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ベサクの日(5月15日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ

プレスリリース 03/044-J 2003年05月15日

「ベサクの日」は、世界中の仏教徒が約2,500年前の釈迦の生誕、悟り、そして入滅を記念する祭日であると同時に、釈迦の生涯と教えが今日の私たちの生活に与える教訓について深く考える機会でもあります。
 
 釈迦が残したのは、平和と思いやりのメッセージであり、また、自分自身と自らの行動、そして生を受けたこの世界について十分に意識するという、心配りのメッセージでした。これは、人類の方向性と運命に関心をもつ者すべてが真剣に考えるべきメッセージです。
 
 将来の世代にもっと心を配らなければ、私たちの飽くなき環境破壊は、子孫がそのニーズを充足する能力を損なうことになるでしょう。
 
 消費者、市民および有権者としての私たちの選択が、身近なコミュニティをはるかに超えて影響を及ぼすことを理解しなければ、地球という私たちの村は、必要以上に危険な場所となりつづけるでしょう。
 
 そして、あらゆる場所の貧困と紛争はだれにとっても無関係ではないということを認識しなければ、社会的調和と普遍的安寧の世界を構築するという、私たちに共有の任務は遂行できないでしょう。
 
 今年のベサクの日にあたり、私は皆さんとともに、すべての人々が人類という仲間すべてを意識し、気にかけるという心配りの世界の到来を期待したいと思います。この精神に従い、私は皆さんすべてに対し、温かいあいさつの言葉をお送りします。