グテーレス事務総長は、このキャンペーン向けに自身のTwitterとInstagramのアカウントで発表される動画の中で、その他のリーダーやインフルエンサー、関心を持つ市民もお手本にできるやり方として、メッセージを始める前に5秒間止まって、次のように述べています。「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行(パンデミック)の最中に間違った情報が流れれば、人の命を奪うことにもなりかねません。立ち止まって考えることを約束し、デマの蔓延を一緒に食い止めましょう」
このPauseキャンペーンは、Verified(ベリファイド/検証済み)の一環として実施されます。Verifiedは2020年5月に国連が立ち上げたイニシアチブで、身近な科学的根拠に基づく健康情報を説得力のある形で発信し、COVID-19にまつわるグローバルな連帯を示すストーリーを共有することが目的です。 そしてPauseは、デマに関するものとしては初のグローバルな行動変革キャンペーンで、専門家や研究者、政府、インフルエンサー、市民社会、企業、規制当局、さらにはメディアを#PledgetoPause(#ちょっと待ちます)という1つのメッセージのもとに結束させるものとなります。
一呼吸置くだけで、衝撃的または感情的な内容を共有しようという衝動が大きく低下し、それによってデマが広がるスピードも遅くなることを示す研究結果に基づき、このキャンペーンでは、ソーシャルメディアの利用者がデマを見分け、自分自身がデマを拡散するのを防げるよう、メディア・リテラシーを高めることを目指します。
Pauseキャンペーンは、オンラインやパートナーシップを通じ、2020年12月末までに全世界で10億人にこのメッセージを届けることをねらいとしています。10月21日は終日、オンライン・インフルエンサーと世界的な著名人が自ら#PledgetoPause(#ちょっと待ちます)を宣言し、そのサポーターにも追随を呼びかけることになっています。
「COVID-19は単なる健康危機ではなく、コミュニケーションの緊急事態でもあります。デマが広がれば、一般市民は信用をなくし、公的な対応だけでなく、時には自分自身の命さえ損なう決定を下すことがあまりにも多くなってしまいます」こう語るのは、メリッサ・フレミング国連グローバル・コミュニケーション担当事務次長です。「オンラインのデマに取り組まなければ、パンデミックを克服できないことは日に日に明らかになっています。私たち一人ひとりが、シェアする前に立ち止まって考えることにより、デマの連鎖を断ち切ることに貢献できるのです」
フレミング事務次長は、個別の対策だけでデマはなくならないことも指摘しています。そこで国連は、ソーシャルメディア・プラットフォームとの連携で行動変革を推奨するとともに、デマを警告またはブロックし、科学的根拠のあるコンテンツとの接触を高めるために有効なステップもいくつか認識しています。
また、ソーシャルメディアで不正確または有害な情報やアイデアが出回れば、現代の喫緊の課題のいくつかがさらに悪化することも警告しています。デマは憎悪を煽り、抑圧的体制の出現を可能にし、選挙を混乱させ、気候変動をはじめとする課題に対する理解を歪め、制度に対する信用を損なうとともに、子どもや社会的に脆弱な立場にある人々を危険なアイデアや人々の影響下に置いてしまうからです。
Pauseを支援する市民社会の協力者には、Chequeado、Newschecker.in、First Draftなど、デマへの対処を専門とする組織が含まれる一方で、MultiChoiceをはじめとするアフリカの報道機関やYuvaaも、Pauseのメッセージ発信に協力しています。
取材のお申し込みについては、下記にお問い合わせください。
Oli Courtney | oliver.courtney@digacommunications.com | + 44 (0)7815 731889
Devi Palanivelu | palanivelu@un.org | +1 917 495 5424
編集者注
Verified(ベリファイド/検証済み)キャンペーンは2020年、COVID-19の世界的大流行を受けて発足したキャンペーンです。国連とその他の市民社会団体、メディア報道機関、活動家、企業の協業によって成立したこのキャンペーンの目的は、さまざまな雑音をはねのけて、命を守るための情報、事実に基づく助言、そして人間の最高の本質を伝える情報を届けるコンテンツを提供することにあります。
さらに詳しい情報については、takecarebeforeyoushare.orgと shareverified.com/enをご覧ください。
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原文(English)はこちらをご覧ください。