「情報の誠実性のための国連グローバル原則」の日本語仮訳が完成しました
2024年10月25日
国連グローバル・コミュニケーション局が今年6月24日に発表した「情報の誠実性のための国連グローバル原則」の日本語仮訳が完成しました。
本文書は、誤情報や偽情報、ヘイトスピーチが偏見や暴力を煽り、社会の分断や紛争を深刻化させている状況に対して、人権、平和な社会、そして持続可能な未来を擁護する、より健全かつ安全な情報空間を育むために必要な5つの原則を示しています。それらは、「社会的信頼とレジリエンス(強靭性)」「健全なインセンティブ」「人々のエンパワーメント」「独立した自由で多元的なメディア」「透明性と研究」です。
これらの原則を基に、今日と将来の情報エコシステムに大きな影響を与えるステークホルダー、特にテクノロジー企業、人工知能(AI)関連主体、広告主やその他の広告関係者、民間主体、報道機関、研究者と市民社会、そして各国政府に求められている行動を提言しています。同時に、国連が健全で安全な情報空間を作るために約束する行動も示しています。
「情報の誠実性のための国連グローバル原則」は、アントニオ・グテーレス国連事務総長が2021年に発表した『私たちの共通の課題(Our Common Agenda)』に含まれる11編の報告書の一つである、デジタル・プラットフォームに関する情報の誠実性についての政策概要に基づき、加盟国、民間セクター、若者のリーダー、メディア、学術界、市民社会との幅広い協議を経て作成されました。
また、本原則の枠組みは、『私たちの共通の課題』を出発点として今年9月に開催された国連「未来サミット」で、サミット成果文書「未来のための協定」の付属文書として採択された「グローバル・デジタル・コンパクト」が掲げる「すべての人にとって包摂的、持続可能で、オープン、公正、安全・安心なデジタルの未来」という目標を実現するための、様々な文脈に対応する実践可能なステップを提供しています。
本文書の発表にあたって、事務総長は「このグローバル原則は、表現及び意見の自由に対する権利など、人権に強く根差した、今後進むべき確かな道を示すものです」と述べています。ステークホルダーの皆様には、自らの組織と社会の両方のより良い発展のために、本文書をご活用いただけると幸いです。
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