日本語訳(非公式)ができましたのでお知らせします
中東和平国際メディア・セミナーが閉幕
プレスリリース 07/048-J 2007年07月06日
緊張と対立の中、コミュニケーションの重要性を強調 事務次長は閉会の辞で地域の平和、繁栄、安全への期待を表明
第15回中東和平国際メディア・セミナーは、2日間にわたる活発かつ率直な意見交換を終え、6月27日に閉幕しました。セミナーでは、緊張と対立の中でも、このような会合が相互理解を促進し、コミュニケーションの大切さを立証する上で積極的な役割を果たせることを強調する発言が多く聞かれました。
中東における「前進への道(The Way Forward)」に焦点を当てた2日間のセミナーを締めくくるにあたり、赤阪清隆・国連広報担当事務次長は、こうしたイベントが少しずつでも、中東地域の平和、繁栄、安全という目標に向けた前進に貢献できるとの期待を表明しました。
「包括的かつ恒久的な政治的解決の探求にイスラエル人とパレスチナ人の関与を再度促す(Re-engaging the Israelis and the Palestinians in the Search for a Comprehensive and Lasting Political Settlement)」と題する今回のセミナーは、国連広報局が日本政府、国連大学との協力で開催したものです。赤阪氏はセミナーでの議論を総括し、政治、経済、社会の各側面で「大小のステップ」が提案されたと述べました。参加者の中には、当事者間の信頼醸成を図るためには、政治的な議論だけでなく、経済的、社会的な取り組みも緊急に必要だとする向きもありました。前進への道を開きうる協力分野として、下水処理、学術協力、水管理、生態系、工業、農業、輸送に関するプロジェクトのほか、市民社会による数多くのイニシアチブも取り上げられました。
「私たちは紛争にとらわれることが多く、政治上、安全上の懸念はパレスチナとイスラエルの人々の相互不信を増幅している」。赤阪氏はこのように語り、地方自治体、市民社会、非政府組織(NGO)のほか、一人ひとりの人間が協力して、こうした問題を克服せねばならないとしました。
また、ヨルダン川西岸地区からテレビ会議でセミナーに参加したパレスチナ人からは、和平プロセスの再生化を呼びかける力強い前向きな意見も聞かれました。
パレスチナ広報サービスの最高責任者で、マフムード・アッバス大統領のメディア顧問も務めるリヤド・アルハッサン氏は「今こそ和平プロセスの再開が必要だ」とした上で、中東情勢は重大な局面を迎えており、イスラエル・パレスチナ問題を解決すれば、過激派の手から起爆装置のひとつを奪うことになり、将来への期待が生まれるだろうと語りました。同氏はまた、条件や前提なしに協議を再開できるのではないかという期待も表明しました。
最終セッションに先立って行われた2回のパネル・ディスカッションでは、地域経済協力と市民社会レベルでのイスラエル・パレスチナ協力が検討されました。参加者からは、政治的な困難と治安上の懸念は残るものの、人々の生活は密接に絡み合っていることを指摘する向きがありました。地域レベルでの経済開発がなければ、国際社会は恒久的な中東和平に向けた基盤を固められないだろうとの声も上がりました。
市民社会協力については、昨年のモスクワでのセミナーを受けて発足した「イスラエル・パレスチナ市民社会イニシアチブ運営委員会」の委員長とメンバーによるプレゼンテーションがありました。このプレゼンテーションでは、教育、科学技術、公衆衛生、雇用、都市開発、環境的に持続可能な沿岸開発の各分野に関し、イスラエル・パレスチナ間のさまざまな協力に向けた取り組みが報告されました。また、地域的、国際的主体が関与する協力をさらに促進するための方途も模索されました。
運営委員会の委員長を務めるニューヨーク・ポリテクニック大学のイラン・ジュラン教授は、現地の人々に協力の用意がある時こそ、共通の懸念に対する取り組みに着手できるよう、支援の手を差し伸べることが重要だと発言。国連システムが主導権を握り、ドナーや国際機関の参加を得て、前進への道を探るワークショップを開催するよう提案しました。国際的支援を調整するため、制度的機構を設けるべきだ、とジュラン氏は語っています。
これもパネリストとして参加した、元アシュケロン市長のベニー・ヴァクニン・テルアビブ都市交通局長は、イスラエル・パレスチナ市長ワークショップに向けた今後のプログラム準備にあたっては、商工業や輸出能力・農業開発のための地域インフラなど、公共セクターのあらゆる活動に焦点を置き、次回のセミナーでアイデアを出せるようにせねばならないという意見に賛同しました。
地域経済協力に関するパネル
