協同組合の国際デー(7月3日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 04/054-J 2004年07月01日
今年の「協同組合の国際デー」のテーマは、「公正なグローバル化を目指す協同組合:すべての人々に機会を」となっています。これは、わずかな特権階級だけでなく、世界の人々全てに利益が及ぶグローバル化を促進する上で、協同組合がその他のステークホルダーとともに演じる重要な役割を強調するものです。公正なグローバル化を図ることとは、根本的にインクルーシブ(包括的)、持続可能かつ人間中心のプロセスと成果を実現できるよう努力することを意味します。ガバナンス(統治)の改善とともに、公正なグローバル化はこのようにして、ミレニアム開発目標の達成を促進できるのです。
協同組合は従来、組合員とコミュニティが抱える地域の問題を重点とする活動に取り組んできました。が、今日では、より広い市場の新たな現実への適応を迫られています。取扱商品の多角化や、競争価格での良質な商品とサービスの提供、情報技術の活用などにより、すでにこのような適応を行っている協同組合は少なくありません。しかし、できることはまだあります。地域協同組合の間で国際的な連携を作り出すことは、事業・金融情報を共有し、販路を広げるために重要です。各部門内で協同組合の有意義な統合を行えば、コスト削減や効率化、さらには交渉力強化に役立つことがあります。また、新たな出資形態を模索する必要もあります。
政府と国際機関は、協同組合や小規模ビジネスに対し、経済と政治の場で平等な競争条件を確保すべきです。このため、協同組合の成長と適応を促進、支援する政策や法律は重要です。国連ファミリーとしても、協同組合振興促進委員会のメンバーとして、引き続きその活動に積極的な役割を果たしてゆきます。
全世界の協同組合の成長と成功を促進することにより、政府、国際機関、そして国連は、公正なグローバル化の実現に向け、協同組合が存分にその役割を果たすための手助けができるはずです。今年の協同組合の国際デーにあたり、力を合わせてこの任務に当たろうではありませんか。