女性に対する暴力撤廃の国際デー(11月25日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 02/099-J 2002年11月28日
女性はあらゆる地域、国および文化で、所得、階級、人種あるいは民族に関係なく、あらゆる形態の暴力の被害を受け続けています。しかし、過去1年で、この問題は国際社会から多くの関心を集めました。女性に対する暴力は、女性の高齢者の方が身体的・精神的虐待を受ける可能性が高いことを認識した「第2回高齢者問題世界会議」、および、女性に対するあらゆる形態の暴力と差別をなくすことの大切さを認めた「持続可能な開発に関する世界サミット」でも議題に上りました。「子ども特別総会」では、すべての国々が、強制、有害な慣行および性的搾取を受けずに暮らす権利を含め、少女のあらゆる人権を促進する決意を示しました。
また今年は、国際刑事裁判所規程も発効しました。同規程は、性暴力犯罪がいかなる一般市民に対してであろうと、広範で体系的な攻撃の一環として実行された場合、人道に対する罪として裁く司法管轄権を設定しています。女性と少女の人身売買は、もっとも急増している国境を超えた組織犯罪ですが、この問題については、来年の婦人の地位委員会による女性の人権、および、女性に対するあらゆる形態の暴力撤廃を検討する準備のために、専門家グループ会合が開かれました。そして先月、私は、安全保障理事会決議1325採択2周年にあたり、女性、平和および安全に関する報告書を安全保障理事会に提出しました。
世界は明らかに、ジェンダーに基づく暴力に対する認識と理解を深めており、その対策に向けてさらに効果的な措置がとられています。しかし、女性がこうした苦難のない生活を送ることができる環境を創り出し、これを持続させるためには、さらに多くの課題が残っています。今年の「女性に対する暴力撤廃の国際デー」にあたり、この任務遂行の誓いを新たにしようではありませんか。