国連デー(10月24日)事務総長メッセージ
プレスリリース 14-070-J 2014年10月24日
危機が多発している今ほど、国連が必要とされる時代はありません。貧困や病気、テロ、差別、気候変動はいずれも、甚大な被害を及ぼしています。強制労働、人身取引、性的奴隷、さらには工場や農地、炭鉱での危険な条件の下で、嘆かわしい搾取を受けている人々は、今でも数百万人に上ります。グローバル経済は依然として、不公平な競争の場となっています。
国連の創設は、人間の尊厳に対するこのような攻撃を終わらせ、よりよい未来への道を開くという、全世界の人々への厳かな約束でした。痛ましい挫折も多く、国連憲章のビジョンを実現するまでには、まだ長い道のりが残っています。しかし、私たちは、勇気づけられるような成果も達成しています。
国連ミレニアム開発目標(MDGs)によって、これまでで最も大きな成功を収めた貧困対策キャンペーンが生まれました。不平等や拷問、人種主義に取り組む国連の諸条約は、人々を保護してきたほか、環境を守るための協定も成立しています。国連平和維持要員は敵対勢力を引き離し、国連の調停者たちは紛争を解決し、人道支援に携わる職員は多くの人命を救ってきました。
重要な局面を迎えた今こそ、社会に取り残され、弱い立場にある人々のエンパワーメントを図るという決意を新たにしようではありませんか。私は「国連デー」にあたり、各国政府と個人に対し、共通の理念に基づき、共通の利益を目指すよう呼びかけます。
* *** *