6月27日の1回目のパネルでは、地域経済協力に関する討論が行われました。進行役を務めた国連大学のハンス・ファン・ヒンケル国連大学学長は、このテーマを紹介するにあたり、政治的困難や治安面の懸念は残っていても、中東の人々の生活は密接に絡み合っていることを指摘しました。ファン・ヒンケル氏によれば、イスラエルとパレスチナの人々は多くの懸案事項を共有していますが、これには近隣諸国の利害も絡んでいます。また、地域レベルでの経済開発がなければ、国際社会が恒久的な中東和平に向けた基盤固めを行うこともできないでしょう。
ファン・ヒンケル氏はさらに、地域経済協力の促進はこの意味で、パレスチナ人の生活水準向上だけでなく、イスラエル・パレスチナ間の信頼醸成にとっても重要だと発言。パネル・ディスカッションでは、地域的な文脈から、日本をはじめとする国際主体の関与も得つつ、経済協力を促進する方途を探ることになろうと述べました。
ディスカッションの冒頭、有馬龍夫・日本国政府代表(中東和平担当特使)は、パレスチナ人の苦難を和らげ、地域の経済開発を促進するため、日本が努力を重ねていると発言。日本政府が今年3月、直接対話を通じて相互の信頼を深めることをねらいとして、第3回イスラエル・パレスチナ信頼醸成会議を主催したことを指摘しました。その席上、参加者のひとりから、希望のない土地は将来のない土地だとの意見が出されました。有馬氏はこれについて、パレスチナ人の心に希望の光を取り戻すため、どのように資源を結集すべきかを検討することが重要だとした上で、そのためには、国際社会が本格的な取り組みを続ける必要があると述べました。
有馬氏は続けて、日本政府が最近、主としてガザ地区を対象に約1,250万ドルの追加的人道援助提供の用意があると発表したことに触れました。日本が2005~2006年度に手がけたプロジェクトとしては、汚水処理場の整備、ガザでの住宅建設、パレスチナ自治政府議長府の制度面、管理面での能力強化があげられます。オスロ・プロセス発足後の日本の援助額は、およそ9億ドルに及んでいます。有馬氏によれば、重要なのはこうした数字自体ではなく、常に雇用機会の創出を念頭に置き、明確かつ入念に策定されたプロジェクトが積み重ねられているということです。イスラエルでも草の根プログラムが数件進められています。有馬氏は、パレスチナへの短期、中期的な人道援助に加え、持続可能な経済開発を伴う国造りの支援が重要だと発言。日本政府が「平和と繁栄の回廊」構想を推進している理由もここにあるとしました。
有馬氏はさらに加えて、日本政府代表が先にシリア担当者との会談で、同国がハマスに対する影響力を行使し、パレスチナ内部の現状打開に助力したり、イラクとの国境警備を強化したりするなどして、中東地域でさらに積極的な役割を果たしうるとの考えを表明したことを指摘。日本政府はその他、アッバス大統領に対する支持を明確に打ち出すとともに、ロードマップとの整合も可能なアラブ和平イニシアチブの再生化も促進していると語りました。
サミール・イサ・ナウリ氏(ヨルダン)は、地域的な経済要素を伴わない政治決着は長続きも安定もしないと発言。各当事者は、自らとその子孫のためによりよい将来を築けるよう、創意と工夫を凝らすべきだとしました。また、積極的な国際支援や援助も必要だと指摘。麻生太郎外相が前日、ヨルダン、イスラエル、パレスチナの国境にまたがるヨルダン川の両岸に平和と繁栄の回廊を設けるという日本政府の構想を提示したことに触れ、これこそまさに、将来の地域経済協力に必要な取り組みの好例だと述べました。
ナウリ氏は続けて、ヨルダンはこの構想を強く支持するとした上で、死海で日本、ヨルダン、パレスチナ、イスラエルの専門家チームが4者会談を行い、日本の専門家が実施した専門的研究の成果と、3カ国の専門家チームとの間で行った協議の成果を検討する予定だと述べました。ナウリ氏によれば、回廊構想はさらに多くの雇用機会を創出し、経済開発を促進することによって、パレスチナ人の苦難緩和に貢献するだけでなく、地域の内外から民間投資を呼び込むことにもなると見られます。
ラマッラ市長のジャネット・ミヒャエル氏は、和平プロセスの前進に向けた取り組みに参加するため、幾多の橋や検問所を通り抜けてきたと発言。パレスチナの各市町村は、パレスチナの地域開発と生活水準向上に向けた取り組みに欠かせない要素として、水道・衛生設備プロジェクトに積極的な役割を果たし、道路、公園、図書館の建設など、その他のプロジェクトも手がけることで、都市の開発と整備に努めていると述べました。
