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「未来サミット」を前に、各国がSDGs達成に向けた取り組みの加速化を約束(2024年7月17日付 国連経済社会局プレスリリース・日本語訳)

プレスリリース 24-051-J 2024年08月05日

©UN Photo

ニューヨーク、2024717 — 今年9月に開催される「未来サミット」に向けて準備が進む中、「持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)」は本日、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた行動を拡大させる多国間の取り組みの強化を目指す閣僚宣言を国連加盟国が採択して、閉幕しました。この宣言は、2024年の国連経済社会理事会(ECOSOC)とHLPFのテーマである「2030アジェンダの強化と、複合的な危機の時代における貧困の撲滅:持続可能で強靭かつ革新的な解決策の効果的な実施」に取り組むものであり、今年のHLPFで行われた綿密なレビューに従ってSDGsを実施するための行動を強調するものです。

「私たちは、持続可能な開発目標(SDGs)の実施と達成を前進させるための解決策を模索し続けなければならない」と、ECOSOCのパウラ・ナルバエス議長は述べています。

HLPFは、各国政府、民間セクター、市民社会、その他のパートナーが経験を共有し、SDGsの実施を加速させることを目指す革新的な解決策を紹介する機会を提供しました。ECOSOCが主催した今年のフォーラムは、SDGsのうち、貧困をなくそう(目標1)、飢餓をゼロに(目標2)、気候変動に具体的な対策を(目標13)、平和と公正をすべての人に(目標16)、パートナーシップで目標を達成しよう(目標17)に焦点を当てるとともに、2030年の期限に間に合うよう、残りの6年における取り組みを強化する緊急の必要性を強調しました。

SDGsの実施を加速させる緊急要請

今年6月28日に発表された国連の「持続可能な開発目標報告2024」によると、SDGsのターゲットのうち、現時点で達成に向けた軌道に乗っているのはわずか17%であり、現在の進捗はSDGs達成に必要な水準には程遠いものです。開発途上国がSDGsを達成するために必要な年間投資のギャップは4兆ドルに上ります。報告書はまた、2022年には2019年と比較して極度の貧困の中で生活していた人々が約2,300万人増加し、飢えに苦しむ人々は1億人超増加したことを明らかにしています。温室効果ガス濃度は2022年に過去最高を記録し、2023年のリアルタイムデータも上昇し続けていることを示しています。

一方で、いくつかの分野では進展も見られました。HIVとの闘いにおいては、世界は大きく前進しています。2022年の新規感染者数は、2015年と比較して27%減少しました。5歳未満の子どもの死亡数は、2023年に490万人と歴史的低水準になりました。世界の総最終エネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合は、2015年の16.7%から2021年には18.7%まで上昇しました。現在、世界人口の約95%がインターネットにアクセスできるようになっていますが、これはわずか8年で70%増加したことになります。

「私たちの前に立ちはだかる課題はいずれも極めて困難なものですが、私たちは共に力を合わせれば、それらを克服することができ、すべての人々が必要としているだけでなく、与えられるべき平和で、豊かで、持続可能な未来を実現することができる」フォーラムの開幕にあたり、アミーナ・J・モハメッド国連副事務総長はこのように述べました。

自発的国別レビューVNR

HLPFでは、36カ国が「自発的国別レビューVNR」を発表し、SDGs達成に向けて取ってきた大胆な行動を強調しました。

各国の進捗報告の一部をご紹介します。

  • アルメニアでは、国会に占める女性の議席比率は36.45%です。また、情報通信技術や革新的な新興企業の従業員の40%が女性であり、これは国際平均の20%の2倍にあたります。
  • オーストリアは、2030アジェンダの実施において科学の関わりをさらに促進しており、300人の科学者が参加する学際的プロジェクトでは、同国でのSDGs実施のための150の選択肢と950の具体策が提示されました。
  • エクアドルでは、国家開発計画の94.3%が、SDGsのターゲットに沿ったものになっています。
  • ジョージアでは、64の地方自治体のうち32の自治体がSDGsのローカライゼーション(地方化)に積極的に取り組んでおり、2025年までには、すべての地方自治体が徐々にこのプロセスを取り入れていくことが見込まれています。
  • モーリシャスは、全体の温室効果ガス(GHG)排出量を2030年までに40%削減し、エネルギー需要の60%をグリーン資源で賄い、電力生産における石炭使用の全面的廃止を段階的に進める計画です。
  • ジンバブエでは、農業部門が、気候スマート農法、環境保全型農業、灌漑提携の促進によって、2020年に4.1%、2021年に17.5%、2022年に6.2%の成長を遂げています。

HLPFに関連して開催されたイベント

今年のHLPFに関連して、13のハイレベル特別イベント、13のVNRラボ、219のサイドイベント、14の展示会が開催され、以下をはじめとする多くの注目すべき成果を上げました。

未来サミット2024

今年のHLPFは、9月22日から23日にかけて開催される「未来サミット」に備えるものであり、サミットでは、未来を守りながらより良い現在を実現する方法について新たな国際合意を形成すべく、世界の指導者たちが一堂に会します。指導者たちは「未来のための協定」を採択し、その中にはグローバル・デジタル・コンパクトと将来世代に関する宣言を付属文書として含める予定です。

さらに詳しい情報については、https://hlpf.un.org/2024をご覧ください。

ハッシュタグ: #HLPF、#GlobalGoals、#SDGs

メディア関係者のお問い合わせ先:

UN Department of Global Communications(国連グローバル・コミュニケーション局)
Bingjie Wang
bingjie.wang@un.org

UN Department of Economic and Social Affairs(国連経済社会問題局)
Paul Simon
simonp@un.org

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原文(English)はこちらをご覧ください。