京都コングレス、拡大する犯罪の脅威への取り組みと COVID-19からの包摂的な復興の促進をめざす「京都宣言」に合意(UNODCプレスリリース・日本語訳)
プレスリリース 21-010-J 2021年03月08日
京都、2021年3月7日 - 第14回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)が本日、京都で開幕しました。持続可能な開発目標(SDGs)の達成と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)からの復興に向けて、犯罪に対処するグローバル協力を新たにすることを呼びかける同会議は、パンデミックによる規制下で、革新的なハイブリッド方式で開催されています。
開会式典では、高円宮妃久子妃殿下、菅義偉首相、上川陽子法務大臣、林眞琴検事総長に加え、ヴォルカン・ボズクル国連総会議長、アントニオ・グテーレス国連事務総長、ガーダ・ワーリー国連薬物犯罪事務所(UNODC)事務局長が挨拶を行いました。
本日採択された「京都宣言」では、各国政府が、犯罪防止、刑事司法、法の支配、および国際協力のための対応を促進させる具体策に合意しました。各加盟国は、5月にウィーンで開催される第30回国連犯罪防止刑事司法委員会でさらにコミットメントを前進させることになります。
グテーレス事務総長は、ニューヨークからライブ中継された挨拶において、世界的なパンデミックという状況の中で発生している様々な課題に取り組む本コングレスの重要性を強調しました。
「犯罪防止、刑事司法、および法の支配は、国家と国民の間の社会契約を見直す上で重要な役割を果たします」「本コングレスの議題は、現在の危機下における犯罪防止と刑事司法の強化に必要な対応に焦点を当てています」グテーレス事務総長はこのように述べました。
ボズクル国連総会議長は、ビデオ・メッセージを通じて次のように述べました。「確実なことは、法の支配、犯罪防止、および刑事司法について行動を起こさなければ、持続可能な開発のための2030アジェンダの目標は決して達成することはできないということです」
UNODCの支援のもとに開催されている本コングレスは、各国政府、国際機関、地域機関、市民社会、専門家、および学者たちが犯罪防止と刑事司法に焦点を当てて集う世界最大の会合の場です。
本コングレスは、直接対面の機会を限定し、大多数の参加者が新設の専用イベントプラットフォームでオンライン参加するものとして各国高官や多様な人々の参加を可能にしながらも、厳格な健康および安全基準を確実に順守する形で開催されます。5,600人の参加者のうち、約4,200人がオンライン参加者として登録しており、この中には、152の加盟国、37の政府間組織、114の非政府組織、600人の専門家、そして多数の国連の組織や機関の代表者が含まれます。
ワーリーUNODC事務局長は、「より平和で包摂的な社会を目指して、犯罪防止と刑事司法に向けた取り組みを前進させるためのグローバル協力において、新たな歴史を築いている」と述べ、本コングレス参加者の努力を称えました。
事務局長はまた、「世界が長引く危機に苦しんでいる中で、私たちはこの緊急時に人々を守り、誰一人取り残さないために団結しています。これは時間との闘いです。なぜなら、組織犯罪はこの危機にすかさずつけ込み、偽ワクチンを販売し、生計手段を失った人々を搾取し、景気刺激策のための資金を流用しているからです」と語りました。
COVID-19パンデミックを受けて、本コングレスは総会決議により、当初開催予定の2020年4月から延期されたものです。オープニングセレモニーでは、ドーハで開催された第13回コングレスの開催国のカタールから上川法務大臣への議長の引き継ぎが行われました。
また、コングレスに先立って行われたユースフォーラムからの代表2人が、ハイレベルセグメントにおいて「勧告」を発表しました。
今週金曜日(3月12日)まで、公式会合で討論が続くほか、多数の特別イベントや付随的なミーティングがハイブリッド型のイベントとして行われます。それらのテーマは、腐敗への取り組みから野生生物犯罪、テロ対策におけるジェンダーの側面から刑事施設でのCOVID-19の影響、テロリストや暴力的過激主義グループとの関わりがある子どもたちへの対応、そして、法の支配を促進する変化をもたらす主体としての若者たちの役割など、多岐にわたります。
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