世界食糧デー(10月16日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 03/105-J 2003年10月14日
近年の目覚ましい技術と農業の進歩にも関わらず、いにしえからの最も基本的な飢餓の苦しみは依然として続いています。毎日8億4,000万人もの人々が十分な食糧を得られません。南アジアでは、4人に1人が飢えています。アフリカのサハラ以南では、その割合は3分の1にも達します。
ミレニアム開発目標(MDGs)の1つに、貧困と飢餓の撲滅があります。ミレニアム宣言は、2015年までに、1日1ドル以下で暮らす人の割合と、飢餓で苦しむ人の割合を半減することを謳っています。1996年の世界食糧サミットでも、2015年までに飢餓人口を半分に減らすことが宣言され、この目標は5年後の2002年世界食糧サミットで再確認されました。
これらの目標を達成するのはたやすいことではなく、期限まであと12年しかありません。しかし、達成不可能ではありません。
食糧生産増加と食糧流通の改善のために、多方面で様々な行動が必要となります。また他のミレニアム開発目標(MDGs)達成のための行動も必要です。食糧安全保障は、教育、公衆衛生、男女間の平等、持続可能な環境、および伝染病予防などと関連しているからです。
今年の世界食糧デーのテーマでも述べられているように、目標達成のためには、真の「飢餓に対する国際同盟」を作らなくてはなりません。これは各国政府、国際機関、市民社会、民間部門、宗教団体、および個人を網羅した同盟です。実際、開発のためのこのような全世界的パートナーシップは、それ自体ミレニアム目標(MDGs)の1つなのです。
大規模な飢餓は人間の尊厳に対する挑戦であり、人間の意識にショックを与えるものです。国連は、今後もこの世界から貧困と飢餓を駆逐するという目標を目指します。国、地域、および国際レベルでのすべてのパートナーに対し、力を合わせ、飢餓との戦いに勝利するために必要な政治的意志、資源、および専門知識を結集するよう呼びかけます。これは世界が関わっているすべての戦いの中で、最も価値のある、最も必要な闘いなのです。