ミヒャエル氏は続けて、パレスチナでは多くの期待を裏切る悲劇が起こりつつあるとした上で、占領によってパレスチナは窒息状態に陥っているほか、イスラエルが設けた隔離壁により、2つに分割された市町村も多いことを指摘しました。ミヒャエル氏によれば、パレスチナ諸都市の周辺は、イスラエルの治安維持作戦の舞台となっているため、市町村はこの区域で非常に重要なプロジェクトも建設活動もまったく行えない状況です。特に最近の選挙後は、イスラエルがパレスチナ自治政府に代わって徴収した税収の引き渡しを拒んでいるため、パレスチナの市町村は極めて困難な状況に陥っています。このため、市民はほぼ1年間、給与の全額支給を受けておらず、市町村の手数料や税金の収入にも支障が出ています。市町村の活動はまひし、環境保全のプロジェクトやサービスもストップしました。廃棄物やゴミの回収もできず、病気が広がっています。
イスラエル国会(クネセト)のロニート・ティロシュ議員は、イスラエル人とパレスチナ人の協力に触れ、過去には「今よりマシな時期もあった」と指摘。前回のインティファーダが始まってから、イスラエルは隔離壁の建設に踏み切らざるを得なくなったと主張しました。「正直なところ、隔離壁に使う資金は教育に回したかったところだが、国民の安全を確保するため、治安に数百万ドルを費やす事態となってしまった」。ティロシュ氏はこのように語り、「私たちはすべて平和を望んでいる。とはいえ、これは仕方のないことだ」と付け加えました。
治安問題の一例として、ティロシュ氏は、10人目の子どもを身ごもっている妊婦1人を含む2人の女性が2週間前、爆弾を身体に巻き付けてイスラエルへの入国を図った事件を指摘。このような事件により、それまで存在していた協力のチャンスは消え去ったと述べました。それでもティロシュ氏は、国境封鎖によって民間企業に打撃が及んだことは間違いないとして、パレスチナでの農業、生産活動が崩壊している現状は、イスラエル経済にとっても痛手であることを認めました。
ティロシュ氏は、諸困難にもかかわらず、人々や組織が協力の方法を見いだしているとした上で、イスラエルの治安に対する懸念と、パレスチナ人の生活確保とをバランスさせることが大切だと主張。国境が再開されれば、輸出、雇用創出、国内総生産(GDP)増大の各分野で新たな協力が始まり、パレスチナ側は大きな利益を得られるだろうと述べました。同氏によれば、雇用機会の創出と輸出の増大により、イスラエルも利益を得ることができます。また、パレスチナ国内の市場に加え、アラブ諸国への輸出による利益は、120億ドル程度に上るものと見られます。
イスラエル国際諮問センターのワディー・アブナサル所長は、自分がパレスチナ人であり、かつイスラエル人であることを誇りに思うと発言。アラブ人とユダヤ人の大多数にとって、相互理解への道は険しいとした上で、アラブ人がすべてホロコーストについて知り、ユダヤ人がすべてパレスチナの惨状について知ることが夢だと語りました。アブナサル氏によると、現状の混乱を収拾するためには、理解を促進するための具体的なプロジェクトを導入することが重要です。例えば、ユダヤ人とポーランド人は共同で、難しい問題に関する研究書を著しました。アラブ人とユダヤ人も、このような研究書を共同で執筆すべきだといえます。
さらに、イスラエルはアラブ人すべてが協力者であるべきだとの考えを捨て、アラブ人をパートナーとして捉えるべきだ、とアブナサル氏は述べ、聖職者はこの点で重要な役割を演じることができると付け加えました。同氏はまた、難民たちがまったく希望を失い、その苦境がテロリスト的思考の言い訳として使われているとの現状認識から、難民の雇用に投資する必要性についても言及。イスラエル人にアラビア語を、パレスチナ人にヘブライ語をそれぞれ教えることが重要だと強調しました。「お互いを理解し、お互いの文化を知らない限り、私たちは隣人とはなり得ない」とアブナサル氏は主張。イスラエル国内で全人口の20%程度を占めるパレスチナ人に大きな潜在能力があるとしつつ、相互理解を深める上で、イスラエルのパレスチナ人に建設的な役割を果たすよう促すべきだと 述べました。
これに続く討論で、ある発言者は、イスラエルの軍事費の突出が同国経済に悪影響を与えていると指摘。その一方で、パレスチナ経済はイスラエルによる治安確保措置、移動制限、パレスチナの税収凍結により支障を来していると述べました。同人は、イスラエルがガザ地区と同じような失業率にあえいでいたとしたら、一体どうなるのかという問いを提起した上で、このような事態になれば、社会的な大混乱が生じるのではないかと主張。協力と開発にとって、和平は重要な前提条件だと述べました。同人によると、協力と和平の機運は、グローバル化が進む現代世界で中東地域が競争し、生き残るための大切な手段のひとつといえます。和平が成立すれば、例えばエジプトが第2の韓国になることも考えられます。
もう1人の発言者は、経済開発の前提として、失業と治安の問題にまず取り組むべきなのかという疑問を提起。進行役のファン・ヒンケル氏はこれに対し、治安と雇用は必ずしも二者択一の問題ではないと回答し、その両方の解決が重要だと述べました。
