国際移住者デー(12月18日)事務総長メッセージ
プレスリリース 14-086-J 2014年12月17日
私たちは「国際移住者デー」にあたり、全世界2億3,200万人に上る移住者の人権の実現と擁護を求めます。
あまりにも多くの移住者が、不安定かつ不当な条件のもとに暮らし、働いています。命を危険にさらしながら、海路で安住の地を求めようとする人々も多くいます。移住者とその子どもたちは、搾取や虐待を極めて受けやすくなっています。多くの移住者は、共感をもって迎えられ、必要な保護を与えられるどころか、その自由を奪われています。移住者に対する執拗な差別は、著しい不平等を生み、社会機構に脅威を与えるだけでなく、暴力や殺害にも至ることがあまりにも多くなっています。
ポスト2015年開発アジェンダは、最も貧しく、社会から隔絶された人々のニーズを優先課題とする機会を提供しています。「誰も置き去りにしない」という、この新しい枠組みの中心的目標を達成するために、私たちは世界中の移住者が置かれた不安定な状況をさらに注視しなければなりません。
私はあらゆる国に対し、「すべての移住労働者とその家族の権利の保護に関する国際条約」を含む重要な国際人権法文書と、関連の国際労働法文書をすべて採択、履行するよう呼びかけます。また、私は各国に対し、合法的な移住手段を推進する包括的で人権に基づく移住政策を採用することも、強く求めます。
各国がその開発戦略に移住者を取り込み、移住者がそのスキルと経験で、社会の前進に貢献できるようにするためには、正確なデータが欠かせません。移住政策は、排外主義と誤認に根差すものではなく、証拠に基づくものとせねばならないのです。
「国際移住者デー」にあたり、すべての移住者に機会と尊厳ある生活を提供する多様でオープンな社会をつくるという、私たちの決意を再確認しようではありませんか。
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