国連平和維持要員の国際デー(5月29日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 04/046-J 2004年06月01日
~平和維持ミッションは持続可能な平和を築くための最良の方法~
以下は、5月29日の「国連平和維持要員の国際デー」に寄せるコフィー・アナン国連事務総長のメッセージです。
昨年、国連平和維持要員の国際デーが初めて設けられました。これは世界各地で信頼を築き、戦争当事国を仲裁し、苦しみをなくすため、半世紀以上にわたって国連旗(ブルー・フラッグ)のもとで働いてきた平和維持要員の献身と犠牲を記念する日です。悲しいことに、過去1年間でさらに多くの悲しむべき犠牲が生じました。
これらの犠牲者一人ひとりに対し、私たちは深い敬意を払わなければなりません。と同時に、それは私たちを奮い立たせるものでもあります。このように勇敢な平和維持要員たちのように、世界の国々が平和に暮らせるよう、私たちも懸命な努力を続けなければなりません。
今日94カ国から53,000人以上の軍事要員、および11,000人以上の文民スタッフが、世界各地で15のミッションに従事しています。その数は増える傾向にあります。安全保障理事会はブルンジでの活動を承認したところであり、スーダンでも新たな活動が予定されています。
平和維持のミッションの数が増えるのは、各国が武力紛争の中からより健全な解決の道を選ぼうとしていることを示す歓迎すべき兆候です。しかし、私たちにとっては莫大な負担となるのです。加盟国には、今後必要となる平和維持要員の増員と財源を提供していただけるよう求めます。
平和維持活動は、初期の停戦監視の役割を越えて大きく発展して来ました。今日、国連のミッションは、政治制度移行の支援、組織の建設、法治原則の普及促進、経済再建の支援、選挙監視、民兵や旧戦闘員の武装解除、人道援助プログラムの補助、難民や国を追われた人々の再定住などの任務に携わっています。
リベリアとシエラレオネでは、平和維持要員は2つの激しい内戦における戦闘員を武装解除し、復員させ、社会復帰させています。東ティモールでは、誕生したばかりの国が最初の一歩を踏み出し、国の制度づくりを援助しています。西サハラでは、30年近くも離ればなれになっていた難民とその家族の最初の接触を支援しました。
平和維持ミッションは、戦争そのものをなくすことは決してできません。しかし、持続可能な平和を築くための最良の方法を提供することはできます。この「国連平和維持要員の国際デー」にあたり、最もお金のかかる平和維持活動でも、最も安価な戦争よりはるかに安いことを忘れてはなりません。平和維持活動に投資してみる価値は十分あります。