また、あるパネリストは、平和の回廊を「高速道路」とすべきだと主張。平和の機運を作り上げることが大切であり、この意味でジャーナリストの役割は重要だと指摘しました。同人はさらに、イスラエルが文化と言語の問題をともに考慮しつつ、パレスチナ社会の各層に対する働きかけの努力を強化すべきだとも述べました。
イスラエルのあるジャーナリストは、パレスチナ人が他者の非難を止め、自らの運命に責任を持つべきだと述べ、「聞こえてくるのは、『私たちに与えるものが十分でなく、私たちへの援助も不十分だ』という声ばかりだ」と付け加えました。同人はまた、イスラエルがガザ地区から撤退し、変化のチャンスを与えたにもかかわらず、ガザはパレスチナ人に希望を与えるどころか、恐怖を作り出す道を選んだと主張しました。
パレスチナ国連常駐オブザーバーのリヤド・マンスール氏は、国際援助を受けながら、パレスチナ自治政府は人々に希望を与えようと努めていると発言。欧州諸国の援助により、ラマッラ旧市街の保存を目指すプロジェクトなどの取り組みに勇気づけられていると述べました。また、近隣の子どもたちに門戸を開放する素晴らしい音楽学校があることにも触れました。しかしマンスール氏は、こうした経験とは裏腹に、難民キャンプで悲惨な目に遭っているパレスチナ人がいることを指摘。こうしたプラスとマイナスの面を抱えながら、パレスチナは占領の終焉と国家建設に努めていると語りました。
マンスール氏は「希望的観測としてではなく、あるがままとして」現実を理解することの重要性を強調しつつも、パレスチナ人はテロを志向する邪悪な民族ではないと主張。経済の開発と前進は、占領国による支配という孤立状態で実現するものではないとした上で、経済開発との関連性を考えない者は、科学的分析で現実を理解していないに等しいと述べました。
ガザに関し、マンスール氏は、イスラエルがパレスチナと協議を行わず、一方的に撤退を決めたと発言。ガザ地区の情勢は「治安維持しか頭にないシステム」の影響を受けていると主張しました。同氏は、国境封鎖によりモノの移動が不可能になれば、経済開発は極めて限定的なものとならざるをえないとの認識を示しました。
ヨルダン川西岸地区の隔離壁に関し、マンスール氏は、イスラエルが自国領内に壁を作るのなら問題はないが、壁によってパレスチナの土地が10%削り取られ、しかも水資源の90%が壁の内側にあるとなれば、その目的が治安の確保で、土地の奪取ではないと言い切れるのかという疑問を提示。国際司法裁判所も隔離壁は治安の確保を目的とせず、違法であり、撤去せねばならないとの判断を下していることを指摘しました。また、裁判所の判断は客観的であり、イスラエルはその行為を見直す必要があるとした上で「自国の領土に作るのなら、いくら壁を高くしても構わないが、私たちの土地にこれを作り、人々に破滅的な影響を及ぼしてはならない」とも語りました。
この発言は場内で大きな反響を呼び、参加者からは「自爆テロはどうなのか。私たちの子どもは好きで検問所の兵士をやっていると思うのか。ただ子どもたちに生き延びて欲しいだけだ」との声が上がりました。ある発言者は、隔離壁の90%はフェンスにすぎないとした上で「壁ができてから、テルアビブで死者が出ることはなくなった」と主張しました。
市民社会イニシアチブの課題に関するパネル
きょう2回目のパネルでは、国連広報局パレスチナ・非植民地化・人権課のディサン・ドラニ課長が進行役を務めました。
ドラニ氏は討論の前置きとして、政治、治安面で困難な問題はあっても、市民社会レベルでのイスラエル・パレスチナ間の協力は続いているという事実をハイ・ポリティクスが覆い隠す傾向にあると発言。昨年モスクワで開かれた第14回セミナーで、今年のセミナーは開催自体を目的とすべきではなく、イスラエルとパレスチナの市民社会の対話継続に向けた場とすべきだとの合意がなされたことを指摘しました。これによって出来上がったのが、イスラエルとパレスチナの市長が主導する「イスラエル・パレスチナ市民社会イニシアチブ運営委員会」です。
基調演説はベニータ・フェレロ=ヴァルトナー欧州連合(EU)対外関係担当委員に代わり、ヒュー・リチャードソン駐日EU代表部大使が行いました。リチャードソン氏は、パレスチナの厳しい状況にもかかわらず、EUは将来のパレスチナ国家の機構整備により、和平プロセスを前進させる決意であるとした上で、市民社会のイスラエル・パレスチナ協力への参加拡大の方途を探り続ける意思を表明しました。
リチャードソン氏は、EUが4者協議(カルテット)のメンバーであり、パレスチナに対する最大のドナーであることを指摘。欧州・地中海パートナーシップ(通称「バルセロナ・パートナーシップ」)とその「近隣諸国協力」行動計画の枠組み内で、中東全域との連携を築いていると述べました。同氏によれば、援助の大半は人道支援プロジェクトに当てられていますが、司法プロセスへの援助や金融セクターの状況改善などについても具体的な成果が上がっています。
