国際青少年デー(8月12日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 03/079-J 2003年08月12日
今年で4回目となる国際青少年デーを迎える今、世界経済は不確実性の時代にあります。失業率の上昇は、労働市場の動きに特に影響を受けやすい若者に深刻な打撃を与えています。解雇、リストラ、労働市場への参入の機会の不足は、多くの人々を経済的に苦しい生活へ、そして絶望へと追いやっています。私たちは、若者の命が犯罪や薬物の乱用、内乱、果てはテロリズムによって無駄にされる悲劇をあまりにもたくさん見てきました。
青少年の失業はすべての国に影響を及ぼしている問題です。国際労働機関(ILO)は、現在およそ7,400万人の若者が職のない状態にあると推定しています。今後10年間に10億人以上が労働人口に加わります。新しい世代は、これまでのどの世代よりも高い教育を受けていますが、仕事を探すにあたっては、これまで同様、多くの障害に直面せざるを得ないでしょう。
私たちは世界中の若者に、一定水準の生産的な仕事を見つける機会を与えるための戦略を発展させなければなりません。そうした仕事は、独立した責任感ある世界市民となることを可能にします。これには、世界中で雇用適性、機会均等、企業家精神、若者のための雇用創出を促進することが含まれます。
「ミレニアム開発目標」の1つとして設定された開発のためのグローバル・パートナーシップの一環として、私は青少年雇用ネットワークを創設し、一連の政策提言を作成するためのハイレベル委員会を任命しました。委員会は、6月30日と7月1日にジュネーブで開かれた第2回会合で、すべての国に対し、この分野でのすぐれた政策活動を国レベルでの実効ある行動に移すことを提唱しました。
青少年雇用ネットワークとその国別パートナーは、ILOおよび世界銀行の専門能力を活かして、若者の雇用に関する国としての行動計画を策定する予定です。私は、若者の雇用のために財政的な資源を動員し、学校と職場との間に橋をかけ、国の行動計画の策定と実行において若者の組織が積極的な役割を果たすよう促すというこのネットワークの目的を全面的に支援しています。
若者は決して社会の重荷であるとみなされるべきではありません。若者は社会の最も貴重な資産です。ある委員が強調したように、問題なのは「失業」です。若者は問題ではなく「答え」なのです。この国際青少年デーを機に、社会の発展と進歩に貢献する機会が世界中の若者に与えられるよう力を尽くしていきましょう。