国際障害者デー(12月3日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 03/128-J 2003年12月26日
今年の「国際障害者デー」は各地の社会に対し、障害者の生の声を聞く機会を提供しています。これは歓迎できることですが、きょうという大事な1日でこれを終わらせるべきではありません。
実際のところ、10年前に採択された「障害者の機会均等化に関する標準規制」は加盟国に対し、常時かつさまざまな方法で、障害者、その権利、その必要性、その潜在能力およびその貢献に対する社会の認識を高める行動を取るよう呼びかけています。社会生活と発展における障害者の全面的な参加と平等という「障害者に関する世界行動計画」が定めた目標を達成する上で、このような認識は非常に重要です。
総会は今年、「障害者の権利と尊厳の保護および促進に関する包括的・総合的国際条約」(Comprehensive and Integral International Convention on Protection and Promotion of the Rights and Dignity of Persons with Disabilities)の起草開始を決定し、この目標の達成に向けた歓迎できる一歩を記しました。条約の準備には国、地域および地球的レベルでの協議の過程が必要となりますが、この過程で障害者の声を拾い上げてゆかなければなりません。
国連以外でもやるべきことは山積しています。障害者のエンパワーメントを図り、差別、偏見および無知に取り組み、障害者のステレオタイプ的描写を終わらせる上で、メディアは重要なパートナーです。非政府組織もまた、地雷の影響、障害を持つ子どもの教育の重要性、障害者のエンパワーメントのために情報通信技術を活用する必要性などの多種多様な問題に対する社会全体の理解を深める上で、きわめて重要な役割を果たします。
このような取り組み、さらにはその他の取り組みを通じ、きょうだけでなく毎日、障害者の声に耳を傾けてゆこうではありませんか。