リチャードソン氏は、パレスチナ自治政府を援助する用意が常にあるとし、これに対するEUの支持を表明。「地域の平和と繁栄には政治的な観点が必要なことを見失ってはならない」と述べました。EUは2国家共存による和平を望み、さまざまなプログラムを通じて援助を提供しています。同氏は、パレスチナにおける市民社会のエンパワーメントが、和平交渉に向けた環境整備に欠かせない要素だとした上で、これが実現すれば、対話と暴力終焉を推進する力となり、イスラエル・パレスチナ紛争の沈静化と非暴力的解決が近づく可能性もあると語りました。
また、ヨルダン川西岸とガザの両地区で、市民社会は教育、住宅、雇用創出、人権推進、女性のエンパワーメントに重要な役割を担うべきだとする一方で、イスラエルでも、市民社会が対話に貢献すべきだと述べ、経済的な存続は公共セクターの存続なしに考えられないとも主張。EUのプロジェクトには、持続可能なビジネス環境を整備し、輸出を促進するための取り組みと、零細企業向けに保証付き融資を行う特別基金が含まれていることを明らかにしました。リチャードソン氏によると、市民社会支援のために数十年前に発足した「平和のためのパートナーシップ」は、信頼醸成、人権、そして拷問犠牲者の社会復帰を促進しているほか、これもEUが支援する「グッド・ウォーター・プログラム」では、ヨルダン、パレスチナ、イスラエルのコミュニティが共同で作業を進めています。
「イスラエル・パレスチナ市民社会イニシアチブ運営委員会」の委員長とメンバーは、教育、科学技術、公衆衛生、雇用、都市開発、環境的に持続可能な沿岸開発などの分野に関し、イスラエル・パレスチナ間のさまざまな協力に向けた取り組みを報告しました。また、地域的、国際的主体が関与する協力をさらに促進するための方途も探りました。
運営委員長を務めるニューヨーク・ポリテクニック大学のイラン・ジュラン教授は、全体として取り組まなければ解決できない課題が多いとした上で、非政府組織(NGO)とイスラエル、パレスチナの市長数人が共同で、下水による水質汚染など共通の問題に取り組んでいると発言。運営委員会メンバーはこの1年間、NGOとの連携により、ヨルダン川西岸、ガザ、イスラエルの市長数人を訪問したことを明らかにしました。市長を関与させる際の課題のひとつとして、共通のニーズを特定することがあげられます。このような取り組みをしやすくするため、フランス政府は大学を創設して参加都市出身のエンジニアを教育し、共同プロジェクトの可能性を探るフィージビリティ・スタディを行わせる旨の提案を行いました。ガザでは、輸出手段の改善により農業をいかに再生化するかについての案が出されています。ひとつの解決策として、農産物のライフサイクルを管理し、封鎖など不測の制約による影響を軽減することがあげられます。ジュラン氏は、このようなプロジェクトを促進するための機構を導入する必要があるため、EUは共通インフラ・システムを支援するプログラムを確立すべきだと主張。国連システムの支援も重要だとした上で、市長を援助する資金の必要性を強調しました。
元アシュケロン市長のベニー・ヴァクニン・テルアビブ都市交通局長は、1980年代末、ガザ市長とともに導入した共同コンピュータ学習プロジェクトについて触れ、和平合意の成立まで共同プロジェクトの模索を延期する必要はないと発言。相互理解の基盤を整備し、教育とインフラを改善するための協力は可能だと主張しました。このプログラムでは、パレスチナとイスラエルの学生がイスラエルとドイツに留学しています。また、別のプロジェクトでは、アシュケロンのエンジニア・チームがガザを訪れ、リサイクル施設の建設を援助しました。ヴァクニン氏は、さらにもうひとつのプロジェクトが策定中であることを明らかにし、このようなプロジェクトは和平プロセスに貢献できると述べました。
ガザ市長代理として出席したパレスチナ駐日代表部のワリード・シアム大使は、草の根レベルで共存にまったく問題はないとした上で、市民社会の構成員には、政治的、社会的、経済的解決策を探るため、信頼を構築する責任があると述べました。
シアム氏は、軍事的な治安確保を話し合いの前提条件とすべきではないと発言。同じ土地に暮らす2つの民族には、2国家として共存する平等な権利があり、パレスチナとイスラエルは対等なパートナーとなるべきだと主張しました。同氏によれば、パレスチナ人はすべてのドナーに感謝しているものの、国際社会にとっての負担にはなりたくないと考えており、チャンスさえ与えられれば、経済開発、教育、インフラ整備に取り組む能力を備えています。シアム氏は、港湾、空港、高速道路、農業・工業地帯の整備により、パレスチナとイスラエルに共通の責任である失業問題の解決が可能だと述べ、「ともに力を合わせよう」と呼びかけました。
