世界の先住民の国際デー(8月9日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 03/077-J 2003年08月06日
私たちはきょう、世界の先住民の存在、多様性、そして成果を祝います。その文化を維持し、土地を守り、差別と闘うための必死の努力に敬意を払います。また、そのアイデンティティを失うことなく、祖先の伝統と、より幅広い、急速な変化を遂げる現代世界との間を気楽に行き来する人々に敬意を表します。私たちはさらに、先住民たちが依然として、その生命に対する脅威、ならびに、信仰体系、文化、言語および生活様式の破壊に直面していることを改めて思い起こします。
国連の先住民作業部会が初めて会合を開いたのは、1982年のこの日でした。それ以来、多くの出来事により、先住民問題は重要な国際的課題として浮上しています。1993年は「世界の先住民の国際年」とされ、1995年には「世界の先住民の国際の10年」がスタートしました。国連人権委員会は、先住民の権利に関する宣言案を策定中であり、先住民問題を検討する特別報告者も任命しました。さらに最近では、先住民問題に関する常設フォーラムが設置され、国連の中に先住民の居場所が確立されました。先住民、加盟国および国連システムのパートナーシップの仕組みとして、この常設フォーラムは、国際の10年のモットーである「行動するパートナーシップ」が、経済・社会開発、環境、保健、教育、文化および人権の分野で現実のものとなりつつあるという期待を抱かせるものとなっています。
人類はいわば、壮大な美と多様性が織りなすつづれ織りのようなものです。世界の先住民は、このつづれ織りに欠かせない、豊かな色彩の糸といえます。誇るべきものも多ければ、人類という家族の兄弟姉妹たちに教えるべきことも多いのです。彼らの権利と文化を保護し、促進することは、あらゆる国家とあらゆる国民にとって、根本的に重要なことです。