世界テレビジョン・デー(11月21日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 02/098-J 2002年11月28日
情報通信技術の急速な進化は世界を変容させつつあります。世界各地の人々はますます「情報化社会」の中で暮らすようになっています。こうした変革がさらに広く深く浸透する中で、テレビは世界でもっとも強力な通信メディアとして、重要な役割を担っています。
私たちの相互依存的世界には、普遍的かつ包容的で、相互理解と寛容を促進し、多元的な見解を提示する情報社会が必要です。先進国でも途上国でも、テレビ業界は、多様で良質な番組、すなわち、各国と地域の文化を反映し、地域社会にとって適切な番組を制作、収集および配給することにより、貢献することができます。テレビはまた、もっとも権力のある人々だけでなく、社会のあらゆる人々が発言できる場を提供することもできます。そして、ラジオやインターネットなど、他のメディアと同様、テレビは偏狭な信念、ステレオタイプあるいは非人間的なイメージを流す手段として利用されないよう、注意しなければなりません。
2003年12月にジュネーブで開催予定の「情報化社会に関する世界サミット」には、すべての重要な利害関係者が集い、情報革命とその影響について話し合うことになっており、その第1部には、テレビ局幹部の参加も予定されています。国連はこれらの討議を補完する意味で、ジュネーブで同月「世界電子メディア・フォーラム」の開催を計画中です。このフォーラムでは、先進国と途上国のメディア幹部と実務者、および、その他の政策立案者と国連システムの代表が、情報化社会における電子メディアの役割に焦点をあてた協議を行うことになっています。
年に1度の「世界テレビジョン・デー」は、平和と発展の促進におけるテレビの役割に関心を向けることを目的としています。私は、世界のテレビのプロの方々と密接に協力し、世界のあらゆる人々の進歩と幸福に貢献する情報社会におけるテレビ業界のあり方について、共通のビジョンを構築できることを楽しみにしています。