アシュドッド市長のツヴィ・ツィルカー氏は、アシュドッド、アシュケロン、ガザの市民だけでなく、地域全体の住民にとって、沿岸域の生態系保全や地下水と海洋の汚染防止も大きな利益になると発言。世界銀行や日本をはじめとするドナーの資金供与により、浄化システムの改善と、貨物の自由かつ十分に安全な通過を可能にする自由貿易地域の開発に向けたプロジェクトが始まったことを明らかにしました。また、共同リサイクル・プロジェクトも進められているところです。その他有用なプロジェクトとして、同氏は淡水化プラントや養殖場(イスラエルとガザの海岸線から8マイル地点)の整備構想を指摘。最近のガザ情勢により、イスラエル人とパレスチナ人双方の生活改善を目的とするこれらプロジェクトに支障が出ないことを望むと述べました。
ハデラ市長のハイム・アヴィタン氏は、ハデラが開放的な都市として、市内のイスラエル、パレスチナ双方のコミュニティに公共サービスを提供していると発言。市民のほとんどは平和と繁栄の中で普通の生活を送ることを望んでいるものの、一部の過激派集団がこれに異議を唱えているとして、お互いを対等なパートナーと考えることこそが、治安上、政策上の懸念を克服する唯一の方法だと主張しました。同氏は個人的に、隣人との協力を強く決意しているが、治安面の懸念は考慮に入れざるを得ないとした上で、残念ながら、ハデラでは数件の爆破事件によって多くの犠牲者が出ており、しかもほとんどの犯人は近隣のパレスチナ人村落の出身者だと指摘。双方の不信感を克服することが重要だと述べました。
イスラエルの労組「ユダヤ労働総連合」のアブラハム・イェヘッケル議長は、ここ数週間の事件を乗り越えて、イスラエルとパレスチナの労組間の連携を強めることが大切だと発言。同労組がとりわけ、国際的ビジネス部門と多国籍企業の誘致に向け、自由貿易区創設プロジェクトを推進中であることを明らかにしました。イェヘッケル氏によれば、農業、環境、省エネ、輸送、インフラに関するプログラムの推進も検討する必要があります。
イスラエル・ダビデの星社のノーム・イフラック執行委員会委員長は、同社の代表がイスラエルの病院に収容されたパレスチナ人と、検問所を通過しようとする人々への医療援助のほか、イスラエル政府に対するパレスチナ人の権利を擁護するサービスも提供していると発言。同社が国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)に加入していることも指摘しました。
「前進への道(The Way Forward)」に関するパネル
最終回のパネルにこの未来志向のテーマを紹介するにあたり、進行役を務める赤阪清隆・国連広報担当事務次長は、今回のセミナーでは政治、経済、社会の各側面で「大小のステップ」が提案されたと発言。参加者の中には、政治的な議論だけでなく、経済的、社会的な取り組みにより、当事者間の信頼を早急に醸成する必要があることを強調する向きがあったと指摘しました。前進への道を開きうる分野としては、下水処理、学術協力、淡水化、水管理、生態系、工業、農業および輸送に関するプロジェクトがあげられました。参加者には市民社会による取り組みも紹介されました。
「私たちは紛争にとらわれることが多く、政治上、安全上の懸念はパレスチナとイスラエルの人々の相互不信を増幅している」赤坂氏はこのように語り、地方自治体、市民社会、非政府組織(NGO)のほか、一人ひとりの人間が協力して、こうした問題を克服せねばならないとしました。
ジュラン氏は、きょうの議論によって勇気づけられたと発言。市長や市民社会の代表に共同の取り組みへの参加意思があることは間違いないとしつつ、このような取り組みを支援し、必要な資金を確保することが重要だと指摘しました。同氏はまた、現地の人々に協力の用意がある時こそ、共通の懸念に対する取り組みに着手できるよう、支援の手を差し伸べることが重要だと主張。最近、パレスチナとイスラエルの都市を数カ所訪問したことで、各市が独自に進めている協力が、現地の共通課題を解決する場となっているとの明らかな感触が得られたと語りました。ジュラン氏は、このようなプロジェクトが地域的課題への対応にも資する可能性を指摘し、人々が相互理解を深められるよう、信頼の回復と醸成に努めることが必要だとしました。
きょう数多くの具体的構想が提示されたことを受け、ジュラン氏は、国連システムが主導権を握り、ドナーや国際機関の参加を得て、前進への道を探るワークショップを開催することを提案。市長は自らの具体的な提案を共同で提示できるとする一方で、国際社会による支援を調整するため、制度的機構を設けるべきだとも語りました。
