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「基礎宇宙科学ワークショップおよび国際太陽系観測年2007」開催

プレスリリース 07/034-J 2007年06月20日

「国際太陽系観測年2007」の支援活動の一環として、国連宇宙局(OOSA)は5日間にわたり「基礎宇宙科学ワークショップおよび国際太陽系観測年(IHY)2007」を開催中です。このワークショップは、欧州宇宙機関(ESA)および米国航空宇宙局(NASA)との共催で、2007年6月18日から22日にかけ開かれるもので、日本政府に代わり、国立天文台(NAOJ)がホスト役を務めています。

ワークショップでは、天文学、物理学、地球科学の発展に大きく影響する最前線の研究結果を披露するとともに、日本から開発途上国への天体望遠鏡施設やプラネタリウムの供与という過去14回のワークショップでの成果と、IHY2007を通じた安価な世界的地上観測網の構築について検討します。また、世界の学術関係者による天体物理学データシステム(ADS)とバーチャル天文台(VO)の利用普及に関する議論も続けられます。これらを活用すれば、天文学、物理学、地球科学に関する研究文献と、過去50年間に天文観測衛星群が宇宙で撮影した画像が無料で閲覧できます。

OOSAは1990年以来、国内・国際宇宙関連機関との協力により、特に開発途上国の科学者の利益を念頭に、IHY 2007に向けた準備を含め、基礎宇宙科学に関するワークショップを毎年開催してきました。「国際太陽系観測年2007」は、太陽・地球物理学の分野での国際的な研究協力の重要性に対し、世界中の関心を集めることをねらいとした国際的取り組みです。

これまでのワークショップでは、IHY 2007に向けた準備として、天文台開発プログラム「IHYトライポッド」の確立が進められてきました。「IHYトライポッド」プログラムは、磁力計、無線アンテナ、GPS受信機、宇宙線検出器など、全世界に配置された天体機器の利用、取得したデータを分析するソフトウェアの開発、大学レベルの宇宙科学教育による分析結果の普及という3要素からなります。東京のワークショップでは、「基礎宇宙科学トライポッド」と「IHYトライポッド」を実施に移した開発途上国の科学者が、成果について報告することになっています。

ワークショップには、アルジェリア、オーストリア、ブラジル、ブルガリア、中国、エジプト、インド、インドネシア、イラク、日本、マレーシア、モンゴル、モロッコ、ナイジェリア、韓国、オランダ、パラグアイ、ペルー、フィリピン、ロシア連邦、スペイン、スリランカ、シリア、タイ、ウクライナ、アラブ首長国連邦、米国、ウズベキスタンの28カ国から、約100人が参加する予定です。

国連宇宙局(OOSA)が実施する国連宇宙利用プログラムは、開発途上国をはじめ、あらゆる国々の経済と社会の開発に向けた宇宙科学・技術の利用改善に努めています。OOSAは同プログラムにより、リモートセンシング(遠隔探査)、通信、衛生気象学、捜索・救助、基礎宇宙科学、衛生ナビゲーション、宇宙法などの分野での応用や能力育成に関する研修コース、ワークショップ、セミナーその他の活動を展開しています。

OOSAは国連総会のほか、宇宙空間平和利用委員会とその2つの小委員会、すなわち科学技術小委員会と法律小委員会の決定も実施します。OOSAは宇宙の平和利用に関する国際協力の促進と、開発途上国による宇宙科学・技術の利用支援を担当する機関です。本部はオーストリアのウィーンにあり、ウェブサイトはhttp://www.unoosa.org/です。

詳しくは下記にお問い合わせください。

Romana Kofler
Associate Programme Officer
Tel.: (+43-1) 26060-4962
E-mail: romana.kofler@unvienna.org