グローバルなワクチンの公平な分配への呼びかけを後押しする 新キャンペーン「Only Together(一緒ならできる)」、国連が立ち上げ(プレスリリース・日本語訳)
プレスリリース 21-012-J 2021年03月17日
ニューヨーク、3月11日 - 国連はきょう、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンへの公平・公正なアクセスを世界中で実現するための呼びかけを後押しする新たなグローバル・キャンペーン「Only Together(一緒ならできる)」を立ち上げました。
同キャンペーンは、医療従事者や最も脆弱な立場に置かれた人々からスタートし、すべての国においてワクチンへのアクセスを確実にする、グローバルな協調的行動の必要性を強調しています。
アミーナ・J・モハメッド国連副事務総長は次のように述べています。「この一年間、私たちは皆、他の人々と一緒に是非やりたいと思うことをする機会を持てていません。食事やお互いを抱きしめ合うこと、学校や職場に行くことなどです」
「これまで何百万もの人々が愛する人を失い、あるいは生計手段を奪われています。ワクチン開発に向けた前例のないグローバルな科学的取り組みは、私たちにウイルスに打ち勝つ希望を与えてくれていますが、それが実現するのは、あらゆる場所のあらゆる人々がCOVID-19のワクチンにアクセスできるよう、私たちが協力した場合に限ってです。結束なくして、私たちはパンデミック(世界的大流行)を終息させ、新たな希望の時代を築くことはできません」
世界保健機関(WHO)によれば、COVID-19による死者数は世界中で250万人を超えています。COVID-19のワクチンは人々の命を守り、新たな変異株の出現を防ぎ、再び経済を活性化させ、パンデミックを終息させる最良の希望となるでしょう。
グローバルなワクチン公平分配メカニズムであるCOVAXの取り組みにより、史上最大規模のワクチン提供が現在進行中であり、何百万回分ものワクチンが、世界の最貧国の一部を含め、世界中で届けられています。
しかし、これらのワクチンは当初、医療従事者や最も脆弱な立場に置かれた人々といった、ほんの一握りの人々しか対象としていません。COVAXは2021年までに、参加各国の人口のおよそ30%に対するワクチン提供を目指しています。しかし、富裕国10カ国がすべてのCOVID-19ワクチンの80%近くを保有し、中には今後数カ月のうちに全人口を対象に接種することを計画する国もある現状と比較すると、その進捗は大きく見劣りしています。
COVAXはWHO、GAVI(旧称:ワクチンと予防接種のための世界同盟)、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)による主導のもと、国連児童基金(UNICEF)と提携し、190カ国が参加しています。年末までにワクチンを最も必要とする人に届けるという目標を完全に達成するには、20億米ドル以上の資金を必要としています。
COVAXへの新たな資金拠出の誓約も極めて重要ながら、余剰ワクチンの提供、技術移転、自発的なライセンス供与、場合によっては知的財産権の放棄など、ワクチンへのアクセスの拡大に向けてできることは多くあります。
メリッサ・フレミング グローバル・コミュニケーション担当国連事務次長は次のように述べています。「世界の科学者がわずか7カ月で安全かつ有効なワクチンを開発できたのなら、世界のリーダーの目標も同様に記録的な速さでなければなりません。十分な資金の提供と製造の強化により、地球上の誰もがワクチン接種済みとなるように」
取材のお申し込みについては、下記にお問い合わせください。
Devi Palanivelu | palanivelu@un.org | +1 917 495 5424
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編集者注
Verified(ベリファイド/検証済み)キャンペーンは2020年、COVID-19のパンデミックを受けて発足した国連の取り組みです。Purpose、市民社会団体、メディア・パートナー、ソーシャルメディア・プラットフォーム、インフルエンサーの協業によって成立したこのキャンペーンの目的は、さまざまな雑音をはねのけて、命を守るための情報、事実に基づく助言、そして人間の最高の本質を伝える情報を届けるコンテンツを提供することにあります。さらに詳しい情報については、https://shareverified.com/enをご覧ください。
COVAXは、ACTアクセラレーター(Access to COVID-19 Tools (ACT) Accelerator)のワクチン分野の柱です。ACTアクセラレーターは、COVID-19の検査、治療、ワクチンの開発、生産、公平なアクセスを加速する画期的な国際協力体制です。COVAXは、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、GAVI、世界保健機関(WHO)が共同で主導しており、UNICEFが主要な分配パートナーを務めています。COVAXの目的は、COVID-19のワクチン開発と製造を加速させ、世界のすべての国にとって公平・公正なアクセスを保証することにあります。
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