パレスチナ広報サービスの最高責任者で、アッバス大統領のメディア顧問も務めるリヤド・アルハッサン氏は、ラマッラからのテレビ中継で参加者に対し、国際メディア・セミナーは意見を交換し、多くの問題について連携と相互理解を確立する大きなチャンスだと語りかけました。パレスチナは今、極めて困難な状況に直面しています。それはつまり、パレスチナ情勢がさらに複雑化し、パレスチナ自治政府に新たな不測の負担が生じたことを意味します。同氏はこれに関し、情勢悪化には多くの原因があるとしながらも、主因は和平プロセスが暗礁に乗り上げたことにあると述べました。
アルハッサン氏によれば、パレスチナ自治政府の求心力が低下した理由は、アッバス大統領がパレスチナ人捕虜を解放することも、壁の建設を止めることも、イスラエルにパレスチナの税収凍結を解除させることもできなかったことにあります。同氏は、ハマスの影響力が増大した主因もここにあるのではないかとした上で、ハマスがガザの実権を握った今、アッバス大統領はこの厄介な問題の解決も迫られていると指摘。状況打開の鍵を握るのは、和平プロセスの復活によって、パレスチナ人に希望を与えることであり、パレスチナ自治政府は前進に向けた決意を固めていると述べました。また、アッバス大統領は、治安を維持し、最終地位交渉をスタートできることを立証する必要があると同時に、その手始めとして、自らの権力基盤を固め、和平への道を選んで暴力に終止符を打つだけでなく、イスラエルに対するロケット弾攻撃などの暴力も止めることをパレスチナの人々に確信させるべきだとも語りました。
アルハッサン氏は、ハマスがガザ地区の支配権を握ったからといって、希望と和平への道が閉ざされたわけではないと発言。パレスチナ国家樹立の必要性は広く受け入れられているとした上で、ハマスにはもっと時間が必要かもしれず、この時間を利用すれば、アッバス大統領とパレスチナ自治政府が和平プロセスに実効的に参加できる可能性を確保し、さらに多くの和平支持者を得ることもできると主張しました。一昨日のシャルム・エル・シェイクでの会合は、交渉の活性化と最終地位の確定につながるのではないかと期待されましたが、大きな成果は得られませんでした。会合では、250人の捕虜釈放、一部のバリケード撤去、パレスチナ自治政府への税収移転の約束など、わずかな譲歩があっただけでした。同氏はこれに関し、成果は最小限にとどまり、パレスチナ自治政府を強化するどころか、その弱体化につながりかねないと述べました。
アルハッサン氏は、最終地位問題の解決は難しく、そのためには和平プロセスを信じる勇気ある人々が必要であることを強調。その点で、4者協議とアラブ和平イニシアチブの意義は大きく、当事者を突き動かせる可能性を秘めているとしつつも、和平プロセスと最終地位交渉をこれ以上延期すれば、さらに問題が発生し、過激派が勢いづくおそれがあるため、迅速な対応が極めて重要だと述べました。同氏によると、アラブ和平イニシアチブに関しては、アラブ諸国間にある程度の合意があるだけでなく、イスラエルにも前向きな姿勢がうかがわれます。さらに明確化が必要な可能性はあるものの、これをたたき台にして最終交渉をスタートさせるというコンセンサスが生まれるかもしれません。
アルハッサン氏は「今こそ和平プロセスの再開が必要だ」とした上で、イスラエルにもこれが必要であることを指摘。中東情勢は重大な局面を迎えており、イスラエル・パレスチナ問題を解決すれば、過激派の手から起爆装置のひとつを奪うことになり、将来への期待が生まれるだろうと語りました。同氏によれば、イスラエルにはもちろん、慎重な政策を選択する必要があり、入植活動やパレスチナ人に対する不当な夜間外出禁止令のような措置は、憎悪と敵意を煽り、状況をさらに悪化させることになります。アルハッサン氏はまた、条件や前提なしに協議を再開できるのではないかという期待も表明。「私たちは直ちに、新たな信念を持って交渉を再開すべきだ」とした上で、さもなければ情勢は再び暗いトンネルに入り、出口の模索はさらに困難になるだろうとも述べました。
ヴァクニン氏は、市長と市民団体がイスラエル・パレスチナ間の協力の見通しに関する対話を促進し、社会・経済開発という地域的課題に取り組む必要があると発言。イスラエル・パレスチナ間のワークショップに向けた今後のプログラム準備にあたっては、商工業や輸出能力・農業開発のための地域インフラなど、公共セクターのあらゆる活動に焦点を置き、次回のセミナーでアイデアを出せるようにせねばならないと主張しました。
次いで会場からコメントが募られ、数人の参加者がセミナーの印象と、前進への道についての私見を披露しました。
