世界保健デー(4月7日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 02/029-J 2002年04月05日
2002年の世界保健デーのテーマは「健康のために動こう」です。これは、文字通り行動を求めるものとなっています。
糖尿病、肥満症および心疾患などの非感染症は、貧富を問わず、すべての社会で広く蔓延しています。その多くの原因は、これと対を成す座りがちで不健康なライフスタイルの蔓延、食習慣の変化、および、喫煙の増大に求められます。
これに対する予防手段は運動しかありません。膨大な知識、経験および科学的証拠のどれを取ってみても、定期的な運動は、年齢および男女に関係なく、身体、社会および精神面の健康を大きく改善し、一般的な福利をもたらすことが明らかになっています。心臓病、糖尿病、結腸がん、および、腰痛のリスクも低下します。ストレス、不安症、および、うつ病も軽減されます。また、社会的な交流と社会的な統合も促進されます。高齢者にとっては、孤独感が和らげられます。そして若者については、喫煙や攻撃などの危険な行動の防止に役立ちます。
しかし、健康的な生活だけでは不十分です。貧困、教育不足、および、保健サービスの欠如は、エイズ、結核およびマラリアの場合と同様、非感染症の発生を大きく助長します。これらの要素はさらに、開発を妨げるとともに、貧困の悪循環を永続化させる一因にもなります。
よって、私は「健康のために動こう」というテーマが、真にグローバルなものとなり、私たちを健康で行動的なライフスタイルへと導くと同時に、世界全体での開発に向けた私たちの活動を推し進める一助になることを期待しています。