ある参加者は、討論を聞いた印象として、捕虜の釈放などによりアッバス大統領の立場を強めなかったことは誤りだと認めざるを得ないと発言。今はアッバス氏の支援に全力を尽くし、同氏が成果をあげられることを示すことが必要だとした上で、それこそがハマスを打倒するチャンスだと主張しました。
同人はまた「政府の行動を待つのではなく、私たちが自ら行動して理解を促せば、双方の市長や市民、団体が協力してビジネスや対話を発展させる一助となる」とも述べ、参加者がこのチャンスを必ず生かすだろうとの期待を表明しました。
カイロを拠点に活動する外国人特派員は、東京での2日間のセミナーを終えても、政治決着の可能性については依然として悲観せざるを得ないとしつつ、協力を訴えるメッセージには勇気づけられたと発言。中東で何が起こっているかを伝える上で、メディアの役割は重要だとの認識を披露しました。両当事者間の緊張状態はセミナーの最中にも表面化したことから、同人はイスラエル人とパレスチナ人がともに、中東問題を外部の視点から捉え、相互の立場を把握し理解する手助けができるような第三者の意見を聞くことを提言しました。
ガザから到着したばかりのあるジャーナリストは、最初から戦争を好んだり、望んだりする者はいないが、パレスチナ被占領地区では、核武装した軍隊に対してパレスチナ人が弱い立場に置かれていることを指摘。参加者の中には、小さなプロジェクトから和平の実現を図れると考える向きも多いが、実際のところ、それでは数カ月、さらには数年経っても和平は実現しないおそれがあるとした上で、そのためには安全保障理事会の決議に基づく譲歩が必要だと主張しました。「なぜ和平を理論的に語るべきなのか」同人はこのように問いかけ、和平実現のためには、国際的決議の実施に向けた勇気ある行動が必要だと述べました。
同人はさらに加えて、パレスチナ人民は平和の闘士だが、平和は文化であり、単なるイニシアチブや提案ではないことを指摘。経済だけで問題は解決できず、和平こそが飢餓や貧困、絶望を解決する道だと主張しました。
ヨルダンのあるジャーナリストは、どのような占領も自爆攻撃やいわゆるテロを含め、抵抗に遭う運命にあると発言。実際のところ、占領は国家による最悪のテロだとした上で、パレスチナの報道機関については、同胞が殺されているのに中立的立場など貫けるはずはないと擁護しました。また、多くのパレスチナ人の犠牲者はイスラエル軍の手によって殺されているのであり、このような形で殺害が続いている限り、和平への呼びかけに応じることは難しいとも述べました。
マンスール氏は、国際メディア・セミナーを有意義なものとするためには、参加者が互いの声に耳を傾けることを学ぶ必要があると発言。「どのような議論にも反論はできる。しかし、これを続けていれば、貴重な資源と時間が無駄になってしまう」同氏はこのように力説し、極めて複雑な状況を取り扱う際には、双方の関心に取り組む姿勢が必要だとしました。また「私たちは占領に終止符を打ちたい。イスラエルは治安の確保を望んでいる。どこかで妥協点を見いだせなければ、子孫は憎悪の中で育つことになる。相互利益をどのように見つけられるかについて、現実的に考えなければならない」とも述べました。マンスール氏は、問題の核心にどのように触れるかについて前向きな姿勢を取りつつ、占領の終結と和平の実現について話し合うことが必要だとしました。
これに対し、イスラエルのある参加者は「私は政府に和平を求めるが、あなた方にはその代わり、爆弾を持ち込んで罪のない民間人に危害を与えないよう命じて欲しい」と述べ、そうすれば和平はぐんと近づくだろうと指摘しました。また「私たちは個人や市民社会の構成員としてセミナーに出席し、そして外交官として帰って行く。それだけでも貴重な第一歩だ」とも述べました。
パレスチナ駐日代表部のシアム大使は締めくくりの言葉として、参加者の中には、第2次世界大戦後に社会を再建し、経済発展を果たした日本を中東の手本と考える向きも多いのではないかと述べました。「パレスチナ人の希望を回復することも可能だ」シアム氏はこう語り、信頼醸成措置や、日本政府が提唱する「平和と繁栄の回廊」構想をはじめとする大がかりな経済プロジェクトの重要性を強調。また、イスラエルの参加者に対しては「対等なパートナーとして手を取り合おう」と呼びかけ、「腰を落ち着けて話し合い、何らかの結論が出せれば、和平の成立もそう遠くないはずだ」とも述べました。シアム氏はさらに、イスラエルによるパレスチナの資金凍結の即刻解除など、前向きな措置を要請した上で、最後に「壁を取り去ろう」と訴えかけました。
赤阪氏は閉会にあたり、諸困難にもかかわらず、参加者の間には極めて有意義な対話が生まれたと述べました。
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Press Release
27 June 2007
PAL/2084
PI/1787